【第350回記録】人生カフェ・読書会『差別の哲学入門』・問い「差別はなぜ悪いのか?」・オンライン

第350回目の人生カフェは、令和5年5月27日(土) 14:00~16:30、9名(男性3名・女性6名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)の読書会という形にして、差別について考えていきます。今回はこの本の第1章「差別とはどういうものか?」を読んでいることを参加条件にします。

実は昨年の10月から今年の3月にかけて、この本を一通りは読む読書会を完遂しました。しかしながらファシリテーターの本間が未だモヤモヤがたくさん残っているので、これから4月から7月にかけて2度目の読みにチャレンジしてみることにしました。初めて参加される方も歓迎いたします。

 

問い:差別はなぜ悪いのか?

善悪の問題ですから、ここは差別についての哲学的・倫理学的考察の山になるところです。

この本では4つの問いと答えに分けて説明しています。

①心理状態説:差別者の心や態度に問題があるのか

②害説:害が大きいから悪いのか

③自由侵害説:自由を侵害するから悪いのか

④社会的意味説:被差別者を貶めるような社会的意味をもつから悪いのか

この4つの説についての疑問や意見を出し合いながら、対話を進めていきます。

そして、「差別は本当に悪いことなのか?」という、より根源的な問いにもできれば迫りたいです。

 

◎ルール説明

 

*問い出し

参加者には、この本を読んでの自らの問いを1~2個発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。小ネタでも、大ネタでも。

(例)本人が害とは感じていない場合は差別とは言えないか?

(例)自由侵害説は害説の一部として捉えていいのではないか?

(例) 差別の社会的・歴史的意味合いを学ばないと差別を理解できないのか?

話をしたい人のみ、チャットに書き込んでください。(チャットの内容は後日、匿名の上、記録として公開します。)

その問いの背景、理由等について1分くらいで話していただきます。

○「いじり」は差別ではないのだろうか?

○モヤモヤしているこの私に、今一番助けになる質問はなんだろうか?

○ルッキズムを念頭に置いたマーケティングは差別なのだろうか?

○文化(地域とか職場)環境の違いから生まれる差別の理解は時間と努力が必要なのだろうか?

○差別している人にも不利益はあるのか?

○差別される側と差別する側の立場を固定することによって生じる弊害は何か?

○差別による害の大きさは何によって決まるのか?

○害説は「差別は苦痛(快楽説)」だけでよいのではないか?

○差別を悪いと責める人も差別的なのではないか?

○差別が害というのは学びから得られるのだろうか?

○差別はどこの社会にも存在する。問題はその影響の強さである。政治力にもよる。時代の推移によりダイナミックな性格を持つ。

 

*問い決め

参加者から出された問いから、口火を切ってもらう小ネタ一つ、大ネタ一つ、計2つくらいを今回はファシリテーターが決めさせてもらいます。

① 「いじり」は差別ではないのだろうか?

② 差別している人にも不利益はあるのか?

 

◎休憩(10分)

 

みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)。

(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

① 「いじり」は差別ではないのだろうか?

●いじり~いじめ~差別、境界は曖昧なところがある。

●いじりは笑いを取ろうと働きかけている。無視しているわけではない。

●そこに悪意が含まれてくることによって、いじめになっていく。

●テレビのバラエティ番組などによって、いじりが持てはやされた時期があったが、最近は廃れてきているように思われる。

●自分をいじったり、権力者をいじったりすることはあるにしても、弱者をいじることはよくない。

●固定された典型的な差別(性差別、人種差別など)が、いじりやいじめを助長する背景になっている場合がある。

●また、逆に、小さないじりやいじめが典型的な差別を補強している面もある。

 

②差別している人にも不利益はあるのか?

●男性や白人も差別のある社会の仕組みの中で苦しんでいる場合が多い。

●マジョリティの既得権を多く持っている人たちも、それらが奪われるのではないかという不安になっているのではないか。

●差別している側は、マイノリティからその無知を指摘されることが少ない。それゆえにますます視野が狭くなっていく。これ自体が不幸なことではないか。

●差別している人たちと差別されている人たちが協力して、差別のある社会の仕組みを少しずつ変えていく行動を取れないものか。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○差別解消の方法は、対話です。

○対等にモノが言える場が、ここに一つあるのがありがたいです。

○知ってしまったら後へは戻れない。

○差別されていることに気付かないこともあるのではないでしょうか?

○差別の原因は? 性悪説でいくか?人は自分を上にしたがる?だから差別は仕方がない、にはしたくない。

○差別がなくならない理由の一部ですが、社会全体としての意識改革や包括的な政策の実施、教育や対話の促進などを通じて、差別を減らす努力が継続的に行われています。ただし、これらの変化は時間がかかる場合があり、根本的な解決には個人や社会全体の意識の変化が必要です。

○心理状態説の嫌悪感や敵意などの感情はなぜ、どのように生まれるのか?対等に話し聴ける場はどうしたら作れるか?信頼関係と心理的安全性が必要

○・差別について、何故悪いのか改めて考える良い時間でした。

・地元の男性が多い哲学カフェ。指摘し合あえ、性別・年齢・立場など関係なく聴く力を持っている人が多いところ。改めて良い場所に巡り合ったと気づきました。

                                                    (記録:本間正己)

 

 第349回人生カフェ・【夜開催】・テーマ「ソロ活」オンライン

 

第349回目の人生カフェは、2023年5月24日(水)20時~22時、12名(参加者11名、進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(進行役:たからん)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。

場を荒らす人には退出をお願いします。安心・安全な場になることを大切にします。

*人生カフェの哲学対話*

テーマや問いに沿って考え、語り・聞き・問い合う場です。

話す・話さないは自由。アドバイスは求めません。

〇日時:2023年5月24日(水) 20:00〜22:00

〇テーマ:「ソロ活」

主に外食やレジャー(行楽)など、敢えて単独で楽しむ事を「ソロ活」と呼んだりします。

1人でのお出かけは好きですか?

今回のwelcome画像は「ソロキャンプ」。

芸人ヒロシさんの動画配信などで、2018年頃から人気が高まりました。

キャンプに興味がない方でも。

映画館、美術館、演奏会、釣り、ドライブ、ゴルフの打ちっぱなしなど、1人で出かける派の方が多い気がします。

ソロ活の楽しさ、メリット、複数でいく時との違いなど、色々語り合ってみませんか?*************

<内 容>

☆音声確認を兼ね、簡単に自己紹介をしていただいた。

〇呼ばれたい名前

〇今の「気持ち」「体調」など一言

(例)「初参加でドキドキです」「今日の晩ご飯、タイパもコスパも良かったです」

☆ストレッチトーク

哲学対話に入る前のアイスブレイクタイムとして、雑談的に「ソロ活」から連想するものを出してもらった。

〇ソロ活は主観的な活動、ぼっちは周りからそのように見られるという感じがある。

〇元々1人でやるような家庭菜園はソロ活とは言わない?通常、グループでやることを1人でやるのがソロ活なのだろうか。

〇1人暮らしだと日常がソロ活でマイペース。複数で行動すると気を使う。

〇1人で仕事をしていると、外食などに複数で行くのが楽しい。

〇みんなで食事すると楽しいが、1人で行く方が料理をより味わえる。

〇映画館に1人で行っても、同じスクリーンを見ている全員と作品を共有している。これはソロ活なのだろうか。

〇アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」を見ていると、ぼっちにならざるを得ないタイプが居ると思う。1人で努力できる人が人と組んでセッションする事もできる。ソロ・ぼっちの時に試されるものがある。

☆問い出し

テーマに関する、「みんなで考えたい問い」を募りました。

(例)(昔から1人旅などはあったのに)近年、ソロ活が注目されているのは何故なのか?

〇なぜ、1人の活動(solo活)が市民権を得るようになったのか?

〇ひとりであってこそ楽しめるための条件は何か?

〇1人の楽しみ方が増えてきている気がするが、何故か?

〇現代の若者たちは単独行動をする傾向があるのだろうか?その要因は煩わしさなのか?

〇ソロ活が向いている傾向の人と不向きな傾向の人の違いは何か?

〇ハードルが高いソロ活と、低いソロ活の違いは?

〇孤独とソロ活の違いは何か?

〇ソロ活は結果なのか目的なのか?

〇何故、ソロ活は快いと感じるのか?

☆問い決め

投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇孤独とソロ活の違いは何か?

☆その後、約50分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみを記録)

〇ポジティブな孤独はあるのだろうか。

⇒例えば、座禅をする時には孤独で、それが良さだと思う。

〇1人で音楽を聴きながらウォーキングをしている時、ポジティブな気持ちになるのでソロ活だと考える。孤独は否定的なイメージが有る。

〇孤独をどう捉えたらよいのかまだ戸惑っている。孤立という風に感じる。

〇孤立・孤高の更にポジティブなものがソロ活というイメージが有る。

〇孤独は寂しさなどの感情で、ソロ活は動作、活動だと捉えている。

寂しさを楽しむ人もいる。それを自覚して楽しむ事は「孤独を楽しむ」という事なのか。

〇孤独はbeing、ウェットな感じ。ソロ活はdoing、ドライなイメージが有る。

〇ソロ活は人工的でお気楽、ライトなイメージ。大勢で居ても孤独はある。ソロ活の「活」は、作った嫌なものという感じがする。

〇孤独のbeingに近いのが、セルフコンパッションやセルフハグとも言われる。自分で自分を愛する自己愛に通じる。

〇最近、「軸」を持つという言葉をよく聞く。ソロ活は軸を持った新しいカッコよさみたいな感じがする。

〇「活」がつくと軽くなる。そして商業主義と結びつく。ソロキャンプの道具売り場は大盛況。

自分軸という言葉や商業と結びつくと本質が見失われる事になるのでは。

〇知り合いが誰もいない立食パーティーに行くのはハードルが高い。孤独を感じ一人を楽しめない状況。人の目が気になるし繋がりを求められる場所。孤独はロンリネスで感情的なものが付きまとう。流行に乗り、ソロ活をしながらも孤独を感じている人は居るように思う。

〇華やかで人が多い所で孤独を感じる事もあるというのが面白いと思った。

〇1人暮らしの人が増え、その人たちをターゲットにしたマーケティングが進むのはわかる。

☆放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

 

 

【第348回記録】「参加者でテーマを決める」(オフライン・リアル)⇒「人生において生きる意味とは何か?」

第348回目の人生カフェは、令和5年5月13日(土)午後2時~4時30分、11名(男性6名・女性5名)で、新宿消費生活センター分館にて、オフライン・リアルで実施された。(進行役:本間正己)

 

この日は「参加者でテーマを決める」であった。

テーマはありません。自由に問いを出し合います。

今回は西国分寺のクルミド・コーヒーで行われている「クルミドの朝もや」をリスペクトした方法にします(今年の1月、3月に開催しましたので、今回は3回目です)。

紙に書いたり、ホワイトボードに書いたりすることはなしにして、対話そのものを楽しみます。

お悩み相談ではないので、解決策やアドバイスは求めません。最後は、別のモヤモヤが生まれる場合も。

それも含めて楽しみましょう。

参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。

場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

今回はマスク着用の上、対話にご参加くださるようにお願いいたします。

お互いにソーシャルディスタンス、換気、マスク着用に注意して行いたいと思っておりますので、コロナ感染防止対策へのご協力をお願いいたします。

コロナは5類に移行しましたが、当会は原則として以上のような対策を立てて実施します。

当日に発熱、体調不良の場合は参加をご遠慮ください。

 

◉簡単な自己紹介タイムをとります。

〇当日に呼ばれたい名前

〇「今の気持ちなど」を一言

◉対話のルールの説明

*今回多くの方に発言してもらうために3分間ルールを適用します。3分を超えて話をしている場合、ファシリテーターから、そろそろ話のまとめをしてくださいという合図を投げかけることがあります。よろしくお願いします。逆に言えば、3分間の間はいろいろ話ができるということです。

◉問い出し

日頃考えていた問い、他の方の発表を聞いて浮かんだ問いなどを出してください。

(例)頭が良いとはどういうことか?

(例)懐かしいとは何か?

(例)退屈とはどういうことか?

その問いの背景、理由等について1~3分程度で話していただきます。

お互いの問いをじっくり聴いて、考える時間を大切にします。

全体で10個くらい問いを出していただきたいです。

○飲みにケーションは必要だろうか?

○色気とは何か?

○国を作ったら、なぜいけないのか?

○人との関係において、愛される・愛するとはどういうことか?

○被造物とは何か?

○文系脳と理系脳との違いはあるのか?

○ウソをつくのはいけないことなのか?

○いいことをするって、本当にいいことになるのか?

○善とは何か?

○人生において生きる意味とは何か?

○血縁は絶対的に必要なことなのか?

 

◉問い決め

全ての問いの中から「全員で対話したい『推し問い』」を考えてください。お互い意見を出し合いながら最終的に1つに絞ります。」

決まった問い:「人生において生きる意味とは何か?」

 

(休憩10分)

 

*入り口の問いから、みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)

*最後の20分くらい、振り返りの時間を設けました。

 

〈記録者の感想〉

 参加者からそれぞれの生きる意味が語られました。

 美や善などの価値を追究することに生きる意味を見出す者、生まれたこと・生きてきたこと・生かされていることなどへの感謝に生きる意味を見出す者、達成感や充実感などの実感に重きをおいて生きる意味を見出す者など、様々に出されました。

 感じる、それも五感をフルに使って感じるということを基底に据えないと、この生きる意味は語れない気がします。

 しかし、人間は動植物とは異なって、生きる意味を考えざるを得ない存在であり、意味の動物とも言えそうです。考える、さらに考える、より深く考える…、この探求の精神そのものが生きる意味に繋がるという意見も出ました。

 人生は変化していく。晴れたり、曇ったり、雷が鳴ったり、嵐になったり…と天気のように日々変わっていきます。この人生の色合いが刻々と変わっていく様そのものに、人生の意味を見出すというのは面白い捉え方だと思いました。

 他の人が何と言おうと、私・自分にとっての生きる意味を見出せる人、それはその人の幸せに繋がるような気がしています。

 

 

(記録者:本間正己)

 

【第347回記録】人生カフェ・年間テーマ「幸せ」・5月テーマ「過去・現在・未来と幸せ」・オンライン

第347回目の人生カフェは、令和5年5月11日(木)午前 10時~12時30分、16名(男性9名・女性7名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

今年の1年間は随時、「幸せ」について考えています。

人生カフェの原点は、中高年を対象にして、幸せ(幸福)について考える哲学対話の会というものでした(もちろん若い人も歓迎していました)。

これから約1年間、原点に戻り、参加者・主催者がお互いに問いを出し合ったり、時には本などを手掛かりにしたりして、幸せについて考えていきます。

幸せは他人から押し付けられるものではありません。自らが感じ、考え、行動するものです。それゆえに、哲学対話は幸せを考えるにあたって、有効な手段のひとつになるでしょう。

若干不規則ですが、毎月、第二または第三または第四の木曜日のいずれかの午前中に開催する予定にしています。

 

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。他の人へのアドバイスをする場でもありません。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。

(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

 

5月のテーマ: 過去・現在・未来と幸せ

大きくは時間と幸せの関係について考えるということです。

現在を重視するマインドフルネスが注目されています。

現在が重要なのは肯けますが、人間は他の動物と違い、過去と未来を強く意識しています。

過去に感謝と満足の気持ちを持ち、未来に夢と希望を持てれば、それは幸せに繋がる気もします。

人間は過去と未来について考える時、他の動物にない複雑な言語というものを多用します。

言語によって、空間的に離れた世界中の人たちと繋がることもできます。

このあたりまで、話が広がるかもしれません。

皆さん、ご一緒にいろいろ考えてみましょう。

 

まずは、導入のプログラムである。

過去・現在・未来と幸せに関するあなた自身のエピソード

 (例)私は過去をあまり振り返らない

(話をしたい人(10人くらい)のみ、チャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

*「人は過去を現在の色に染められる」という言葉が好きです。

*現在に過去を振り返ると今まで歩んできたことの反省がこころにのこります。

*出来事は変わらないが記憶は変わる。

*こうなったらいいなあ、こんなことをしたいなあというイメージを楽しむことが多いです。

*若い時は未来を 年老いたら過去を 人生残り少なくなったら一期一会で現在を 重視

*最近よく使っているのはオールOKです。

*懐かしいや思い出の話しに幸せを感じる。

*過去:協調性を大切にしないといけないという教育で理不尽極まることに違和感を覚えながらも、合わせていかないとはじかれる世の中でわきわいわいとやっているように見せかけて実はすごく生きづらく感じていた。現在:コロナによりウェビナーなどで知識やスキルが増し、自信が出来て、他人軸から自分軸にシフトできるようになり、他人に自然と優しく接することができるようになっている。未来:自分の笑顔で他人が笑い、喜び、コミュニケーションが築ける、そんな本当の人と人との関りを楽しく保てることで、本当のマインドフルネス、生き甲斐を感じることができれば、死ぬ直前「人生に悔いなし!」と言えるかと思っている。

 

問い出しです。

参加者には、自らの問いを出してもらいます。

(例)現在(今)を生ききるということが本当に幸せなのか?

(話をしたい人(10人くらい)のみ、問いをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

○幸せは何もしなくて、待っていればくるものなのか。それとも努力してつかむものか。

○メタバースやバーチャルの世界で、今とても幸せを感じています。これは本当の幸せと言えるのでしょうか?

○①マインドフルネスとストレスフリーの違い②企業、行政などで外向けに発信しているマインドフルネス、ウェルビーイング、Diversity、従業員Engagementなど、何か整合性がないと感じていませんか?③幸せの押し売りに違和感を覚えていませんか?

○タイムマシンがあればどう使いたいですか?

○今を生きるとはどういうこと? 

○他者貢献は幸せか。

 

問い決めです。

出された問いを若干整理して、今回は投票により、後半の対話の問いを一つに決めました。

「今を生きるとはどういうことか?」

 

休憩後、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●感じている、考えているのは、今、ここの私でしかないのだから、今を生きるしかないのだ。

●過去や未来のことについて、感じたり、考えたりすることはあるが、それは対象、素材であって、感じたり、考えたりしているのは今である。

●「今を生きる」とは、過去のことに悔やむな、未来のことを心配するな、今のことに集中しろ、という意味合いが含まれている。

●動物は今の感覚が中心になっている。人間は言葉や思考を持っているので、過去や未来を考えてしまう。

●今、「私」が感じている、考えている。でも、そこには他者がいる。人間は他者を抜きにして、生きることはできない。

●「感じる」事ができるって大事な感覚ですね。他人や会社・物事に囚われている時、ましてやコントロールされている時って何も感じられなくなる……。

●自分を見失っているときは頭(思考)優位ですね

●長い人生を振り返る。幸せも不幸せもあった。ならせば、チャラである。一方で、この今、この瞬間を生きている実感を味わう。

●今の現実から逃げて、過去や未来に思いを馳せて生きる、あるいはヴァーチャルな世界に生きるということはありうる。

●今に集中して生きる、我を忘れて夢中になって生きる、その後に空しくなることはないか?

●今を生きる際に生じる感情としては、好ましい感情だけではなく、好ましくない感情もある。例えば、怒りの感情など。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○これから取り上げてもらいたいこと

*メタバースの幸せは本当の幸せか?

*教育または刷り込みと幸せ

○今を変えたくない、今日が終わらないで欲しいと思うくらい幸せな時。

未来が不安。これって「幸せ」なのだろうか。

○人間とは何か。精神と物質の葛藤の歴史かもしれない。足るを知ることの大切さを感じて生きています。

○どんな感情を使って今この瞬間の現実を味わっているかに集中すること。対象がなんであれ。

○新たな問い

*現実逃避の問題

*没入体験(フロー体験)の後の空しさ

○思考と感覚の使い分けが大事だと思いました

○マインドフルネスなコミュニケーションをすることが幸せになる。

○① Oさんの先ほどの今の幸せの捉え方②ここまで幸せについて考えられること、意見を述べることができるようになってきたwithコロナ、この考えられることを進めてくれたコロナを本当に皆さんはどうとらえているか、問いたいです。

○私もコロナ禍で「哲学対話」に出会いました。なので、私もコロナ禍でのギフトという感覚があります♪ そして、そのチャンスをつかんだ自分達ってすごいと思っています。

○新たな問い

*何故、夢や幸せは冷めてしまうのか。

○「幸せ」はますます難しい

○過去を振り返っている暇は無い。未来は余り考えないようにしている。未来に待っているのは、病気か、認知か、死ぐらいであろうから。だから、今を生きるなんて畏まらずに、今を、できるだけ有意義に過ごしたい。今幸せかと問われれば、まだまだ欲もあります、タカラクジでも当たったら、もっと幸せかな…。

 

 (記録:本間正己)

 

 【記録: 第346回人生カフェ・女性編・テーマ「アドバイス」オンライン】

第346回目の人生カフェは、2023年5月4日(木)am10時~12時30分、10名(参加者9名、進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(進行役:たからん)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

アドバイスって難しい……と感じた事はありませんか?

求めてもないのに、してこられる。

したつもりはないのに、したって言われた。

して欲しいのに、労いや共感の言葉しか返ってこない。

中高年になると、仕事や社会生活の経験値が増え、アドバイスを求められるシーンも増えてくるように思います。

双方にとって、気持ち良いアドバイスってどういうもの・どういう事なのでしょうか。

それぞれの経験を持ち寄り、アドバイスについて、あれこれ考えてみませんか?

*************

★導入のプログラム

自己紹介とともに、「アドバイス」にまつわるエピソードを1つお話ください。

(例)…購入した本ついて「~~について学びたいなら、『○○』の部分を3回読めばいいですよ」と、わかりやすく具体的なアドバイスをいただいた。

〇目から鱗のアドバイス

〇アドバイスという名の承認欲求

〇ボーリング場で「教え魔」に遭遇

〇アドバイスと支配の関係

〇求められていないアドバイスは罪?

〇自分が気が付いていない事を言ってもらえるとありがたい

〇アドバイスは本来悪いことではないはず…素直に聞けるには?

★みんなで考えたい、テーマに沿った「問い」を出してもらった。

(例)…良いアドバイスとはどういうものなのだろうか?

〇ちょうど良いアドバイスとは?

〇相手に寄り添える気持ちがある時のみアドバイスOKか?

〇アドバイスにはどこまで責任が伴うのか?

〇人はなぜアドバイスをしたくなるのか?

〇アドバイスされる側は、何に気を付けたら良いのだろうか?

〇求められていないアドバイスは、罪?

〇良いアドバイスとはどういうものなのだろうか?

★対話の入り口の「問い」を、投票により1つにしぼった。

〇アドバイスされる側は、何に気を付けたら良いのだろうか?

★その後、約60分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇聞いて欲しいだけか、アドバイスが欲しいのかを、先に言うことは大事。それを言った上でも、双方が感情的になってしまうこともある。お互いに落ちつきが大事。

〇求めていないのにアドバイスされる時は、弱者ぶって「未熟だから」「自分なんて」という言い方をしている時がある。自分が先に対等な関係から降りていた気がする。

〇アドバイス魔の人に、隙を見せない事も大事なのではないか。

〇愚痴を言うと「解決してあげなきゃモード」に入る人がいる。

〇児童館で、子どものオムツが取れる・取れないという事について仲間と話していた時。「大丈夫。小学校に入ってオムツしている子はいないわよ」と一言いって立ち去った人がカッコよかった。

〇アドバイスする人は何で嬉しそうなのだろうか。

〇望まなくてもアドバイスされる時。それに対してどうするかは自分次第。

〇アドバイスを求める時は、問題がわかっている状態。求めていないのに貰ってしまう場合は、問題が何かすらわかっていない時や、普段より弱っている時ではないか。その状態で受けたアドバイスに対して判断や対処は時間がかかって当たり前だと思う。

〇アドバイスがいらないって思った時は、自分の悪いところを指摘されたと感じる時ではないか。

〇アドバイスされる側にこそ、選択肢がある。

〇する側もされる側も、第三者的な目を持つ事が大事なのではないか。

〇急にアドバイスしてきた相手に対しては、「今、何でこの人はこの事を言うのだろうか」と考えるようにしている。

〇相手が思った事を言っただけで、「アドバイスしてくる」と受け取るのは、自己否定や自己攻撃をしていて、その為に被害者意識をもつのではないか。

〇複数の人がいる場で。自分に向けられたアドバイスが、周りで聞いていた人にとって役に立つ事も有る。

〇今までの話を聞いていて、「アドバイスと意見」「アドバイスと感想」、違いについて難しいと思った。

〇アドバイスは1:1ではない場合もあるし、すぐに取り入れなくても良い場合もある。

「その場では耳が痛かった内容が、何年も経ってから『素晴らしいアドバイスを貰ったんだ』と認識が変わった」というエピソードを聞いたことがある。

〇ことわざにもある。

「親の小言と冷酒は後になってきいてくる」「親の小言となすびの花は千に一つの無駄もない」

〇天から降ってきたようなアドバイスを最近貰った。自分が取り込めるような状況にあったのだと思う。

〇相談する側に同調して欲しい期待がある場合、それを避ける為には利害関係のないプロに相談するという選択肢もある。

〇望んでいないのにアドバイスされた時は、「この人は私の事が好きなんだ。絡みたいんだ」と変換するようにしている。

 

〇アドバイスの「良いとこ取り」をするのも大事だと思う。

★最後に対話を通しての、新たな気づき、新たな問い、感想などを述べてもらった。

〇聞きたいアドバイスだけを聞くのは役に立つのか?

〇自分の求めている真のアドバイスとは何か?

〇なぜ不快になったのかを考えてみると、アドバイスを求めていない時ではないかと思いました。

〇傾聴もアドバイスのひとつではないか?言語以外のアドバイスもあるのではないか?

〇感想です。「この人のアドバイスだったらいくらでも聞きたい」と思えるような、尊敬かつ信頼できるような人とだけつき合えるのが理想かなと思ってしまいました。でも、それだけだと、視野が狭くなりそうだとも思います。どんなアドバイスが飛んできたとしても、最終的にどう受け取るか、どんな選択をするかは自分次第。「(今の自分にはピンとこないけど10年20年経ったら良いアドバイスかもだから…)ありがとうございます」と言えるような心の余裕が欲しいなと思いました。

〇本日はありがとうございました。コミュニケーションと主体性、客観性などを大切にしたいなと思いました。

〇ありがとうございました。色んなお話が聞けて面白かったです。

★放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

今回のテーマ「アドバイス」を告知した後、「2年前に似たテーマで対話をしたのが懐かしいです」

というお声をいただき、確認しました。

2年前の4月「忠告はすべきだろうか?」という問いで対話をしました。

私も、参加者として出席した「女性編」、懐かしいです。

その当時はまだ「人生カフェ」に出会っていなかった方、改めて読み返したい方の為に、下記に「中高年哲学対話協会」のリンクを貼ります。

「忠告はすべきだろうか?」は、2021年4月22日です。

https://www.facebook.com/tyutetukyo/

「参加者で問いを決める」の時に、参加者の中から出た問いでした。

今回の内容との読み比べ、そして改めて他の回も遡って読んでみました。

なかなか行動は伴っていないものの、身に沁みることがいっぱいです。

6月の女性編のテーマは「おしゃれ」。

おしゃれに関して、是非とも「アドバイス」が沢山欲しいと思っているたからんです。

また、お会いできますように。

byたからん

 

 【第345回記録】人生カフェ・テーマ「旅」オンライン

第345回目の人生カフェは、2023年4月27日(木)am10時~12時30分、12名(参加者10名、メイン進行役1名サブ進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

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大型連休も間近です。

お出かけや旅のご予定はありますか?

下記に、「旅」「旅行」の違いについて記しましたが、検索したら他にも色々な見解があり、とても興味深く感じ入りました。

概ね「旅」の方が、自由度が高いように思います。

皆さんは、意識して使い分けていますか?

分けて考えているとしたら、その基準は、目的?行先?同行者?期間?

人生そのものを「旅」という比喩もよく聞きます。

人生が旅なら。

袖すれ合うも多少の縁。

2時間半のご縁の中で、「旅」について一緒に考えてみませんか?

<旅と旅行の広辞苑上での意味付け>

旅と旅行について、広辞苑によると旅とは「住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと。旅行。古くは必ずしも遠い土地に行くことに限らず、住居を離れることをすべて「たび」と言った。」とされています。続いて、旅行は「徒歩または交通機関によって、おもに観光・慰安などの目的で、他の地方に行くこと。たびをすること。たび。」と表記されています。

これらの定義を踏まえると、旅は別の土地に移動すること自体を指し、旅行は観光や慰安などのために移動することを示します。つまり、広辞苑での旅と旅行の差異は「目的の有無」だと考えられます。

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◉導入のプログラム

自己紹介とともに、「思い出の旅先」「この先行ってみたい所」について語ってもらった。

(例)…昨夜、7月に行く旅先の宿泊予約をしました。今から楽しみです。

〇北海道、ハワイ、ラーメン店

〇東京から北海道と九州に電車で予定を立てずに行ったこと

〇月旅行 < インド

〇BBCのドラマの舞台、イギリスの郊外の田園やオックスフォードへは行ってみたい・・・

〇軽井沢

〇「映画館」新宿で迷子になる

〇思い出の地インパール 生きている間に行きたい場所イエメンです

〇とにかくどこでも。

〇千葉の海浜公園の海

→もっと有名な海スポットは日本中にありますが、個人的に数十年振りの海だった事もあり10倍で素晴らしく感じました。

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

(例)…散歩やいつもと違う帰り道など、それも旅といえるだろうか?

〇人生も旅だと思う事はどんな事ですか?

〇旅はなぜ楽しいのか?

〇なぜ旅にはトラブルがつきものなのか?

〇なぜ旅に出たくなるのか?

〇旅行しなくなったのはなぜだろう?エネルギーのなさ?

〇人生は旅なのか?

〇思考だけで旅はできるか?

〇旅の嫌いな人と好きな人の違いはどこにあるのか?

〇散歩やいつもと違う帰り道など、それも旅といえるだろうか?

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇なぜ旅に出たくなるのか?

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇非日常だから出たくなるのか。雰囲気でものを買ってしまう事も有る。

〇脳内で旅をしている時が実際の旅行より多いかも知れないと思った。

〇旅先に行くと雰囲気で色々買ってしまう。

〇色々準備を進めてもトラブルがある。それでも旅行と旅が違うのか。

〇英語には「旅」についての表現が沢山有る。旅行は、パック旅行やあらかじめスケジュールがある感じ。

旅は、いきあたりばったりのイメージ。英語ではジャーニーが近いのか。

〇ジャーニーは人生をあらわす時に使う感覚。

〇旅行は楽しまなきゃいけないイメージがある。旅はそれすらない幅広い自由な感じ。

〇若い時は宿を決めずに出かけていて安宿を探すのを楽しんでいた。

〇長く異国の文化に慣れた人から、今の日本がどう見えているかを聞いて自分も旅している気持ちになった。

〇日常生活からの離脱が楽しい。音楽や読書、映画など思考でできる旅もある。思考の旅と、リアルにその土地に行く旅との違いは何なのか。

〇価値基準をゆるがすのが、現地への旅行ではないか。

〇読書や映画でも価値観が変わる事もある。

〇外国に行って、日本の国力が強かった時と衰えた時をそれぞれ肌で感じた経験がある。現地で感じた価値観は日本に居ては得難いものである。

〇体感・匂い・人情が現地に赴く旅にはある。

〇現地にはその土地のエネルギーがある。現地ではエネルギーがあるものでも、お土産として持ち帰ると、何故かそのエネルギーが失われる気がする。

〇人生は旅というが、旅自体も人生だと感じる。

〇現地に行って感じ、わかるものがある。奈良の大仏の大きさ、富士山を実際に見た時に「怖い」と思った感覚。演歌に興味ないが東北を旅して「津軽海峡冬景色」の世界観を感じた。

〇旅先で定住したら旅じゃなくなる。キャンピングカーなどで移動しながら仕事をしている人は、旅なのか。不動産ではなく可動産が実現したらそれは日常生活なのか、旅なのか。

〇転地療養は、移動する、場所を変えることによって「気」を変えることが体に良いとされる。そういう病気の治し方もある。

〇東浩紀さんのように、チェルノブイリや福島の「観光」に光を当て、サッとだけでも観てみたらどうだろうという取り組みがある。そういう思想は大事だと感じる。

◉最後に対話を通しての、新たな気づき、新たな問い、感想などを述べてもらった。

〇なんとか、あの熊を処分したい…

〇久しぶりに北海道の熊の置物を買った時の気持ち・記憶を辿れました。

邪魔だけど捨てられない……

〇観光とお土産文化

〇皆様の話を聞いて旅行じゃなくて旅がしたいと思いましたw

〇旅のお話し楽しかったです。

〇人生の旅路の果てに待っているものは何なのか?

「みやげ物 いやげ物」 というテ-マも面白いかも。。。

〇人生の旅を哲学対話を道連れに、楽しく深めていこう!

〇ラーメン店へ行くことも旅だと思っている。

ソロ活の旅であることが多いが…。

観光は仏教用語。観行ではない。

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

皆さんの旅の思い出や土産物の話からスタートし、わいわいととても楽しい時間でした。

一緒に行ったわけでもないのに、共通の土産物の事で盛り上がったり、映画や音楽の旅にイメージを膨らませたり。

「土地のエネルギー」というワードが心に残っています。

過去に行った土地の、湿度・風の匂い・料理の香辛料・言葉のもつ暖かさ……

旅……元々大好きで、行く前もその最中も楽しんできました。

そして、今回の対話を通じ。

記憶や、肌で感じた感覚は、後の人生に色々なヒントをくれると思いました。

更に。

思考・探求の旅は、いつでもどこにでも自由に飛んでいける。

自由な旅先で、また、お会いできますように。

byたからん

 

【第344回記録】人生カフェ・読書会『差別の哲学入門』・「差別とはどういうものか?」・オンライン

第344回目の人生カフェは、令和5年4月30日(日)14:00~16:30、11名(男性3名・女性8名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)の読書会という形にして、差別について考えていきます。今回はこの本の第1章「差別とはどういうものか?」を読んでいることを参加条件にします。

実は昨年の10月から今年の3月にかけて、この本を一通りは読む読書会を完遂しました。しかしながらファシリテーターの本間が未だモヤモヤがたくさん残っているので、これから4月から7月にかけて2度目の読みにチャレンジしてみることにしました。初めて参加される方も歓迎いたします。

 

問い:差別とはどういうものか?

差別の捉え方、定義等に関する問いです。

『差別の哲学入門』においては、差別の一般的な捉え方として、以下のテーゼを提示してくれています。

「差別とは、人々の間に何らかの特徴に基づいて区別をつけ、その一方にのみ不利益を与える行為である」

これは、まずは「区別」には、「単なる区別」、「特徴に基づいた区別」、「不利益を与える区別」の3種類があるとします。その上で、不当で悪質な「差別」を、特徴に基づいた区別と不利益を与える区別が重なるところとして捉えます。

我々もこのテーゼを出発点にして、いろいろな角度から考えていきたいと思います。

この本では区別か差別かの分類が難しい例として、以下の4つを取り上げています。

①アファーマティブ・アクション

②ヘイトスピーチ

③ハラスメント

④いじめ

できれば今回は、③ハラスメントと④いじめ、に注目したいです。

この本では、典型的な差別は、「一方的」「固定的」「集団的」「社会的」「歴史的」といった特徴を持つとされていますが、この点については皆さんはどのように考えていられるでしょうか?

 

*問い出し

参加者には、この本を読んでの自らの問いを1~2個発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。小ネタでも、大ネタでも。

(例)セクシャルハラスメントとジェンダーハラスメントとの違いは何か?

(例)ハラスメントと差別との違いは何か?

(例)男性差別は本当にないのか?

(例)日本では性差別是正運動がなぜ盛り上がらないのか?

(例)いじめを差別と区別する意義は何か?

話をしたい人のみ、チャットに書き込んでください。(チャットの内容は後日、匿名の上、記録として公開します。)

その問いの背景、理由等について1分くらいで話していただきます。

○容姿に対するアドバイスや褒め言葉は、いじめやハラスメントにあたるのだろうか?

○「差別」に対して、男女の意識の違いはあるのだろうか?

○差別の不利益のテーゼが正しいと言えるのはどんな前提が含まれているのか?

○男性に対するジェンダ-ハラスメントは差別に該当するのか?

○男性のMetoo運動はなぜ盛り上がらないのか?

○いじめと差別は明確に分けられるものなのか?

○多数派による正当化から生まれる差別はないのか?

○贔屓の決定的な違いは何なのか?

 

*問い決め

参加者から出された問いから、口火を切ってもらう小ネタ一つ、大ネタ一つ、計2つくらいを今回はファシリテーターが決めさせてもらいます。

① 容姿に対するアドバイスや褒め言葉は、いじめやハラスメントにあたるのだろうか?

② いじめと差別は明確に分けられるものなのか?

 

◎ルール説明

◎休憩(10分)

 

みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)。

(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

①容姿に対するアドバイスや褒め言葉は、いじめやハラスメントにあたるのだろうか?

●誉めるということも評価や値踏みをしていることであり、上から目線的なハラスメントになる可能性がある。

●先生を誉めるということはしないであろう。「感動した!」と伝えればいい。

●ホモ・ソーシャル、オールド・ボーイズ・ネットワークなどによる同調的な価値観から誉めるという行為が生まれることもある。

●男性は差別している意識がないというよりマジョリテイに所属していること自体に気づいていない感じがする。

②いじめと差別は明確に分けられるものなのか?

●SNSの発達により、差別の実態(いじめ、虐待、暴力等)が映像として見られ、拡散されるようになってきた。

●いじめは自分が所属する、知り合いの場所で生ずる。

●いじめは私的な場で行われ、差別は社会的な事柄と一応区別されるが、差別を背景にしたいじめも多く、その境界は曖昧なところがある。

●いじめはいじめる、いじめられるが変化したり、場合によっては反転したりするが、差別は社会的に強固な形を取っており、容易には変化しない。

③その他

●「贔屓(ひいき)」は「ごひいき」「推し」といったようにポジティブに捉えていい面もあるが、教育場面のように一つの小空間の中で行われた場合、注意が必要である。

●「格差」は状態、「差別」は行為である。その行為の前に「意識」の問題があるか?

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○忘れずに話していく、伝えていく大切さ

○拾いすぎることと拾えないこと

○差別と「主観」との関係(連関、要素、ウエイト等)について考えてみたいと思いました(まずは整理からでしょうか)。

○コミュニケーションの訓練も大事だと思いました。

○嫁いびり(嫁いじめではない)は差別なのか、いじめなのか?

○差別をもっと勉強します。

○世間へのPRの仕方や、世論を作り出すことが差別を作り出す種になることが歴史的にもあったなと思いました。

○質問に助けられた。

○自分の存在を「承認」されたかった〜という気持ち?!イジメもハラスメントも自分の存在価値を守るため?!立場が近いと仲間が敵に見えることがある・・・

                                              (記録:本間正己)

 

【第343回記録】人生カフェ・オフライン・テーマ「役に立つ」

 

第343回目の人生カフェは、令和5年4月29日(土)午後2時~4時30分、11名(男性6名・女性5名)の参加者のもと、オフライン・リアルで実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

〇テーマ

今回のテーマは「役に立つ」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

 誰かの役に立って相手に喜んでもらえたとき、嬉しい気持ちになりますね。人の役に立つことは自分の喜びや生きがいにつながっているようにも思えます。

 ただ、良かれと思ってやったことが却って迷惑だったということも往々にしてあります。また、その場では何も効果がみられなくても、時間が経ってから「あの時のあれが役に立った」と評価されることも。「役に立つ」ことはいったいどんな効果をもたらし、また、誰がどうやって評価しているのでしょう?

 一方で、昨今ではスマホやAIなどデジタル技術の進化が著しく、非常に役に立つツールとなっていますが、私たちはそれらをきちんと理解し、正しく評価したうえで使いこなせているでしょうか。AIが人類の知能を超える転換点(シンギュラリティ)はもう間もなく到来するともいわれますが、そうした便利なツールに囲まれた社会では、私たちはどう自分らしさを活かして、役に立てばよいのでしょう。

 役に立つってどういうこと?また、役に立たなければいけないのだろうか?「役に立つ」について、今いちど皆さまと考えてみたいと思います。

 

〇導入のプログラム

まずは、導入のプログラムとして、自己紹介とともに、いま自分が気に入っている、役に立つ道具や、作業のお供について話してもらった。

(例)…ブラックコーヒーが作業・お出かけのお供です。カフェインの作用のせいか、飲むと気持ちがシャキっとします。

 

・基本的には、気に入らない物は、置かないようにする。特に、と言われれば、長く使っているくつ、かばん、洋服とか。(長く使うと気に入ってくる。天気が良いので、海を見に行くのは?)

・スマホ、タブレット。

・釣り道具。竿、リール、針、浮き。

・ステッキ。

・スマホ。これなしの生活はもう考えられないほど役に立ってます。

・フードプロセッサー。パスタなどくっつかないフライパン。原型をとどめない自由な形を作り上げる道具。

・メガネ。メガネがないと生活困難です。顔のアクセント、気分転換になっています。

・トントントン・サーサーサー。

・スマホ検索機能。書物・映画など(紹介・感想)。

・Amazon。

 

〇問い出しと問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。出された問いは次の通り。

(例)…「役に立つ」ってどう評価する?

 

・役に立つはお金に換算できるか?

・(人間関係において)社会の役に立つ、とはどういうことか。誰が決めるのか。

・「役に立つ」「役に立たない」との二項対立は差別を生む根源とならないか?

・哲学は人生になんの役に立つか?

・役に立っていない遊びはムダか?

・どうして役に立ちたいんだろう?

・「役に立つ」かどうかって最初に意識してます?

・ありがた迷惑→見返り?恩?受け取る側は?役に立つは相手がいる行為なのか?

・役に立たない物や人ってあるのですか?

・人はなぜ役に立ちたいのか?

・「役に立っている」という実感はどうすれば持てる?

・役に立っていることを実感するにはどうしたらいいか?

 

この中から話し合いと投票で入口の問いを選び、後半の対話の問いは「人はなぜ役に立ちたいのか?」が選ばれた。

 

〇対話

 その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

・役に立ちたいという思いは人間の基本的な欲求なのではないか。

・役に立った方がいい、役に立たなければいけないという評価はどこから来たのか?教育?

・役に立っていない=ネガティブに捉えられがちなのは社会・歴史的なものなのか。

・役に立ちたい、立たねばならないという思考が強くて困っている。存在価値が揺るがされるほど。役に立つ=価値がある=そこにいていいよと言われているような気がしてしまう。

・役に立つ=善、役に立たない=悪という概念があるのでは。

・役に立つかどうかは所属する組織の目的と自分の行動が合致するかどうかで決まる。

・一方で、役に立ちたいと思っていない人もいる。

・「必要とされたい」意識があるから、役に立ちたいと思うのではないか。役に立つと必要とされるので。

・人はなぜ「必要とされたい」のか?

・必要とされたい背景には、褒められたい、他人・自分からの評価で納得したい、認めてもらいたい気持ちがあるのではないか。

・承認欲求と役に立ちたい気持ちは関係がありそう。

・役に立つはお金に換算できないものがある。報酬目当てではなく、承認欲求や自尊欲求など由来のものがあるのでは。

・自分を良い状態に維持するのは自分だけではできない。他人が自分をどう評価しているかや、周りに役に立つ人と思われていることも取り込んで維持している。

・自分が役に立つ能力がなくなったらどうなるかが不安。

・他人の評価や、人の役に立っているか否かは関係ない自分の維持の仕方があるのでは?

・役に立つ行動をするのは、人から評価をもらう見返りのためにしているのか?

・人からの評価をもらう目的ではなく、ただ自分のやるべきことをやっている、やりたいことを淡々とやっている人もいる。

・役に立つ=役割は同じなのか?仕事≒役目・役割だとして。

・友人と過ごす時間は自分の人生を楽しいものにしてくれているので、非常に役に立っているが、それは評価目的の「役に立つ」とは違うように思う。

・承認には種類があり、存在承認や行動承認、役割の承認などがあるが、何かの役に立たなくとも、ただそこにいるだけで価値があるとする存在承認の重要性を感じる。

・コミュニティにとっての「役に立つ」は、コミュニティの目的を実現するための役割を果たすこと。役に立つか否かを評価する基準がそこにある。

・役に立たない自分への恐怖がある。それは小さい頃から教えられた規範としての「人に迷惑をかけるな」の裏返しなのかもしれない。

・仕事ではない、それ以外のボランティアなどでも役に立ちたい気持ちがあるのか?

・資本主義社会において多くの組織は利益追求集団であり、その目的に沿う生産性のある行動をしないと役に立たないと判断しがちだが、そうした利益追求とは違うところで、もっと+αの愛情を持って人に役に立ちたいという気持ちがあるのではないか。

・寝たきりの人でも家族にとっては、生きている姿によって元気づけられる。

・役に立つか役に立っていないかは他人が評価するもの、役に立つという評価・考えそのものが毒されている。そうした評価基準ではない集団を確保して所属するとよいのでは。

・役に立つで連想するのはサービス業。ディズニーランドや帝国ホテルは非日常の体験を売り物として、演出にこだわり、お客様を喜ばせる。そうしたホスピタリティは「人を喜ばせるにはどうするか」が基本となり、もてなしの技術や心が重要となる。

・役に立つを超越した価値として、存在の承認があるのではないか。

・フランクルが説いた3つの価値として、創造価値、体験価値、態度価値がある。態度価値はどんな状況の人でも示すことができうるもの。

・損得ではない、駆け引きのない「純粋貢献」があるのではないか。

・人間は生存するだけでは飽き足らず、生に意味を求めるものであり、そこに役に立つが関わってくると思う。

 

〇振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

 

・「役に立つ」という言葉の意味から整理したい気がしました。

・役に立つと孤独。

・役に立ってる、立っていないという実感に気づく!

・純粋貢献。

・役に立たない旦那ではあるけれども…存在価値はあるような…?だからといっても、やっぱり少しは役に立ってほしいと思ったり。モヤモヤしますね。

・Chat GPTやインターネット、スマホでは、ウクライナ戦争、天気予報、地震予想等が解決できず役に立っていない。

・「役に立つ」という人の評価ばかり気にする生き方ってどうなの?

・有用・快・善の3つの価値(アリストテレス)。

・1)世の中には、 役に立たない人はいない。

2)役に立つ、とは誰が「評価」するのか?その必要はあるのだろうか?

3)多様な意見に接し、今日も頭のトレーニングが出来ました。

・私にとって「役に立つ」→人とつながる。役に立っているかどうかはわからないけれど、楽しい関わりを残していけたら嬉しいと思っています。

・わき出る愛からでた(役に立ちたい)行為は見返りを必要としないのでは♡

・私の中の役に立ちたい気持ちは、承認欲求・サービス精神の両方がありそうだ。

・Hファミリーの一員であることの幸福感を楽しんでいました。お互い幸せを与え合う関係をつくりましょう。

・皆誰しも何かの役に立っている(無人島でも、たった1人でも)。

(記録:羽田美里)

 

 

 【記録: 第342回人生カフェ・【夜開催】テーマ「タイパ」・オンライン】

 

第342回目の人生カフェは、2023年4月19日(水)20時~22時、13名(参加者11名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

「タイパ」について、何か意識していますか?

「タイパ」とは、時間対効果を意味する「タイムパフォーマンス」の略語です。

「コスパ(=コストパフォーマンス)」が費用対効果(効率のいいお金の活用)を意味するのに対し、タイパは(効率のいい時間の活用)を意味します。

この言葉に馴染みがない方でも、仕事や日常生活で「時間対効果」を、良くも悪くも感じる場面はあるかと思います。

例えば。

短時間で成果が上がった会議は、「タイパの良い会議」と言えますし、ロボット掃除機やマルチクッカー(電気圧力鍋)の登場で、家事のタイパが上がったと感じる方もいるでしょう。

逆に。

参加した無料のイベントにがっかりした時。招待券で観た映画が、全然面白くなかった時。

「時間を返せー」という気持ちになる場合があるかも知れません。

タイパを意識する一方で。

年齢を重ねて、「ゆるゆる」や「まったり」の大切さも沁みています。

季節の移ろいを感じながらのんびり散歩する朝。時間を忘れて盛り上がる友だちとのおしゃべり。

フレーバーティーを淹れて音楽や読書を楽しむ時間……

ん?ひょっとしたら。

そういう時間を捻出する為に、タイパを意識しているのかも知れません。

何となく自然に緩急をつけていること、意識してやっていること、お互いの「タイパ」を持ち寄って、語り合ってみませんか?

*************

<内 容>

☆音声確認を兼ね、簡単に自己紹介をしていただいた。

〇呼ばれたい名前

〇今の「気持ち」「体調」など一言

(例)「初参加でドキドキです」「今日の晩ご飯、タイパもコスパも良かったです」

☆ストレッチトーク

哲学対話に入る前のアイスブレイクタイムとして、雑談的に「タイパ」から連想するものを出してもらった。

(例)YouTubeやPodcastなど、1.5倍速で視聴。ワイシャツやブラウスはアイロン不要の形状記憶のものを購入。

オーディオブックを使っている。独自のTODOリスト活用術がある。などなど…思いつくまま語ってください。

〇「タイパ」という言葉は、今回のテーマで初めて聞いた。タイパやコスパがあるなら、健康(ヘルス)パフォーマンス「ヘルパ」も気になっている。

〇労働(ワーク)パフォーマンス「ワーパ?」も気になる。

〇結婚って効率的なのだろうか?役割分担、生き延びる手段として有効なのでは。

〇動画・映画など倍速で見て、楽しいのだろうか?

〇若い頃と今では読書の方法が変わってきた。今は、ゆっくり時間をかけて読みたい。

〇時短するものはそんなに好きではないのかも知れない。好きな事ならずっと携わっていたいと思う。好きな本を読んでいて、残りのページ数が少なくなると「もうすぐ終わってしまう。寂しい」と感じる。

〇クラシックを倍速で聴いていて「何をやっているんだろう」と思い、時間や気持ちの余裕のなさを感じた。時短する対象には愛がない。

〇圧力鍋。水煮缶の豆より自分で戻して炊いた方が美味しい。圧力鍋を使うとタイパもコスパも良い。

〇人生を振り返ると。会社勤めはコスパ・タイパが悪かった。

〇こういう言葉がうまれる社会構造に興味がある。

〇北米は効率主義。生産性が高いなどが重視される。その為に「質」の問題はある。

例えば「生活の質」と言っても人によって定義が違うし「質」は数値化しにくい。

〇倍速で聴くと脳が活性化するらしい。

☆問い出し

テーマに関する、「みんなで考えたい問い」を募りました。

(例)タイパを意識する事で、デメリットがあるとしたら何だろうか?

〇タイパを追及する価値観とは何?(その価値観を追及したらどんな社会になるかな?)

〇タイパを意識することと死を意識することとは何が違うのか?

〇低タイパから抜け出し、高タイパに移行するには何をすれば良い?(^^?

〇健康的なパフォーマンスとは何か。

〇なぜタイパという言葉に抵抗感があるのか?

〇タイパを意識するときと、しない時の、気持ちの差は何だろう?

〇デジタル社会が人々の社会を加速させているのだろうか。

〇人との関係にタイパ・コスパを求めたら、どうなるか?

☆問い決め

対話の入り口の「問い」をどれにするか。投票により1つに絞りました。

〇タイパを追及する価値観とは何?

☆その後、約50分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇資本主義社会。経済自由主義に価値があるという洗脳から「タイパ」という言葉がうまれたのではないか。

〇無駄なく最短距離で目的に到達するのが「出来るビジネスマン」という価値観がある気がする。

〇「タイパ」は価値のある有益な時間の使い方ができている事も含むのか?社会的に経済主義にのっている事だけをいうのか?

⇒〇両面で考えていきたい。

〇効率が良いのが良い社会なのか?モラトリアム(猶予期間)が否定されてしまうのはどうなのか?

〇効率だけ重視だと人間性が失われるような怖さを感じる。チャップリンの映画「モダンタイムス」を思い出した。効率重視は差別もうまれる。その一方でそれを抑制しようとする力を人間はもっているのではないか。

〇社会が結果重視になっているからなのだろうか。情報量に対するプレッシャーが生んだ言葉かも知れない。

〇時短を意識しているのに、逆にどんどん忙しくなっているのではないか。

〇資本主義がくる所まできて、窮屈になってきている。コスパ・タイパが悪い人を排除しようとする動き・差別に繋がる流れになっているのではないか。

〇タイパで余暇ができたとしてもその余暇の使い方がわかっていない。質が悪くなっている。

〇資本主義を終わらせる為に、加速主義をすすめているのではないかという説もある。

〇過去の記憶・未来への思考……どちらも「今」。今しかないのに、過去や未来へのこだわりがあるのでは。「今」を意識する事は、「タイパ」について考える事にも繋がる気がする。

〇未来に対して、発展のイメージがある時代だと資本主義は良かった。タイパも未来への投資。未来があやふやだと現在が大事と思うようになる。マインドフルネスが流行っているのも未来への不安から?

〇自分の1日や人生に当てはめて考えていた。用事を終えてカフェに寄る時間や、効率良く仕事をしてきた過去を考えると、「タイパ」良くやってきていると思う。

☆放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

趣味、仕事、社会情勢……幅広い「タイパ」についての意見を伺う事が出来ました。

あれから。

自分の中で、「時短したい事・したくない事」が色々見えてきました。

関西在住の私は、たまーに東京に出かけ「好きなこと」を満喫します。

それは、お芝居だったり哲学カフェだったり。

興味のない方には、タイパ・コスパを考えると、勿体ないとか非効率に見えるようです。

でも。

参加者さんからの意見にもありました。

「好きなこと、愛のあることには、効率は求めない」

うんうん、納得。

ひょっとしたら、Z世代の若者も、そこは同じだったりして?

このテーマ、いつか全く違う世代の方々と対話してみたい気もします。

「今」を大切に、好きなことを楽しみたい。

その為に「タイパ」を主体的に捉え、意識して使い分けていきたいと思うようになりました。

その後、皆さんは「タイパ」をどう感じ、どう考えているのでしょうか。

何かの機会に伺えると嬉しいです。

また、お会いできますように。

byたからん

 

 

【第341回記録】人生カフェ・【男性限定】オンライン・テーマ「性的欲望と中高年男性」

第341回目の人生カフェは、令和5年4月16日(日)午後2時~4時30分、男性8名で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(参加者へのお願い)

※安全・安心な場の醸成のため、できるだけカメラオンでご参加をお願いします。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。

♢アドバイス、カウンセリング、お悩み相談の場ではありません。

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

◯テーマ「性的欲望と中高年男性」

欲望の中でも性的な欲望は男性にとってどのような意味合いを持っているでしょうか?

性的欲望は喜びや楽しみの源泉でもありそうですが、一方でコントロールし難い、やっかいな代物のようにも思えます。

男性だけだから考え、話せることがあるかもしれないし、ないかもしれない?

ということで男性限定での開催を試みてみることにしました。

また、今回は人生カフェの主な対象者である「中高年」にある程度焦点を当てることにしました。

ご一緒にいろいろ考えてみましょう!

 

〇対話のルール説明

 

まずは、導入のプログラムである。

 今回は、最初の20~30分くらい、自由に、あるいは雑談的に性的欲望について話を出し合いたいと考えています。イメージを膨らませるために、あるいは素材を俎上に挙げるためになど、いわばウォーミングアップの時間帯です。できれば具体的なエピソードをお願いしたいです。チャットに書かないでいいです。

 ということで、出てきた話をワードだけ列挙すると以下のようなものである。

 性欲、男性の方が性欲が強い?、英雄は性欲が強い?、渋沢栄一、風俗、エロ本、AV、断捨離、性欲は無駄?、罪悪感、後ろめたさ、自己開示、社会的一発アウト、今は不倫には刑(姦通罪)はない、一夫一婦制、家族、恥ずかしい、遺伝子、勃起、射精、妄想、資本主義、禁欲主義………

 最後に性欲を5つに分類することを教えてくれた人がいた。

1射精欲 2性交欲 3関係欲 4生殖欲 5-1依存症 5-2トラウマの再演化 5-3dv(支配欲)etc.

 

問い出しです。

参加者の皆さまは、自らの問いをひとつ考えておいてください。

(例)…自らの性の欲望を正確に自覚できるか?

その問いの背景、理由等について1~2分で話していただきます。

○性的欲望はどうしたら滅却できるか?

   (性的欲求->年齢とともに減退、性的欲望->共同幻想を見破ればよい?)

○性欲の転換は、どうすればいいか?

   (男の性欲は強く出来て、無くならないので、性欲を上手く使って、自分の本当にしたい事の原動力に利用するには、どうすればいいか?)

○なぜ性教育かポルノの文脈でしか語ることが許されないのか?

○高齢者の性欲は死ぬまであっても良いのか?

○なぜ性的なものは社会的に「隠す」方向へいくのか?

○なぜ性教育が進まないのか?

○コミュニケーションにおいての理想的な性欲は何か?

 

問い決めです。

参加者の投票により、

「なぜ性的なものは社会的に「隠す」方向へいくのか?」

が後半の対話の問いに決まった。

 

休憩後、対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●食べる、寝るといった欲求はその個人で完結するが、性的欲求は相手がいて、他人と競合する、争う面がある。独占的排他性がある。これによって家族を形成し、子どもを産み育てるということもできるようになった?家族制度は支配する側にとっては都合のよい制度といえるか?

●オシッコ、ウンチのように人間の下半身において排泄されるものは不浄なものとして忌み嫌われ、隠されるようになってきた?

●人間はパンツをはいたサルなのだ。隠す文化なのだ?

●ある種の宗教が性を不浄で隠すべきものとすることによって、その性的・宗教的支配を貫徹することができた?

●日本の原始、古代は性を大らかに捉え、それほど隠すという意識はなかったのではないか?

●恋人や夫婦同士でもHの事は語り難い。

●日本でも「ポリアモリー」(複数恋愛)という生き方を表明している人たちが出てきている。

●実は自分は男性かどうか、実際は分からないものかも。

●性欲に騙されない。騙されるのも楽しいけど。性関係と信頼関係は別かも。

●男子校に女性教師も居ると思う。今日、女性の方がファシリ出来たら素晴らしい世界?

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○プライベートなことですがかなりしゃべれましたが、核心には至っていません。酒のないところで、女性も含めて語りたいです。

○話し尽きない。酒場よりも楽しかったです。是非、第2回も♪

○高齢者になって、性欲があってもそれは恥ずかしいことではない。

○男性限定にするのはよかったでしょうか

○恥ずかしさを伴う性的な話題(猥談と言う形でもなく。)で、主語を「私」で語れた経験をほんの少しでも得られたのは貴重でした(笑)

○性欲の転換の話~精神分析で言えば「昇華」

昇華の話もしたいし、その手前の話(性欲の実態、中身)ももっとしてみたい気持ちです。

○ほとんど聞き専でしたが楽しかったです。

 

〈記録後記〉

面白かったので、第2回目もありそうな気がしてきました。

男子高校のようなノリ(チャラいんだけど、形而上的な問いも含まれるようなノリ)も取り入れながら、考えていきたいです。

  

 (記録:本間正己)

 

 【340回記録】「参加者で問いを決める」(オフライン・リアル)

 

340回目の人生カフェは、令和5年4月15日(土)午後2時~4時30分、9名で、オフライン・リアルで実施された。(進行役:高橋あずさ)

 

この日のテーマは「参加者で問いを決める」であった。

 

まず各自に自由に問いを出してもらった。出されたものは以下の通りである。

 

○“つながる”ってどうすればストレスにならないのだろうか?

○深い話とは何か?(どんな話か?)

○議論することにおいて大切なことは何か?

○命より大事なものはありますか?

○老いの中の幸福とは?(歳を重ねると体も心も色々変化するので)

○人生において魅力的な生(活)き方とは何か?

○自分を愛するってどういうことか?自己愛や自己肯定とは違うのか?

○自由主義の限界が来ているのではないか?次の世の中はどんな世の中が来るのか?

○人の話を聴くとはどういうことか?

○人を幸せにするってどういうことですか?

 

対話をしながら、出された全ての問いの中から今日のテーマを参加者全員で選んだ。

 

選ばれたテーマは「老いの中の幸福とは?(歳を重ねると体も心も色々変化するので)」であった。

 

その後、問いに触れながら対話を行った。(一部のみ記録)

●つらい中(孤独・老い・病気)でも良いことを探すことで幸福に近づくのではないか?

●つらい中で良いことを見つけるのは難しい?

●「出来ないことが増えてくる=不幸」ではない。

●出来ないことが増えてくる→周りとの関係性が大切か?

●助けたり、助けられたりの相互関係や、援助される一方の関係もある。

●感謝の気持ちを持ち、その関係性に幸せを見出すこともできるのではないか?

●出来ないことは悪いことなのだろうか?自分の思い込みではないか?

●頼りすぎると嫌な顔をされることもある。

●自分で工夫をする。段取りを考える。→出来るようになる

●老いは年齢に関係ないのではないか?10代でもスポーツ選手などは老いを感じることもあるのかもしれない。

●老い…今まで出来ていたことが、出来なくなる。逆に老いて、出来なかったことができるようになることもあるかもしれない(周りに頼ることなど)

●年齢を重ねて(経験を重ねて)得意になることもあるのではないか?医者や看護師はやはりベテランの方が良い?

●年齢を重ねて出てくる良さもあるのではないか?

●老いても成長はある。

●他人を愛すること=自分を愛すること?自己超越(マズロー)

 

最後に対話を通しての自分なりの感想を述べてもらった。

○愛するとはどういうことか?愛=幸福 ・自己超越

○「幸福」という言葉の概念を若い時と老いた時とで変えれば「幸福」になるような気がする。

 基本的には、自分でできるようにしよう。

○他者を愛することは必ずしも相手に伝わらないことがある。でも人を愛することは虚しいことではない。自分は人を愛することの出来る人間であることを肯定しよう。

○老いても良いことを見つけて今日も幸せ!!

○老いの中(年齢を重ねる中)、「工夫」することの幸せ(私が何かをする、私に何かをしてもらう)

○YouTube心理カウンセラーラッキーを見ましょう。

○子どものことを愛するからこそ自分のことを大切にし、この先も成長していきたい。これって「他人を愛すること=自分を愛すること」かな?

○老いていく自分をどうやって肯定していくか。努力、感謝、プラス思考、周りに頼る…色々試してみたい。

(記録:高橋あずさ)

 

【第339回記録】人生カフェ・年間テーマ「幸せ」・4月テーマ「承認と幸せ」・オンライン

第339回目の人生カフェは、令和5年4月13日(木)午前 10時~12時30分、15名(男性9名・女性6名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

今年の1年間は随時、「幸せ」について考えています。

人生カフェの原点は、中高年を対象にして、幸せ(幸福)について考える哲学対話の会というものでした(もちろん若い人も歓迎していました)。

これから約1年間、原点に戻り、参加者・主催者がお互いに問いを出し合ったり、時には本などを手掛かりにしたりして、幸せについて考えていきます。

幸せは他人から押し付けられるものではありません。自らが感じ、考え、行動するものです。それゆえに、哲学対話は幸せを考えるにあたって、有効な手段のひとつになるでしょう。

若干不規則ですが、毎月、第二または第三または第四の木曜日のいずれかの午前中に開催する予定にしています。

 

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。他の人へのアドバイスをする場でもありません。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。

(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

 

4月のテーマ:承認と幸せ

承認については、自分との関係において、誰が誰を承認するかによって3種類に分類できます。

まずは他者が自分を承認してくれる他者承認です。

これは薄っぺらい「いいね」の承認から、深い愛情に近いような承認までグラデーションがあります。

他者からの承認は人を幸せにしてくれそうな気がします。

しかし、次に述べる自己承認こそが大切だと言う人は多いです。

自己承認とは自分が自分を承認するということです。

ですが、この自己承認って、そう簡単にできるのでしょうか?

最後に、自分が他者を承認するということです。

お世辞のような見せかけの承認は何とかできますが、心底から相手を承認するとなるとかなり難しそうです。

この最後の承認がなぜ幸せと結び付いていくのでしょうか?

いずれにせよ今回は、幸せを考えるに当たって、他者と自分との関係が焦点になりそうです。

ご一緒にいろいろ考えてみましょう。

 

まずは、導入のプログラムである。

他者からの承認または他者への承認に関するあなた自身のエピソード

 (例)母からの承認

(例)父への承認

(話をしたい人(10人くらい)のみ、チャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

*HPを作って公開したとき、訪問者の数の増え方に一喜一憂していた。Yahooに登録されたとき、ヤッター!と思った。

*自己願望の承認

*場(場を作っている人)からの承認。場への承認

*小4自分で印鑑=他者承認の放棄=親離れ=自己承認

*「承認」の誤った認識

*私も母からの承認は得ていましたが、親父の「勝たなあかんねん!足元見られるな!へらへらするな!」とかのダメダメ教育で親父からの承認が殆どなく、「くそおやじめ!」と思いながらも暴力を振るうので、何も言えず、反抗もできずにいましたが、今に思えば、いい人生経験だったと思っています。それは結婚して37年目、孫も5人いるというエビデンスのもとで思いが丸くなったと思います。

*友人の記憶力への承認

*ブログやSNSの活用での承認

*承認すると気持ちが軽くなる。承認されるとうれしくなる。

 

問い出しです。

参加者には、自らの問いを出してもらいます。

参加者には、自らの問いを出してもらいます。

(例)他者からの承認がないと幸せになれないか?

(話をしたい人(10人くらい)のみ、問いをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

○承認が幸せにならないのはどんな場合か?

〇心底から自分を承認するには何が大事?

〇承認と承認欲求の違いは何か?

〇承認が他者からないと自分のやっていることが方向性か違うかのわからないと思います。自分も他者へ承認することでお互いを認め合える胡散臭いDE&I、Sustainability、SDGsが実践できると思います。

〇幸福度が高くなる承認とは?

〇誰に承認されるか?承認されたい人(yahoo?!)によって幸せ度が変わる?

〇承認と幸せの関係は?

〇三つの承認が単独な場合と三つの承認が循環連鎖する場合と得られる幸福に違いがあるのか?

〇承認と幸せはどんな関係があるのかな?

〇他者承認があれば自己承認も満たされるのだろうか?

 

問い決めです。

出された問いを若干整理して、今回は投票により、後半の対話の問いを一つに決めました。

「心底から自分を承認するには何が大事?」

 

休憩後、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●自己承認という言葉に近い言葉として、自己受容とか自己肯定といったものがある。

●何が出来れば自己承認できるのだろうか?

●何か達成できれば自己承認できるのだろうか?

●感謝されるまでいかなくても、何か役になった感がある時。これって承認されているっていうことでしょうか。私は、役に立てたんだぁと思った時に、自己承認が満たされる事を思い出しました。

●自己効力感を持てるということ。さらに自己肯定感を持てるということ。

●結果ではなく、プロセスに価値を見出すこと。

●自分が何かに満たされていると感じることによって自己承認される。

●存在していること自体で自分を承認する。花は他者から承認されていなくても咲いている♪

●ゴキブリの存在・・・承認したくない😆

●他者からの承認を求め過ぎなくても、自らを承認できていければ、幸せになれる?

●他者から承認されて幸せになれない経験あります😂皆勤賞をとって・・・自己願望ではなかったので・・・モヤモヤ、イライラ感んが募りました・・・🤔

●承認と幸せは直結しないかもしれない。

●承認されているのに、当たり前すぎて意外と気づいていない?幸せも?!

●4つ目の承認もある。①自己承認 ②・自己から他者へ:あげ承認 ③他者から自己へ:貰い承認

④他者から他者へ:他承認

●Sさんが、にゃんこを愛でてる姿。これも「他者⇒他者」の承認?確かにこういう場面も癒されて、幸せな気持ちになりますねー。

●多くの人が承認しているものは承認し易い♪

●芸能人の不倫は承認しにくいから、承認の逆の反応として攻撃し易い??

●他人から他人の、他人同士の承認ごっこが気になる。噂の世界。

●承認というより、称賛とか絶賛とかを期待し過ぎると不幸になる。

●他者からの承認を得ようとしていくと、自分の自由を制限していくことになる?

●他者への承認、自分への承認。全てを認めて否定しないことで争いごとは少なくなりますね。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○他者からの承認→自分の中に効力感→自律的な自己肯定が出せる→承認を出した人の中に自己承認

〇いろいろと考えが出てきましたが、承認欲求はないよりあった方がいいかな?とあくまでもbetterの考えにとどめておいて。あとはマスク着用と同じで個人判断で個人に承認欲求を任せる、そんなことでもいいかな?と思う反面。なんか辛そうにしていてたら、手を貸したいという自分がいて、難しいですが、いい前向きな発展性のある悩みとして自己受容できています(^^♪

〇マズローの5段階欲求説における承認欲求は、まずは達成感の裏返しのような位置づけになっているのではないか。 他者承認の次に自己承認がある……。

〇自分は年を重ねていっても、年齢や身体能力に関係なく、成長したい気持ちはずっと持ち続ける気がします。出来るか出来ないは関係ないのかも知れません。 自分の身の回りの事を自分でしたいとか、役に立ちたいっていう思い。自己肯定よりもっと手前かな。「自己信頼」をもつ事を、自己承認としたいです。

〇他人へのネガテイブ承認(人の不幸は蜜の味)によって幸福を感じることもあるのではないか?

〇CHATGPTは興味関心はありますが、心理学的内容には必ずしも正解はなくデーターの寄せ集めから選択された内容項目が取り上げられるのみと思います。ちょっと怪しい物と捉えています。入力した人たちの意向に偏りやすい。

〇承認欲求と幸せは今後の大切なテーマになりました。

〇①自分軸で生きる>承認、②支配ー被支配から自由へ 

〇『愛』娘の反抗期は承認されたい!気持ちなんでしょうか〜?!『愛』がなければ承認されても幸せにはなれない?!

〇チームビルディング:承認し合いっこ♪

他人の業績を賞賛:他者承認に乗っかり♪

人や生き物に文句=他者否定

努力=現在の状態を否定。自己不満力♪

〇自己信頼、いい新しい誰もが自分を信頼することで相手も信頼できる、そんなことも気づきをもらい、ありがとうございます。

〇doing 、beingの共鳴は「なるほど」と。それは、もしかしたら自己効力感と自己受容の双方向性のスパイラルにも繋がるのかもと。このスパイラルが(より包含的な?)自己肯定感へ繋がるのかもと?? さらに、それがひいては「事後的に・結果的に」幸福につながる??   (承「認」と「認」可)

 

 (記録:本間正己)

 

 【記録: 第338回人生カフェ・女性編・テーマ「手放す」オンライン】

第338回目の人生カフェは、2023年4月6日(木)am10時~12時30分、11名(参加者10名、メイン進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

コロナ禍、家にいた期間に断捨離をしました…とよく聞きます。

残す・残さない…を判断する作業はスッキリする反面、寂しさもありますね。

就職や結婚など、人生の岐路が、何かを「手放す」きっかけになる場合も。

物、ことがら、関係性、言葉、こだわり…

自身の意思で「手放す」ことを決めた。または、なかなか手放せない…

そんなあれこれについて一緒に考えてみませんか?

*************

◉導入のプログラム

自己紹介とともに、「手放した」「手放したい」などエピソードを1つ話してもらった。

(例①物)…自転車。20年近く使った電動自転車を昨年買い換えました。手放した自転車は、子育ての思い出がいっぱいで結構辛かったです。

(例②言葉)…「いえいえ、私なんて…」という言葉。謙遜というより卑下している自分に気づき手放した。委縮した瞬間、心の中で思う事はあるが、口に出さないと決めた。

〇最近手放しているのは「あきらめ」「一人で頑張る」です。

〇「写真」

〇他人への期待。

〇写真

〇手放したいものって、すでにそちらから手放されているような気がします。

〇手放せないのは子供の作品

〇てばなしたのは「どうせ自分なんて」という言葉

〇疲れたっていう気持ち

〇手放せないもの 夢 生きがい

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

(例)…サクサク手放せる人とそうでない人はどこが違うのだろうか?

〇物品を手放すのと想いを手放すのには違いがあるか?

〇手放せないのは執着ですか?

〇手放せなくさせているものは何か?

〇上手に手放すにはどうしたらよいのか?

〇過去の出来事に対するこだわり、思いなどを手放して前に進むにはどうしたらいいでしょうか?

〇手放すからこそ、次を手にすることができるのではないか?

〇手放したのにまた所有したくなるのはなぜなのか?

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇物品を手放すのと想いを手放すのには違いがあるか?

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇人間関係は深くなればなるほど手放すのが難しい。品物は他者の思い出が関わっていることがあり手放すのが難しい。繰り返し繰り返しこだわり戻ってくるのは、その時の自分への執着なのかもしれない。だが、ずっと執着していると人生の残り時間がもったいない気もする。本当は、自分は手放せないんじゃなくて、手放したくないのではないかと感じることもある。

⇒〇物品も思いも自分への執着という点は同じ?

⇒〇誰かに強制されているわけではないので同じだと思う。

〇精神的なものを手放すことはできるが、根っこの感情を動かすのは無理。傷ついた感情に寄り添うようにしている。執着・手放せないにはメリットがある事が多い。手放さず、つらい事の中に居たい気持ちもあるのでは。

⇒メリットとはどういう事か?

⇒例えば、犯罪被害。被害者の位置にいるメリット。加害者を責める、自分に非はないという感情をもつ事によるメリット。

〇自分を守る為、対象から一時的に離れていた事があった。赦す・手放すにはまず受け入れてからじゃないと難しいと思う。

〇捨てたいのに捨てられないのが難しい。

しばらくは、自己防衛でとどまっていても、いつか綻びがでてくる時がある。

または、ぐるぐる回って戻ってくるというのも同じ。結局、解決できていないからではないか。

そこから先へ進んで、手放すにはどうしたら良いのだろうか。

〇時間が経って、もういいやと思える時も有る。強制的に手放さなきゃいけない時もある。

⇒強制的に手放さなきゃいけない時ってどんな時があるのだろうか?

⇒例えば、ストレスなど身体的な事が原因で手放さざるを得ない時。

職場に問題を感じ退職した知人が、また次の所でも同じ状態になった。自分が変わらないと何も変わらないと気づき、選択を迫られる場面があった。

⇒変わらざるを得ない。諦める・手放すなど、選択が必要な時があるのでは。

〇つらい経験は、時間が経過しても、なくならない場合もある。

そんな時、強引に前を向く!と自分で舵をきる場合もある。それがある意味「強制的に」なのかも知れないと思った。前を向いて自分の幸せの為に何をしたら良いかを考える。

〇物品も思い入れのある物品とそうでない物品がある。自分の場合、洋服は思い入れがない場合が多く、写真は思い入れがあるなど、物品にも違いがある。

〇高かったなぁというものは処分しにくい。「こんなものにお金を出した自分ってばか」と思いたくなくて、「お金を出したんだからもっと利用価値がないだろうか」と思ってしまう。

〇病気になった事で気づきがあった。それまですごく我慢をしていた。

「病気が何かを教えてくれる」場合がある。強制的に我慢をやめた。そうしないと変われないと思った。

⇒強制的に手放すっていう事の例がよくわかった。

我慢しすぎていた。それが体に悪かったんだと気づいた時点で、もう手放せている気がする。

気がつく事が手放すに繋がっているという感じを受けた。

◉最後に対話を通しての、新たな気づき、新たな問い、感想などを述べてもらった。

〇手放す前段階。取捨選択する力、目を養っていくにはどうしたら良いのだろうか。

〇私って駄目だわをやめた。今日から。

〇もしかしたら手放す前に何も所有などしていないかもしれない

〇今 ここ 呼吸に戻る 難しく考えれば難しく、簡単に考えれば簡単?

〇人生 最期に手放せないものは何か?

〇精神的なものを手放すのは日常的に行っていますが、物を手放すのは苦手なので、両方やってみるともっと違いが分かるかなと思いました。

〇軽やかにいきたいですね

〇我慢することをやめれば執着を手放すことができそうな気がしてきました。

〇自分の執着に目を向ける

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

皆さんの経験や思いを色々語っていただきありがとうございました。

手放したいのに手放せない……

メリット、執着、諦め、強制的、折り合い、前を向く、気づくなど、色々なキーワードが出てきました。

もし、今回の対話をきっかけに、「手放したもの」や「手放したあと手に入れたもの」があったとしたら、いつか伺う事ができれば嬉しいです。

今回、本編の中で、質問や問い合う場面が多くありました。

お互いに意見を聞き一緒に考える。とても良い時間だったと感じています。

問い……と言えば。

私は、心がざわついたり不安に囚われそうになった時、問いをつくってみます。

「○○を手放さないと困る事は何だろうか?」

「△△の結果が良かった場合、良くなかった場合、今後違ってくるのはどういう事か?」

「××する事によって私は幸せになると言えるのだろうか?」

不安や心配を、問いの形で一旦手放すとちょっとだけ楽になる自分がいます。

しばらく経ってもう忘れた頃、何かの拍子に答えを見つけ、じんわり助けられる事も。

そんな事を考えながら、既に次回が待ち遠しくなっています。

また、お会いできますように。

byたからん

 

【第337回記録】人生カフェ・【夜開催】テーマ「春」・オンライン

第337回目の人生カフェは、2023年3月30日(木)20時~22時、9名(参加者7名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

年度替わりの時期となりました。

年度末のあれこれでお疲れの方。

新生活スタートでわくわくドキドキの方。

桜の開花予想を見ながらお花見を計画中の方。

うきうき楽しいイメージの春。

その一方で、生活環境などの変化から、心がざわざわしがちな季節でもあります。

お互いの「春」にまつわる色々を持ち寄り、語り合ってみませんか?

*************

<内 容>

☆音声確認を兼ね簡単な自己紹介タイムをとった。

〇呼ばれたい名前

〇今の「気持ち」「体調」など一言

(例)「初参加でドキドキです」「花粉症で目がかゆいです」

☆ストレッチトーク

哲学対話に入る前のアイスブレイクタイムとして、雑談的に「春」から連想するものを出してもらった。

(例)入学式・卒業式・第2ボタン、木の芽時のあれこれ、お花見エピソード、転勤・転居、GW、カラオケの十八番は「赤いスイトピー」

など。

〇ガーデニングが好き。春に種をまき育てることを楽しんでいる。

〇今回、哲学対話らしくないテーマがいいなぁと思って参加した。

〇最近、春が短くなった気がする。すぐに梅雨がきて夏がくるように思う。

〇春は忙しい。年度末・年度始まりだからか。自分の人生を季節に例えると何だろうと思う。

〇確定申告があり忙しい。あいものを着る期間が短くなった。春は命がうごめく季節では。

〇子ども2人共、合格祝いのリクエストがディズニーランドに行く事だった。それぞれの時に行った。その2回共花冷えだった思い出がある。

〇子どもの頃、春の花といえば、桜よりも、菜の花・レンゲ・シロツメクサなど地面に咲く花の思い出がある。お花見宴会がコロナ禍でしばらく出来なかったが、何か影響はあったのだろうか。

〇以前、病気をした時に花の種を育て、生命力・元気を貰い、桜に限らず季節ごとに色々な花を観に行くことが楽しくなった。春のお花見は、秋の豊作に向けての予祝とも言われている。

〇桜の名所。姫路城の桜が見事。鰆は春の魚と書くが、関東での旬は冬?

春の歌で人気が高いスピッツの「春の歌」を思い出した。

☆問い出し

参加者には、テーマに関する自らの問いをひとつ出してもらった。

(例)卒業アルバムの賞味期限って、いつまでだろうか?

〇冬の後に春なのはなぜか?

〇春休みの意義は?

〇なぜ秋より「春」の方が人気があるのか?

〇春は命の出会いか?

〇卒業アルバムの賞味期限はいつまでだろう?

☆問い決め

投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇春は命の出会いか?

☆その後、約50分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇先程のトークで出てきた印象的な言葉が、命だった。春は命を見つめなおす時なのかも知れない。

⇒〇命の出会いというのは、人間だけではなく植物なども含めての広い意味の事だろうか?

⇒〇人間だけではなく、植物、虫なども。「桜を見るまでは死ねない」など桜に象徴される事も多い。全てが命と繋がっている気がする。

〇桜に感じる日本人特有のもの。満開の桜だけではく、葉桜も生命力を感じる良さがある。

〇冬があるからこその春だと思う。冬があるからこその三大欲求という面もある。

〇ニラと水仙を間違えて食べてしまう……など、現代人は鈍感になってきているのか。

秋の食欲は溜めこむ為に使われ、春に食べたものは遠慮なく放出の為に使ってよいという感じ。

〇春は生命力に溢れる分、混乱を生じさせる。均衡を保つのが難しい場合もある。

〇春はスタートというイメージがある。稲も夏に育ち秋に収穫、冬は休むなど、四季のサイクルを無視して春だけを独立して語るのは難しい。春は不安定。木の芽時、混乱した人たちからのクレームが増える。

〇冬を楽しむことができれば春に混乱することなくスタートができるのではないか。

⇒〇冬を楽しめない人は春に鬱々としてしまう人なのだろうか?

⇒〇目標ややりたい事がないと冬を楽しめないのではないか。冬は密かに計画を練る時。

冬を楽しむっていうのは、その練る事を楽しむことでは。春は色々なものが萌え出て刺激がある。自分に充実感がないとバランスの悪さを感じ苦しむ事になるのかもしれない。

〇春の生命力やエネルギーに頼り切り、冬に準備をしない人が何でもできるような気になり、無責任さやお気楽さをうむのかもしれない。

〇ガス・電気のない時代は、四季についてもっと考えていたと思う。

この季節には何をしてとか、冬に子どもが生まれたら命にかかわるとか。近代化して自分達は考えなくなったのだろうなぁと思う。

〇電気の引き落としが異様に高く、そこで季節感を感じている。

〇源氏物語を読むと季節感が見事に描かれている。みんなが春を待ちわび祝う。ちょっと色っぽい事が始まりそうな予感もある。若菜を摘んだりして春を楽しむ。

〇太陰暦の方が季節を感じられる気がする。太陽暦は真冬に年賀状を出すから「新春」に違和感があるが、太陰暦だと年明けは春が始まる頃。今の時期を春と考える現代人は、年度で考える仕事モードなのか。

〇春にネガティブなイメージもあるのでは?

3月の国家試験。4月第1週に発表があり、不合格だとクビになる。過酷だと思う。

桜には死のイメージがある。

坂口安吾「桜の森の満開の下」、梶井基次郎「櫻の樹の下には」

〇逆を考えた。桜の下の死体はやがて桜になって再度生きられる。

国家試験に落ちた知り合いは、3月入局。4月退局。

「履歴書に色々書けて楽しい」と言っていた。

一部だけみると暗い事もあるが、人生を長いスパンで四季と捉えると面白いと思える。

〇樹木葬を選ぶ人は、花の頃に家族だけではなく沢山の人に見て貰いたいのでは。

☆放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

春の夜にお集まりいただいた皆さま、ありがとうございました。

エピソードや問いを読み返し、自分に引き寄せて考えたり、改めてイメージが広がったり、記録を作りながら楽しんでいます。

お祝いで出かけた花冷えのTDL、娘さんは誇らしく楽しかっただろうなぁ。とか、母の田舎で一緒に作ったレンゲの花冠を思い出したり、改めて電気料金の変動で季節を実感したり。鰆の西京焼きの美味しさがわかるようになったのは何歳頃だったかな……など思いを馳せました。(鰆の旬は、水揚げ場所にもよるので冬と春の両方だそうです)

「春は命の出会い」

今回の問い、素敵な言葉だと思いました。

春から夏は動物の赤ちゃん誕生シーズン。命のバトンを繋ぐためにも寒い時期にうまれないように……改めてすごい事ですね。

放課後タイムは、運動会が秋から春に変わってきている話や、桜の名所情報、各自が育てている植物談議も。

わいわいと楽しい夜でした。

また、お会いできますように。

 

byたからん

 

 

【第336回記録】人生カフェ・【男性限定】オンライン・テーマ「母」

 

第336回目の人生カフェは、令和5年3月26日(日)午後2時~4時30分、7名(男性6名・女性進行役1名)の参加者のもと、オンラインで実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

●テーマ

男性限定の第3回目となる今回のテーマは「母」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

男性限定の第3弾は「母」がテーマです。

あなたにとって、母親はどんな存在ですか。母親との思い出は、どんなものがありますでしょうか。

多くの男性にとっては、初めて出会う異性であろう母ですが、近しい存在だからこそ、普段はあまり意識していないかもしれません。ここで改めて「母」について、「母と自分」について、「母なるもの」や「母性」についてなどなど、一緒に考えてみませんか。

 

●導入のプログラム

まずは、導入のプログラムとして、自己紹介とともに、1)「母」から連想するイメージ または 2)「母との思い出」のどちらか1つを話してもらった。

例)

1)包み込む大きな腕、あたたかいもの。2)フルで働きながら家事も全てこなしていたので、常に忙しそうでした。明るくパワフルだけど、疲れている姿が思い浮かびます。

・大きな愛で包み込む人。

・多くの男性にとって理想の女性。

・我慢強い人。

・常にいろんな人に気を使ったり、家事をしたりする家父長制の犠牲者。

・家事を手伝わない男性は今でもいるので、昔は一人で大変だったんだろうな。

・明るくパワフル。でも、人の話を聞かない。

 

●問い出しと問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。出された問いは次の通り。

例) 母・母性の役割とは?

・マザコンとは何か?

・母思いはマザコンですか?

・母に愛されなかった人は人を愛することができるのだろうか?

・誰もが母に求めているものは何か???テレビやドラマなどの母親像は神過ぎて共感が持てない。

・自分が母親だったとしたら、自分をどう愛するか?

・母の愛と父の愛の違いは何か。

・母親に何をされた時が一番嬉しかったか?(母親に何を求めているのか?)

・母親に何をすれば、一番喜んでくれそうか?

 

この中から話し合いと投票で入口の問いを選び、後半の対話の問いは「母の愛と父の愛の違いは何か?」が選ばれた。

 

●対話

その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

・母の愛とは?愛情表現や伝え方も大きいと思う。

・父の愛・母の愛もあるが、子供にとって一番大事なのは近くにいる大人による承認なのではないか。母に対する期待が大きすぎるのでは。

・不安な時や守ってほしい時は男性・父性を頼りにする。包まれる優しさを求めるときは女性・母性の方にいくのではないか。

・日本は日本神話の最高神が天照大神という女性ということもあり、母の愛を求める欲求が大きい。スナックのママにオジサンたちが愚痴をいうのも母性を求めて甘えているのかも。

・自身の父・母が生きているのか、既に亡くなっているかで感じ方が異なる。

・死者である父・母に何をしてほしいのか?と考えたとき、今生きている家族を見守っていてほしいと思う。

・父・母がもし生きていて自分を見たとしたら、どういう生き方をしていたら喜ぶだろうかと考えて身が引き締まる。

・父・母がいなくなっても父の愛・母の愛を求める気持ちはあるのか?それは外にいる同性・異性に生身の愛を求めるのだろうか。

・親が生きていた時も死んでいる今も、個人として親に対する思いは変わらない感覚。

・父の愛は壁になること、越えたくなる存在。背中で語るもの。母の愛は傷ついたときに求める場所。受け止めるもの。

・父親的:戦場、母親的:傷病者の病院?

・息子にとって父は壁になり、ライバルになる。息子と母は親密になる。父は強い、母は包み込む存在、という典型的なイメージがあるが、今の世の中は多様化が進み。父と母の境界が曖昧になっているのではないか。

・男性には力を出すよりも、草食系を求められたりする現代。女性にはキャリアや稼ぎを求められる現代。優しい男性を求める女性は多い。高倉健の時代は終わった。

・マザコンはノスタルジーだと思う。もう存在しない、古き良き優しい母を求めている。良くも悪くも父・母の役割が消失しているのではないか。

・かつての男性は「自分1人の働きでは家族が養えない」場合に後ろめたく思ったが、時代が変わり、今では父母どちらも仕事・家事・育児を行う。役割が決まっておらず、男女共働き。これはよい変化なのか。

・そうした中でも父親像・母親像のイメージがまだ残っていて、それを求めているのか?そのイメージとのギャップに苦しめられている?

・父母の役割がなく、平等になったとして、子供の成長に父性や母性が必要ならば、どうやって父性や母性を出していくのか。

・同性愛者のカップルの中での母性愛とは?

・母の役割は周りの大人の承認によって代替できるだろうか。

・役割が決まっていないのであれば、結婚前にどういう役割分担をしたいかをよく対話し合う必要がある。それらが面倒で結婚したくないという気持ちもわかる。役割の消失が非婚・少子化を招いている?

・役割があれば、演じやすい。求めやすい。「らしい=枠ハメ」。暴走族もそれらしい服装をしている。ネクタイを締めた暴走族はいない。

・金を稼ぐのが男性的なら、哲学対話など、金にならない世界は女性的?

・男は外で料理を作りがち、女は家で料理を作りがち。父親も家で仕事姿を見せれば、感謝が増える?

 

●振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

 

・母とのつながりを深めたい。

・母の代理は務まるのか、というところを深めてみたい。

・時代は変わってきたが、母と父が生きていたら喜ぶだろうと思うような生き方をしたい。

・愛犬は私との散歩はすぐ抱っこだった。ある意味母性を求めていたのかも。

・マザコンの冬彦さんを笑ってみていられる自分は上から目線なのか、幸せなのか?世代は変わる、時代は変わる……それぞれで苦労はあるだろう。

・自分が父と母についてたいして思考してこなかったという事に気付きました。次回は祖父祖母の役割について?

・どうか元気で、自由に幸せに生きてほしい。

 

(記録:羽田美里)

 

【第335回記録】人生カフェ・読書会『差別の哲学入門』・「参加者で問いを決める」・オンライン

第335回目の人生カフェは、令和5年3月25日(土)14:00~16:30、9名(男性3名・女性6名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

 

『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)の読書会という形で、差別について考えています。過去4回に分けて開催し、一応この本全体を読み切りました。ただし、まだまだ問いやモヤモヤは残っていますので、今一度この本について対話の機会を設けます。

今回もこの本をざっとでも読んでいることを参加条件にします。

 

ここはお悩み相談、カウンセリングの場ではありません。

ディベートの場でもありません。

話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

♢対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

 

*導入のプログラム

この本に対するざっくりとした感想を簡単にチャットに書いていただき、1分程度で発表していただきます。

(例)差別の概念、課題などについて頭の整理ができた。

(例)ツッコミどころが多く、課題図書としてはいい?

○差別について話すことは大変重い話になります。過去の経験があるからかもしれません。内容としてはとても今日的なテーマです。

○1・2章は面白かった、「なぜ差別が起きるのか」が不足。

○差別に対してぼやーとしていたが、この本で考えが深まり今後も考え続けたいと思いました。

○差別の相互性への言及が足りず、日常的なささいな差別について考えにくかった。

○差別をどうするのか?という外向きな考え方を、哲学することで、自分の内側に向き合わされる機会になりました。

○差別は生じるのではなく、生じさせているのだという視点も欲しかった。誰が、その差別で得をするのか、を考えたい。

○普段差別についてじっくり考えたことがなかったので、この本と人生カフェでの対話をきっかけに、ニュースや本で見聞きしたことや日常で起きたことから時々考えるようになった。

 

◎ルール説明

 

*問い出し

参加者には、この本の内容について、自らの問いを1個だけ発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。小ネタでも、大ネタでも。

(例)差別は全て本当に悪いことなのか?

その問いの背景、理由等について1~2分くらいで話していただきます。

選択1 良い差別とは何か?

選択2 差別されたくないと思うのは何故か?

選択3 どんな時に差別されていると感じるのか?

選択4 なぜ差別をしてしまう事を恐れるのか?

選択5 なぜ日本には差別禁止法がないのか?

選択6 差別と自由の関係は?

選択7 皆さんは教育の場で差別について深く学ぶ機会はありましたか?

選択8 無意識の差別まで考えると精神的負担が大きいが、どうしたらいいか?

 

*問い決め

参加者から出された問いから投票により、休憩後の後半の対話の問いを一つに絞りました。

「差別されたくないと思うのは何故か?」

 

◎休憩(10分)

 

みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)。

(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

●自分は下にいたくない、底辺にいたくない。

●弱さ、屈辱感を味わいたくない。

●マイノリティ(少数者)になりたくない、仲間外れになりたくない。

●生存を脅かされたくない。

●弱き者ということがずっと長く続いてほしくない。

●差別によって誰が得するか? マジョリティ(多数者)、権力者、既存権益を受けている人……。

●差別することが簡単で効率的だから、他の手段を取るのがたいへんだから、差別という手段を取る。

●「幸せな奴隷」「満足している専業主婦」問題~本人が幸せ、満足していれば、それでいいのか?彼ら・彼女らは自由を制限されているのではないか。

●「良い差別」というのはあるのか?

●この本『差別の哲学入門』の記述展開からは良い差別という概念はありえない。

●「良い差別」という言い方は被差別者からは大きな反発があると思われる。

●差別されていた人がハングリー精神でがんばって、その後成功したという例はあるが、それをもってその差別がよかったということは言えない。

●良い差別の具体例はなかなか出てこない。

●差別は無知から来ることが多い。それはその人の人格や人間性とは別のことである。したがって、差別について、知ること、学ぶことが大切になってくる。

●自らの差別行為や差別意識を人から指摘してもらうことは大切である。信頼できる人、リスペクトできる人などからの指摘は受け入れることができ、自分を変えることができる。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○差別を恐れる人の心理=生存を脅かされることへの恐れ 選択の自由があれば差別は防げる 教育現場での差別について深く学ぶ場の重要性

○いじめは(典型的な)差別ではないとこの本では言っているが………。いじめの加害者と被害者、双方へのアプローチが大切。

○自分の無知・偏見に気づくにはどうすればいいかの問いに戻った。

○本を読むことは頭を乗っ取られること  ➡️たまには 良いこともある?

○差別 嫌ですよね でも手を変え品を変え今後もなくならないでしょうね でもこの本に出合ったことで私の中で変化がありました。 

○差別とは何が大事か。改めてじっくりと考える場でした。

○差別は良くないと思いますが、差別される側もする側も、自分を守るためにやったのではないか?と考えると時間をかけて話し合いの場を設けて哲学対話を広めていくことが大事だな〜と思いました。

                                              (記録:本間正己)

 

 

 

【第334回記録】「参加者でテーマを決める」(オフライン・リアル)⇒「弱者とは?」

第334回目の人生カフェは、令和5年3月18日(土)午後2時~4時30分、10名(男性8名・女性2名)で、新宿消費生活センター分館にて、オフライン・リアルで実施された。(進行役:本間正己)

 

この日は「参加者でテーマを決める」であった。

テーマはありません。自由に問いを出し合います。

今回は西国分寺のクルミド・コーヒーで行われている「クルミドの朝もや」をリスペクトした方法にします。

紙に書いたり、ホワイトボードに書いたりすることは少なめにして、対話そのものを楽しみます。

お悩み相談ではないので、解決策やアドバイスは求めません。最後は、別のモヤモヤが生まれる場合も。

それも含めて楽しみましょう。

参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。

場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

 

◉簡単な自己紹介タイムをとります。

〇当日に呼ばれたい名前

〇「今の気持ちなど」を一言

◉対話のルールの説明

*今回多くの方に発言してもらうために3分間ルールを適用します。3分を超えて話をしている場合、ファシリテーターから、そろそろ話のまとめをしてくださいという合図を投げかけることがあります。よろしくお願いします。逆に言えば、3分間の間はいろいろ話ができるということです。

◉問い出し

日頃考えていた問い、他の方の発表を聞いて浮かんだ問いなどを出してください。

(例)頭が良いとはどういうことか?

(例)懐かしいとは何か?

(例)退屈とはどういうことか?

その問いの背景、理由等について1~3分程で話していただきます。

お互いの問いをじっくり聴いて、考える時間を大切にします。

○弱者とは?

①弱者とは誰か?

②弱者はなぜ救済しなければならないのか?

③救済の問題点は何か?

○人間は繁殖期以外にも性行為ができるのはなぜか?

○自分の言葉とは何か?

○大人になるとはどういうことか?

○人生カフェに参加する判断基準は何か?

○「役に立つ」と「好き」とのつながりは何か?

○人はなぜ言葉に規定されるのか?

 

◉問い決め

全ての問いの中から「全員で対話したい『推し問い』」を考えてください。お互い意見を出し合いながら最終的に1つに絞ります。」

決まった問い:「弱者とは?」

その中の3つの問い①~③すべてを取り上げていきたい。

①弱者とは誰か?

②弱者はなぜ救済しなければならないのか?

③救済の問題点は何か?

 

(休憩10分)

 

*入り口の問いから、みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)

(記録者が印象に残った一部のみ記載)

①弱者とは誰か?

●弱者と強者の境界は曖昧である。弱者と強者の関係は変化し、時には逆転することもある。

●それゆえに、弱者と強者は相対的なものでありそうだ。絶対的な弱者とはいるのだろうか?

●死に間際の老人は絶対的弱者ではないか。必ずしもそうではないという意見もあった。

●自らの力で食べていくことができない状態に置かれている人を弱者と見ることはできる。

●身体的弱者、心理的弱者、経済的弱者、社会的弱者など、いくつかの尺度を使って、弱者を定義できる。

●個人主義が徹底してきて、一人一人の能力による強弱・優劣が明確になってきた中で、弱者も明瞭になってきたのではないか。

●救済が先にあって、救済するから、その救済する相手を弱者と呼ぶのではないか。

●弱者は基本的にマイノリティ(少数者)である。

●弱者はその個人のせいというより社会のシステムから必然的に生まれてくるのではないか。

②弱者はなぜ救済しなければならないのか?

●基本的人権の生存権の観点から救済は必要である。

●弱者の増加が社会的不安を増大させ、事件・事故などのトラブルを多発させる、さらに国家を揺るがすような事態を招くといった予想から救済が求められる。

●強者(成功者、エリート、高貴な人など)は貧しい人たちに寄付をするという考えが、キリスト教を背景にして、欧米には広く存在する。

③救済の問題点は何か?

●弱者が救済されることに慣れてしまう、甘えてしまう、さらなる過大な救済を求めていくことになる? 弱者が弱者のままに固定化される。

●福祉面において、税金が適正に使われているかの検証が必要である。

●しかしながら、逆に振り子が振れ過ぎると、弱者切り捨て、極端な自己責任論になる危険性がある。

(全体を通して)

●強い・弱いとは何だろう?強いは良いこと、弱いは悪いこと、ということでいいのだろうか。

●単純に、率直に思うに、強いに越したことはないのではないか。

●人は上下関係を作りたがる?上から下を見下したがる?嫌な感情だが……。

 

*最後の20分くらい、振り返りの時間を設けました。

 

(記録者:本間正己)

 

【第333回記録】人生カフェ・年間テーマ「幸せ」・3月テーマ「欲求と幸せ」・オンライン

第333回目の人生カフェは、令和5年3月16日(木)午前 10時~12時30分、16名(男性8名・女性8名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。他の人へのアドバイスをする場でもありません。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。

(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

 

今年の1年間は随時、「幸せ」について考えています。

人生カフェの原点は、中高年を対象にして、幸せ(幸福)について考える哲学対話の会というものでした(もちろん若い人も歓迎していました)。

これから約1年間、原点に戻り、参加者・主催者がお互いに問いを出し合ったり、時には本などを手掛かりにしたりして、幸せについて考えていきます。

幸せは他人から押し付けられるものではありません。自らが感じ、考え、行動するものです。それゆえに、哲学対話は幸せを考えるにあたって、有効な手段のひとつになるでしょう。

若干不規則ですが、毎月、第二または第三または第四の木曜日のいずれかの午前中に開催する予定にしています。

3月のテーマ:欲求と幸せ

幸せ(幸福)を考えていく上で、代表的な3つの説があります。

①快楽説

②欲求実現説

③客観的リスト説

どの説も重要な観点ですが、進行役(本間)は②の欲求実現説を重視しています。

今回はこの「欲求」に焦点を当てて、幸せについて考えていきたいと思います。

考えていく手掛かりとして、「マズローの欲求5段階説」を使います。

マズローの欲求5段階説の概略をざっと学んだ上で、ご参加ください。

下記のサイトが役に立ちます。

https://studyhacker.net/maslow-hierarchy

 

まずは、導入のプログラムである。

あなたはどのような自らの欲求を大切にしていますか?

(例)今は安全、安心、安定の欲求

(話をしたい人(10人くらい)のみ、チャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

*健康の欲求

*記憶の安定デス

*自由であること

*役に立つ欲求

*食べる欲求

*やりたかったことを実行する

*相手に不快感を与えず、楽しんでもらいながらも楽しさを提供できることの欲求追及。

*欲求そのものに高低をつけるのは疑問ですが‥。年齢とともに何を優先するかは変わっていくのかな?今はバランスを考えています。

*すべては自分の内側から生み出されると考えて精神的・内的・成長欲求を重視

*承認欲求

*地位財・他人のⓇ < クリエイティブな事

*①健康の欲求②自己実現の欲求

*精神的な成長と解放

 

問い出しです。

参加者には、自らの問いを出してもらいます。

(例)高次な欲求の実現ほど大きな幸せが得られるのか?

(話をしたい人(10人くらい)のみ、問いをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

○小さなことでも常に前向きな幸せを感じられるか? 

○欲が満たされなくても幸福を感じることができるか?

○幸福度は測れるのか?

○「苦」は幸せの種か?

○自己実現の欲求の自己とは何だろうか?

○貢献欲求とは何か?

○何をしたら、自分自身の大きな幸せを感じれるか?(今までの一番大きな幸せは何でしたか?)

○欲求が満たされると達成感は感じるが、それが幸せ感と一緒にならないのはどうしてか?

○棚ボタで得られる幸せより 努力に努力を重ねて得た幸せの方が 本当に大きい幸せだろうか?

 

○欲求を満たすことで得られる幸せと足るを知る幸せはどう関係しているのか?

○他者承認は、誰からのものでも満たされるのだろうか?

 

問い決めです。

今回は投票により、後半の対話の問いを一つに決めました。

「欲求が満たされると達成感は感じるが、それが幸せ感と一緒にならないのはどうしてか?」

 

休憩後、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●達成のための努力の過程が楽しい。

●何のために達成しようとしているのか、なぜやっているのかが曖昧な達成は虚しくなることがある。

●相対幸福~欲求を満たす幸福? 絶対幸福~足るを知る幸福?

●体全体で満ち足りた感覚を持った経験がある。

●doing~達成する幸せへ、being~存在する幸せへ

●達成は数値だからな=。。。

●Doingってやはり何かをする、という抑圧感を感じますが、Beingって「Just the way I was」でいいかな? だけども、縁もActionあってこそ!!

●他人と繋がる~自分自身と繋がる~そこに本当の自己がいる

●何もしないという難しさ。動作動詞(話す、指導する、アドバイスする等)より状態動詞(信ずる、願う、想う等)の行為の方が意味のある場合がある。

●欲求~マイナス(過少)を0にしたい。欲望~0をプラス(過剰)にしたい。欲望はギラギラしたイメージがあるが、欲求はニュートラルな心理学的用語である。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○「努力では手に入れられない幸せ」

それを欲してあがく自分を俯瞰して認め、もがき苦しみながら手放した時に得られる解放感。手に入れたのとは「違う幸せ」に辿りつく気がする。

○幸せとは何かが、余計わからなくなった。

○本来の自分と分離した自分かもしれないが、それを抱えて生き抜くという選択もあるなと思いました!

○このようにテーマでいろいろ考えられるって素晴らしいです。気づきもどんどんアップデートします。そして、いろいろと考えますが、いろんな考えを取捨選択して自分落とし込んで「Just the way I was」になればいいかな?と思っています。

○達成感に注目したのはよかった!欲求実現説の限界も見えてくる。

○どんな状況にあっても、人は幸福を求め、感じずにはいられない存在だと思います。それが出来ない時、というのは自由を奪われている時ではないでしょうか?

○欠乏欲求の中で上がったり下がったりしてグルグル生きていくのも幸せなのかもしれない。

○難しかったけど楽しかったです。

○doingの中の達成感 幸せ感 に着目していたが 今日参加して being  の中の 幸せ感も 大きかったと思い出した 突然やってくる

布石は打たれていたかも、、、

○私の問いに皆さん考えていただいてありがとうございました。Yさんが幸せ感を体感されたとのこととても羨ましく思います。私も近い日にそれを体感してみたいです。ありがとうございました。

○努力している自分が好き 人生を生きる意味 欲からの自由

○達成感:狙って得られる 幸せ:結果的に得られる でも、達成感≒幸福感という重なり合う面もあるかも??? 

○満たされていれば欲求は出ないけれど、幸せも満足感も瞬間的なものなので。修正していくものだと思いました。

○幸せを追いすぎると不幸せになりやすいのかなぁと思いました。追わなくても身の回りにも幸せはある。

 

 (記録:本間正己)

 

【第332回の記録】映画「いのちの停車場」

第332回目の人生カフェは、2023年3月12日(日)15時30分~17時30分 計4名(男性1名、女3名)で、オフライン・リアル(新宿区榎町地域センター大会議室B)で実施された。

(進行:田中あけ美)

 

最初に自己紹介と映画全体の感想と登場人物の中で誰に関心を持ったかなどを共有した後、この作品を鑑賞後の問いを出してもらった。

 

【感想】

・在宅医療とは?病院医療とは?福祉施設とは?

 気になった人:白石咲和子・父達郎 若林萌

・白石先生の気持ちの移り変わりが印象的でした(死を拒み、生を求める→死を認め、与える?医師へ) 気になった人:中川とも子(石田ゆり子)

・老々介護はむずかしい。あとにのこったおじいさんは、その後ひとりでやって(生きて)いけるか。気になった人:白石咲和子

・安楽死と尊厳死 病院と在宅医療

 気になった人:咲和子の父 女流棋士(石田ゆり子)

 

【問い】

小ネタ(映画に関連する問い)

・いのちの停車場の「停車場」とは何か?

・女流棋士は何を求めてまほろばにやってきたのか?

・中川とも子さんは本当に治療を続けたかったのか?(なぜまほろばに来たのか?)

大ネタ(抽象的な問い)

・眠らせてほしい、眠らせてあげたいと思うのは間違っているのか?

・死の迎え方の決定は誰がするのか?

・咲和子は父に対して何をしたか?何をしなかったか?(映画のラスト)

・命は誰のものか?誰が決めるのか?

・命は誰のもの?(生=正なのか?)

 

以上の問いから

・映画に関連する問いを入口に対話を進めた。

 

【対話後の感想・気づき・新たな問い】

感想・気づき

・命は平等か?

・健康で長生きしたい。

・日本でも本人の意志を十分に確認した上で、安楽死を認めてほしい。

・考え続けるのは大切。

・死を望む決定は本当に正しいのか?(後戻り、失敗できない)

・安楽死・自殺された遺族(医師)の罪悪感はどうする?

・緩和ケア+尊厳死を望む

・「鎮静」(眠らせる)も視野に入れておこう!

・安楽死ー日本では難しい

・QOLは大切 生の質こそだ!

 

【記録者後記】

今回の対話はとても重いテーマを扱かった回であったが、ご自身の経験から考えていることを語られる人がいたり、この映画の内容(がん治療、安楽死、尊厳死)に関連して『だから、もう眠らせてほしいー安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語』の読書会に参加した人からの共有や、外国での安楽死を扱った映画『すべてうまくいきますように』の紹介などもあり、皆それぞれが考え、深い対話ができた時間であったように感じた。参加者からの感想にもあったが、誰にも訪れる死について(それまでの生についても)、考え続けるのは大切であると再認識した。

 

 

(記録:田中あけ美)

 

 【第331回記録】人生カフェ・テーマ「相性」オンライン

第331回目の人生カフェは、2023年3月9日(木)am10時~12時30分、12名(参加者10名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

話が合う友だち、仕事が進むカフェ、素材の組み合わせが馴染むコーディネート…

「相性」最高♪な、人や場所やものに出会うと嬉しくなりますね。

人と人との場合、こちらが「相性が良い」と思う時、相手も同じように感じているのでしょうか。

星座や血液型、四柱推命…「相性」占いは、いつの時代も人気です。

また、AIが相性の良い相手を見つけてくれるマッチングアプリを使って婚活する人も増えています。

「相性」ってなんでしょう。

私たちは、どんな事で、相性の良い・悪いを判断しているのでしょうか?

色々と考えてみませんか?

*************

◉導入のプログラム

自己紹介とともに、「相性が良いなぁ」と思った相手や場面などエピソードを1つお話ください。

(例)…住んでいる町。人の温かさを感じる。落ち着くし自分と相性が良い町なのだと思う。

〇好きな映画の傾向が似ている人

〇ペットの猫

〇カニ缶とマヨネ-ズ

〇相性→「好き」「心地よい」「うまくいく」

〇ごはん

〇読書傾向の似ている人

〇タイミングがあった時

〇ヨガ

〇下北沢、下町、商店街などなどの雰囲気が好きです

〇夜食仲間(対話仲間)= 時間のワープ

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

(例)…相性と、好き・嫌いはどう関係しているのだろうか?

〇なぜ相性を知りたくなるのか?

〇相性の良い・悪いは変えられるのか?

〇相性ってどこから来るのかな? 過去から・未来から?

〇相性とストレスの関係はあるのか?

〇声、音の相性はあるのか?

〇相性は自分の心に関係しているのだろうか?安心できる場・空間が大きな要因になっているのだろうか?

〇相性の錯覚に騙されていないか?

〇相性がいいってどういうことか?

〇相性と、好き・嫌いはどう関係しているのだろうか?

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇相性がいいってどういうことか?

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇どういう場面で相性が良いと感じるのだろうか?

自己紹介で出されたような内容と、「好き・心地良い・上手くいく」は、どう関連しているか?

相性を気にする人は多い。星占い、血液型、性格診断などに重きを置く人、家柄や経済的なもので相性を考える人もいる。一方で「くだらない。つき合ってみないとわからない。変化していくもの」と言う人もいる。

どちらも極端。その中間が気になる。

〇議員になった知人の話。議員になる直前、学生時代から付き合っていた人とは違う、有益なバックグラウンドを持つ他の相手と結婚した。

感情の相性を掴む人、左脳的…地位材を選ぶ人がいる。

〇感覚的なものと頭で考える相性がある。

占いを気にするのは不安があるからではないか。

「成功している自分にふさわしい相手」が、相性が良いと思っているのでは?

〇カニ缶とマヨネーズ「どこが合うんだ?どこが好きなんだ?」自分の「欲」と合う「度合い」が相性?

左脳的な欲と右脳的な欲。どちらを大切にしたらいいのか?生きる為に「空気」が1番重要。それに気づくのは死ぬ間際?

〇カニ缶とマヨネーズの話に納得する。

相互的。2つのものが組み合わされ相乗効果がある。高め合っているものは相性がいいのでは?

キャラメルシーソルトにはまっている。甘塩っぱさがそれぞれの良さを引き出して相性がいいと思う。

マッチングアプリも「お互いを補い合う」相性の良さを選ぶと聞いた。

〇違いがあってもお互いの良さが引き立てられ心地よい関係の時は、相性を占うとか考えないのでは。不安がある時に占ってもらうのではないか。

〇相性が良い者同士、本人達はそうは思っていなのでは。周りで見ている人がそう思っているだけでは。

〇血液型と相性の事も気になる。仲違いした時など、「血液型の相性が悪かったから」とそのせいにできる。逆に「血液型が合っていたから相性がいいんだ」と補強する面もある。血液型や星占いの相性、くだらないながらもずっと残り続けているのは何故か。

〇人間関係の不確かさを補い合いたいから、血液型や星占いが気になるのでは。

カニ缶とマヨネーズの相性がいいのは、天から降ってきたわけではなく、過去の経験値からの組み合わせでは?偶然ではなく経験値が直観となり、カニ缶とマヨネーズを結合させたのではないか?

〇自分の住んでいる国では血液型を知らない人が多い。日本人は血液型で占ったり相性を気にする人がいる事を話すとびっくりされた。国によって違う。

自分が、相性が良いと思っていても相手はそう思っていない事、また、逆もあるなど、相性って独りよがりなところもあるのでは。

〇何で血液型にこだわるのだろう。相性がいいって気になるのは安心したいからでは。迷い・不安があるから血液型の相性にこだわるのではないか。安心は快感覚。相性は快・不快が大元では。

〇他人から見た感じと、本人達とのズレは面白い。

ドラマ「相棒」の2人は凄い成果をあげていて、周りから「相性がいい」と思われているだろうが、本人達はそう思っているのだろうか?

〇外国の田舎町で道を訊かれ、そこから約30年仲が良い人がいる。血液型や星座をみなくても、相性がいいのかなぁと思う。

例えば部品同士、何も問題がないのにどうしても合わない時に相性が悪いという。理屈で説明できないものもあるのでは。

〇良いとか悪いとか誰が決めるのか?相性は変化するもの。嘘も方便みたいな形で便利に使っているのだろうか。グラデーションが有り、幅もがある。

〇「○○出身です」に近いのかなと思う。きっかけ。コミュニケーションの入口でのツールにして、相手を理解しようとしているのでは。それだけ気が合うかどうかは難しい事なのだと思う。

〇ざっくりいうと肌感覚かと思う。複数の子どもがいる親から「自分が生んだ子どもでも合う・合わないがある」と聞く。また、相性が良くても依存し合うのは健康的ではない。相性とストレスは関係あるのではと思った。

〇「相性が悪い人とは、良くなるように努力した方が良いのだろうか?」という問いが出てきた。

無理に良くしようとするのはストレス。距離を取る方が単純でストレスがない。

〇人間は、生きる為を第一に考えている。肌感覚で無意識に判断しているのかと思う。

自分にとって、第一印象が良い人は悪くなる事が多く、悪い人は良くなる事が多い。最初から相手の第一印象を悪く持っておけば段々良くなる。無理やり、相性を良くしようとする努力はストレスだと思う。

〇肌感覚…が1番近いように思う。直観。非言語の原始感覚のような気がする。

〇動物同士のような本能的な肌感覚、命の本質の本能的な所、源。

生命維持にも、相性が関係あると感じている。

〇嫌な人と会った時に発せられる、自分の言葉や身体の感覚が「相性が悪い感覚」。

「この人と合う」と思った時の、身体の感覚が「相性が良い感覚」。それを思い出してみるとわかるのはないか。

〇肌感覚。安心感。相性はどこからくるのか?動物としてのDNAや、生きてきた体験がプラスされ、判断材料になる。過去の経験、生きた歴史。

〇直観、理性的など色々ある。心の中や成長の中にある。水と油みたいなものがあり、その中に石鹸みたいなものが浄化作用として有り溶かしてくれる。

◉最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇やっぱり「相性」って何かよくわからない。ただ、生命維持や危機回避につながりそうだと感じました。

〇化粧品:肌に合うかどうか♪

人生:自分に本当に合う相性探し♪

お見合いだと相手の地位財で探し易い。。。

家柄などに頼ることは今でもある?

〇今日の画面共有大変見やすくいい感じです☺️

〇本当に奥深いテーマで、相性って何だろう?というところが漠然としていますが、やっぱり感覚的なものなのかなとおもいます。

〇相手あってのこと

〇「相性が良い」行きつく先は?腐れ縁かもしれない。。。

〇みなさんのお話を伺っていてそうそうと思うことばかりでした。今までそんなに深く考えなかった言葉ですがこれから追及していこうかな

〇自分の生存にとって有効な人が相性の良い人?

人間って利己的な存在なんですね・・・

〇相性は生きるために肌で感じ取るもの

〇赤ちゃんや動物が集まってくる人は何か発しているのかも

〇・左脳的相性=地位財的欲。頭が詰まる。思考的快

・右脳的相性=心が開く。深呼吸したくなる。開放的自由。言葉を越えた

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

「相性」…肌感覚・直観・安心という言葉が何度か聞かれました。

そして、「相性が良い本人同士はわかっていないし、気にしていない」

そんなこと気にならないのが、「相性が良い」という事なのかも。

右脳的・左脳的な相性という視点も気になりました。

婚活の場合、このバランスは人によってかなり異なるように思います。

カニ缶とマヨネーズ、甘塩っぱいキャラメルシーソルト…食の相性ももっと聞いてみたかったです。

我が家の定番「しらすトースト」。

映画「海街diary」を観た後、広瀬すずちゃんが食べていたのを真似してつくってみました。

最初、家族はドン引き(笑)…からの「合う~♪」

見た目と食べた後の、反応のギャップが面白かった!

しらす・オリーブオイル・もみ海苔のマリアージュ最高です。

放課後タイムでは、人生カフェとは相性が良いというお声も。

何か、相性最高のものを見つけたら是非教えてくださいね。

また、お会いできますように。

byたからん

 

 

【第330回記録】人生カフェ・読書会『差別の哲学入門』・「差別の問題とこれからの哲学」・オンライン

第330回目の人生カフェは、令和5年2月25日(土) 14:00~16:30、11名(男性4名・女性7名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)の読書会という形で、差別について考えています。今回はこの本の終章「差別の問題とこれからの哲学」を読んでいることを参加条件にします。そして、今回が最終回ですので、この本全体を振り返って考えてみます。

 

ここはお悩み相談、カウンセリングの場ではありません。ディベートの場でもありません。

安全・安心な場の醸成のため、できるだけカメラオンでご参加をお願いします。

話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

 

(前半)30分くらい

♢この本から学んだこと、よかったことなど、主にこの本の意義について語り合います。

(例)なぜ差別が悪いのかについて、一定程度(理論的な)頭の整理ができた。

話したい人にはチャットにキーワード等を書いてもらった後に、その背景、理由等について1分くらいで話していただきます。

*ぼあーとしていた差別について今までより意識するようになりました。本を読む前より話しづらくなりました。難しいです。

これからこんなことも差別❓なんて出てきて、皆さんいろいろ広くなってくるのでしょうが、どんな先でも差別はなくならないと思いますが、いかがでしょうかね。

*区別と差別の違いを追求するのが興味深かった。

*1 差別と正しく向き合う道しるべ

2 デ-タ-を読み解く手がかり

3 優しさ、思いやりというワ-ドに帰着しない潔さ

*差別のことについて、相コミュニケーションの場としての話し合いは初めてです。相手をよく知ることが大切だと思います。相手の行動・振る舞い・発言の意図をしっかり分析して対応すべきでしょう。

*自覚無しの差別に気付かされました。

この本をきっかけに自己について考えました。

*思い込み、枠、常識と思っていることを疑ってみる

●「沈黙化」の暴力性が浮き彫りになった。

 

(後半)1時間くらい

♢この本に対する疑問、反論など、主にこの本について批判的に語り合います。

(例)なぜ差別が生じるのかについて(差別の原因)の考察が弱いので、しっくりと腑に落ちないところがある。

話したい人にはチャットにキーワード等を書いてもらった後に、その背景、理由等について1分くらいで話していただきます。

*「車椅子の人を目の前にして、歩行している人と同様に見ることは難しい」

*人間の煩悩の部分に触れる部分でなんともしようのないことととらえて、それを踏まえて社会の中で生きていくしかないと思ってます。

*1 差別を考えるとき直観、歴史的重要性が大きい意味を持つのなら哲学は必要なのか

2 接触理論が唐突

3 人権とは何か が最初にない

*障害者差別法 ヘイトスピーチ差別法 部落差別解消推進法

*差別の原因がどこにでも転がっている?!

*この本の論証の問題点

循環論法となっている

差別の定義をするとき 差別とは何かを定義するときに

(1)直観で定義していること

根拠づけられない

(2)差別の事例を出して説明する

差別する側、差別される側を固定化する恐れがある

 

「歴史」による限り、解決法がない

哲学を権威づけてから 権威による論証をしている

社会心理学、社会学を貶める

 

●違いがあるからこそ価値があるということを出発点にして、論を組み立てていけないか。

●直観と論理、どちらも自由に出し合って、話ができるのが哲学対話のよいところである。

●哲学対話の運営においては、安全・安心の問題、傷つき・傷つけられの問題との関連で、この差別の問題がしばしば取り上げられる。

●哲学対話のテーマ・問いとして、差別のような社会的な問題は取り上げにくい面はある。

●若い世代の方が公平感を持ち、優しくなっているか?

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○差別をなくすにはどうしたらいいか?接触理論だけでは物足りない。

場合によってはよいとなる差別はあるのだろうか?

○差別の現場に居合わせた時、傍観していることは差別する側に加担することになるのか?

○日本特有の惻隠の情も直観。ほどよい直観と人権意識のバランス

差別 さべつ ではなく しゃべつ という仏教の考えもある

○「なぜ差別は起こるのか」

○差別をするのは悪いことと大部分の大人は理解していると思う。

○中学生の時、「直感で」あまり好きでない先生がいましたが・・・よく考えると差別する先生でした><人間のさが

○差別の問題に各個人の偏見みたいなものが含まれていると思います。差別ない社会を築くにはまだまだ日本社会が未成熟といえます。一人一人楽しく明るい社会になることを望みます。これは個人では達成できません。

○差別とコミュニケーション

○差別意識。

若い世代は、ルッキズムとか親ガチャといった言葉に代表されるような、親世代とはまた違う閉塞感の差別があるような気がします。

                                              (記録:本間正己)

 

 

 【第329回記録】人生カフェ・オフライン・テーマ「好き」

第329回目の人生カフェは、令和5年2月23日(日)午後2時~4時30分、新宿区榎町地域センターにおいて、9名(男性4名・女性5名)の参加者のもと実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

 

〇テーマ

今回のテーマは「好き」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

 

哲学対話を重ねていると、様々なところで「好き」という言葉がキーワードとして出てきます。「好きなことがたくさんあってハッピー」「好きを大事にして自分らしく生きたい」…などなど。

そうした言葉を耳にしているうちに、「好き」に対する疑問がわいてきました。「好き」は、幸せや自分らしさにつながっているのでしょうか?もしかしたら、「好き」は自分を作る構成要素になっているのかも?

「プリン」が好きなのと、「歌う」のが好き、「あの人」が好きは同じ?あなたが持つ「好き」と私が持つ「好き」は違う気持ちなのでしょうか。考え出すと、不思議な気がしてきます。

普段当たり前に抱いている「好き」について、皆さまと改めて考えてみたいと思います。

 

 

〇導入のプログラム

まずは、導入のプログラムとして、自己紹介とともに、今自分が好きだと思っているものやことについて、話してもらった。

(例)…様々なミュージシャンのコンサートに行くのにハマっています。生演奏ならではの迫力や一体感、魂が揺さぶられるような感動がたまりません。

 

・料理をつくること。手紙を書くこと。

・初めての哲学カフェ。考えることって大切。好きなのは、スポーツ観戦、神社巡り。

・映画を観ること (ドラマ)。散歩。

・映画を観ること、劇を観ること。

・ラーメン、映画、哲学対話が好きな人。

・好きなこと…読書。好きな作家…桐野夏生、三島由紀夫。

・すしざんまい、読書会・哲学カフェ に行くこと。

・ブルース・リーの格言。

 

 

〇問い出しと問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。出された問いは次の通り。

 

1)好きの反対は何か?

2)好きと嫌い何がちがうのか?

3)好き↔嫌い(どうでもいい)←このとき心の中で何が起きているのか?

4)好きな気持ちはどうやって起こるのか?

5)「好き」って範囲が広すぎる。でも考えるとドキドキワクワクするのってなんで?

6)「無条件に好き」ってありえるのか?

7)世界中の全員が好きだと思えるものやことってあるのだろうか?

8)好きと愛はどう違うのか?

9)好きとリスペクトはどう違うのか?

10)好きになるのはその人の魅力かな。永遠の女性像とは。女の可愛らしさとは?

 

この中から話し合いで入口の問いを選び、後半の対話の問いは、1)「好きの反対は何か?」を中心として、1)~7)の主に「好きのメカニズム」に関連するグループを話していくこととし、時間が許す限り8)9)や、10)にも絡めて話していくこととした。

 

 

〇対話

その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

・好きの反対は何だろう?通常は「嫌い」だが、「無気力」や「無関心」もあるのではないか。

・好きには快不快、心地よさが関わるのではないか。

・好きを意識的に作ることはできるのか?

・好きはある程度意識的に作れる、コントロールできるのではないか。環境やメディアに刷り込まれた好きもある、特定の相手との接点を多くすると好感度が上がるなど。

・自然発生的な好きと、人工的な好き・思わされている好きの違いは、後者は他の人と好きが一緒だと安心するのではないか。その社会で異分子ではないことを示し、波風を立てない。

・仮想敵を作ると結束力が高まる。全体主義は好き・嫌いを国家が作り出している。

・ある特定の相手と接触しすぎると嫌いになる場合もあるのでは。

・接触し続けた相手への想いは「好き」から「愛」に変わることもある。

・「好き」と「愛」の違いは対象や価値への情熱の違いではないか。

・「好き」が「愛」に変わるのは、対象が持つ嫌な部分も全て受け入れる感情や関係では。

・人工的、作為的に作った好きは、感情ではなく思考の産物ではないか。好きが快不快の状態をあらわすなら、快不快の感じ方もトレーニングでコントロールできるのでは。

・快不快は脳による反射的な反応であり、原始的な感覚だと思う。鍛えられるのだろうか。

・好き・嫌いは表裏一体で感情の豊かさを表すと思う。好きの反対は無気力・無関心であり、感情がない状態。「考えるな、感じろ」の言葉通り、感情を出していった方がいいのでは。

・嫌な人に接するときに「嫌い」の感情を出していいものなのか?

・「嫌い」の感情はマイナスでネガティブな感情とされるが、あってもいいのか?

・好きも嫌いも自然な感情であり、感情がなくなる方が怖い。

・嫌いを感じてもいい。「自分は今、嫌いだと思っているんだ」と受け止める。危機管理能力にもつながる。

・相手への好きや嫌いに捉われるのは執着だと思う。会えば会うほど好きになる・嫌いになることもあり、距離が近くなるほど感情が増幅する。ちょうどいい距離が大事。

・感情が強すぎると好きも嫌いも功罪が出る。好きが高まると独占欲や嫉妬に、嫌いが高まると憎む・恨むにつながる。

・好きが安心感や快にまつわるなら、恐怖と両立する好きはあるのか(お化け屋敷?)。

・100%好きや100%嫌いはあるのだろうか?どんな相手にも長所・短所がある。好き・嫌いの気持ちはグラデーションなのではないか。

・生理的に嫌いというのもあるのでは。身体感覚として受け付けない気持ち。

 

 

〇振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

 

・嫌いとは何か。

・好き嫌いは自分の心のリトマス試験紙だ!誰かを好きでい続けるには、距離が必要!と学ばせていただきました。 ありがとうございました!

・最後に嫌いの話になってしまい申し訳ない気持ちです。嫌いについて考える…ネガティブな自分が出てくる。好きについて考える…ポジティブな自分になる。やはり後者を増やしたいと思う。

・好きなこと、心から楽しんでいる時間が1つでもあればhappyな人生なんだと思う。

・嫌いの感情、気持ちはもっと掘り下げられる。

・LOVE LIKE

重 軽

深 浅

全体 部分

長期 短期

LOVEは重い、LIKEがいい!?

・人をリスペクトするとは?

・嫌いの気持ち、どこかにあるのか?ちょっと探してみたくなりました。

・好き→快、感情、思考。

無関心、嫌い。リスペクト、乗り越える楽しみ。

・好きとか嫌いとかをのりこえて愛は寛容 である(人を受け入れる 、人を許す)。

 

 

◯後記

「好き」から入って「嫌い」に展開していったのが新鮮で、面白い対話となりました。ご参加ありがとうございました!また、今回、新たな試みとして振り返りアンケートを実施しました。お忙しい中ご協力くださった皆様、重ねて感謝申し上げます。

(記録:羽田美里)

 

【第328回記録】人生カフェ・【男性限定】オンライン・テーマ「男らしさ」

第328回目の人生カフェは、令和5年2月19日(日)午後2時~4時30分、男性8名で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

今回は進行役・本間が初めて参加者・男性限定版で開催するものであった。そのためかどうか(?)、進行役・本間がZOOMのURLを間違えてしまい、開催当初時に混乱をきたし、参加者にはご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ございませんでした。🙇 

(参加者へのお願い)

※安全・安心な場の醸成のため、できるだけカメラオンでご参加をお願いします。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します。(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

◯テーマ「男らしさ」

私にとって男らしさとは何だろう?

現代の日本社会においては男らしさはどのように捉えられているだろうか?

これから男らしさはどのように変化していくだろうか?

ご一緒にいろいろ考えてみましょう!

 

まずは、導入のプログラムである。

自己紹介とともに、あなたが男らしいと思うこと(キーワード)を3個以内で挙げてください。

(例)力強さ   瞬発力   経済力  

チャットに書いてくださった後、1~2分で話していただきます。

*一般論:・肉食力 ・女性に奢る力  ・危機的状況でキャーと叫ばない危機回避力

個人的見解:・ガンダム力( 鉄腕アトム力 )

*男らしさは死語になったと思います。

*誠実

*決断力 行動力 潔癖さ

*ルールを守る  変わり身が早い  邪魔な存在

*包容力

*突き刺して為す同一性(⇔飲み込んで為す同一性) 中心への収斂 必然性

 

問い出しです。

参加者の皆さまは、自らの問いをひとつ考えておいてください。

(例)…今、男らしさは求められているか?

その問いの背景、理由等について1~2分で話していただきます。

○ 男に男らしくない「優しさ」を求めるのは何故か?

○ 今求められているのは人間らしさではないのでしょうか?

○ 最近、男は社会でおとなしくなったのはなぜだろうか?

○ ジェンダー(社会性)、SEX(身体性)以外にも性差を考えるステージがあるのではないか?(性差はなくならずむしろ強調されるのではないか?)

○ 共働き、家事分担があたりまえになったので「男らしさ」の必要性が薄れたのではないか?

○ 男らしさは、気配りの社会では「どんかんさ」になってしまうのか?

○ 今の男らしいて、どんな人?

○ なぜ異性を求めるのだろうか?

○ これからの「男らしさ」とは?(これから作った方が良い男らしさは?)

 

問い決めです。

参加者の投票により、

「今の男らしいて、どんな人?」

が後半の対話の問いに決まった。

ちなみに、2番目に投票数が多かったのは、「これからの「男らしさ」とは?」であった。

 

休憩後、対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●現代の有名人で男らしい男とは誰だ?

●ひろゆき~合法的にうまくすり抜けながら、合理的に現代を生きていく。

朝倉未来(男性プロ総合格闘家)

●トランプ、プーチン、習近平、金正恩……彼らを男らしいと言えるのか? 独裁的だと言えるだけではないか?

●昭和の時代ならまだしも(高倉健、三船敏郎などを思い浮かべられるが)、令和の現代の日本では男らしい男を象徴する人物を挙げにくい。

●共感と寛容:男性は女性と比べて共感力が乏しいとよく言われるが、寛容の精神は男性として発揮できるはずである。

●「女々しい男」、「女の腐ったような男」…男性に対しても、女性に対しても酷い言葉使いだ。

●男らしい、女らしい、長男らしい、親父らしい、家長らしい…「らしい」という言葉で一括りにすることによって、上の者からすると、うまく回しやすい、簡単に管理しやすくなっている。

●現代、男性は加害者(#me too運動など)でもあり、被害者(無闇におじさんは嫌われるなど)でもある。

●表現する⇔感じる、話す⇔聞く、見る⇔見られる、能動的⇔受動的……身体的(セクシャル的)、社会的(ジェンダー的)な性差の問題ではなく、状況的、機能的な性差というものがあり、これらは残るのではないか。

●それは、例えば対話の場面で、身体的に男性でも女性的な聞く、共感する、受け手に回るなどの言動を行う人がおり、このような状況にあった機能が発揮されないと対話が成り立たなくなるといったことに現れている。

●ただし、これらを男性的⇔女性的と2項対立的に分析していくことに意義があるかどうかは疑問が残る。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○「男らしさ」は時代性が求めたものであったり、自分を鼓舞するための「モチーフ」として必要だったのかもしれない。

○残された人生を男らしく生きる為にはどうすればいいのか考えています。

○男らしいて何だろう…。・?・?

○性を考えるステージを①ジェンダー②SEX③メタフィジカの3つをこれまで考えていましたが、④状況的性差と言うカテゴリーが今日明確になったので、私に取っての新しい付きになりました。ありがとうございます。

○おじさんはなぜ嫌われるのか? 「男と涙」 

まだ考えたいことはあります。 皆さんからの問い・テーマを募集しています。

○男性らしさが死語になりつつあるので、この場で話しても大勢が「うん、これは男性らしいね!」の答えが出なかったのかなぁと思いました。ただ、時代で求められるものは循環するので、そのうち動物的な雄々しさがまた再び求められる時代がくる?

○男らしさについて抽象論に終わってしまったかも。結論は出ませんが今後このような疑問がどこかで起きたときの参考にしたいです。

○男性性・女性性の現象:・・らしくの意識的(頭脳的)な性別性のことよりも、現象が何か偏り過ぎ。。。

 

 (記録:本間正己)

 

【第327回記録】人生カフェ・年間テーマ「幸せ」・2月テーマ「自由と幸せ」・オンライン

第327回目の人生カフェは、令和5年2月16日(木)午前 10時~12時30分、16名(男性8名・女性8名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

今年の1年間は随時、「幸せ」について考えています。

人生カフェの原点は、中高年を対象にして、幸せ(幸福)について考える哲学対話の会というものでした(もちろん若い人も歓迎していました)。

これから約1年間、原点に戻り、参加者・主催者がお互いに問いを出し合ったり、時には本などを手掛かりにしたりして、幸せについて考えていきます。

幸せは他人から押し付けられるものではありません。自らが感じ、考え、行動するものです。それゆえに、哲学対話は幸せを考えるにあたって、有効な手段のひとつになるでしょう。

若干不規則ですが、毎月、第二または第三または第四の木曜日のいずれかの午前中に開催する予定にしています。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。他の人へのアドバイスをする場でもありません。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

*対話の内容やチャットに書いてくださったものは、ご本人が特定されない形で、後日、記録として公表します(記録に残したくない内容は、その旨お知らせください)。

 

2月のテーマ:自由と幸せ

あまりにも制約が大きくて、自由が少ない場合は幸せになれない気がします。

そのような国に生まれたら、不幸せのように想像します。

ですから、自由と幸せは大いに関係がありそうです。

一方で、自由があり過ぎると、選択に迷って、不安も高まるというようなことも起こりそうです。

このあたりを一緒に考えていきましょう。

 

まずは、導入のプログラムである。

自分の自由が制約されていると思った体験

(例)仕事や家事・育児に追われて、自分のための時間が取れない時

(話をしたい人(10人くらい)のみ、チャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

*地元集中運動

*2拠点生活で、家族との関係から自由に活動できない。

*自分の考え方に縛られる。例えば、「人に迷惑をかけてはいけない」と思うため、人に迷惑をかけたかなと自分が感じてしまうと自分の行動に対して後悔の念に苛まれる。

*無気力な時

*人間関係

*いまだに路上喫煙者がいて、急にタバコを嗅がされた。遠回りしなければいけなかった。

*就職・マラソン・ディズニーランド・初詣:自ら他人のルールの中へ。

*仕事:(24時間365日会社からの電話)

*思い込みによって 自由が制限された。

*女らしくとの言葉に縛られる。

*他人の介入

*みんなマスク、みんな納税、みんな同日に衣替え

 

問い出しです。

参加者には、自らの問いを出してもらいます。

(例)自由でないと幸せになれないか?

(話をしたい人(10人くらい)のみ、問いをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

○幸せになるために必要な不自由さとは何か?

○自由であることが幸福の邪魔をすることがあるか?

○自由でいる幸せは孤独も引き受けることではないか?

○どんな自由なら、自分が一番活かされるか?(自分が一番活かされる状態は、どんな自由か?)

○メディア(世論)の発信をうのみにしてしまう事が幸福の邪魔をしているのでは?

○自由と幸せは思考の影響か?

○幸せと自由との関係は?

○自由→幸福と思うときは?

○制約があった方が幸せになるという考えは本当か?

○自由を得る為に不自由さを受け入れる事も幸せなのだろうか?

 

問い決めです。

今回は進行役(ファシリテーター)が、後半の対話の問いを二つ決めさせていただきます。

①幸せになるために必要な不自由さとは何か?

②どんな自由なら、自分が一番活かされるか?

 

休憩後、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●不自由 =縛られている状態(マイナスなイメージ)

不自由=「私」の意志のみでそれとの関係を切ることができない状態(ニュートラルな捉え方)

●人は遺伝、性格、知識、経験などで既に拘束・制約されていて、不自由な存在である。

●結婚はあえて不自由を選んで幸せをつかもうとしている?

●一人旅は自由であるに対して、ツアー旅行は不自由な面があるが、安心であり、楽しみを味わえる。

●自由は退屈な面もある。

●自由とは選択できるということであり、そこに責任も伴う。

不自由 = 選択しなくて済む、それを幸せに感じる人もいる。

●失敗できるという幸せ

●道を間違えて、ぎゃははと笑ったり新しい道の冒険を楽しめる相手との旅行がいい。

・決められた道を行く幸せ

・道を間違える幸せ

・自分で道を創る幸せ

●若い人の方が自由を希求している。高齢者は与えられた自由を味わっている。

●自分が不自由なら、人が自由? 自分が不合格なら、人が合格?

●幸せ:状況をどう感じるか(主観)

ブラック企業でも幸せ / ホワイト企業でも不幸せ  ?

中卒でも幸せ / 東大大学院卒でも不幸せ   ?

幸せはすべて主観的なものか? 客観的要素はないのか?

●孤独 = 自由 =幸せ ??

●他人承認、自己承認の問題と自由の関係

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○自由と孤独

義務、責任は必ずしも不自由、不幸ではないだろう。

○篠田桃紅さんの100歳人生は素晴らしいです。墨書から抽象画作品に到達した彼女の制作意欲や作品には海外でも知られていますね。

○もともと何でもできる存在だった~100%自分の人生に責任をもてる

○自分で失敗出来るうちは倖せ♪

人にトレードを教える♪ < 自分でトレードする♪

○自由に自分の好きなことができるのは一人でも平気だけど、つい、その喜びを他人と分かち合いたいと思ってしまいます。

○大きな目的の為、目の前の不自由を選択した時にワクワクする怖さを感じる。

そのワクワクしながらチャレンジしている自分は、自分を活かしている時だと感じる。

それは自分が活かされているとは違う?

自分が活かされていると活かしている…の違いも自由や幸せと関係ある?

○選択する自由→失敗→引き受けられる失敗だったときに、新しく失敗できた幸せを感じる。

○自分にとって自由は一番大切にしたいこと 自由であるかどうかを決めるのも自分の自由 幸せも同じ 篠田桃紅さんの著書 読んでみようと思いました。

○「幸せとはそもそも何か」

・楽しい、うれしいとのちがいは?

・どの時点で判断するかによって変わってくる?

・幸せの質と量とは?

・幸せだと感じられるかどうかという個人の能力の問題?

○諸事情で、長時間家を留守にできないという時間的拘束の不自由はありますが、かといって不幸だとは思いません。量は、減ってきていますが、こんなものかしらと思います。ここにこうして参加していること自体自由で幸せです。

○幸せも自由も感じるもの 湧いてくるもの 幸せ不幸せは本人しかわからない 自由不自由も本人しかわからない 他人は想像するに過ぎない 議論は難しい  

○他と比べないこと

○自由と幸福は、難しいですね。最適解が人によって違うので、他人が幸せになれる方法が、自分が幸せになれる方法とは限らない。自分の最適解をトライエラーで探すしかないと思いました。例えば海外移住とかすると考え方が変わって追いかけていた幸せの最適解が変わってしまうと思うし、トライエラーは永遠に続くのかもと思いました。

 

 (記録:本間正己)

 

 【第326回記録】「お金で買えないものって何ですか?」(オフライン・リアル)

326回目の人生カフェは、令和5年2月11日(土)午後2時~4時30分、10名で、榎木町地域センターにてオフライン・リアルで実施された。(進行役:高橋あずさ)

 

この日のテーマは「お金で買えないものって何ですか?」であった。

 

各自に自由に問いを出してもらった。出されたものは以下の通りである。

○幸せはお金で買えるか?

○お金で買えないものはどうやったら得られますか?

○愛はお金で買えるのか?

○すごーい大金を払ってでも手に入れたいものってあるのだろうか?(何だろうか?)

○お金で買えないものの中で一番に大切なものは何か?

○お金で買えないものに共通していることは何か?

○お金で買ったものは、売った人の気持ち(立場)を無視して自由にして良いのか?

○高いものが良いもの?

○お金のよりよい・正しい使い方とは?

 

その後全ての問いの中から、本日の問いを2つ選んだ。

選ばれた問い⇒お金で買えないものはどうやったら得られますか? 愛はお金で買えるのか?

 

その後、問いに触れながら対話を行った。

 

お金で買えないものはどうやったら得られますか? 

●お金で買えないもの

・相手がいる(他力)…信頼・愛情・思いやり・無償の愛など

・市場に出ていないもの…絶版になった本・愛妻が淹れたコーヒーなど

・過去に戻るもの…生まれ育ち・遺伝子・亡くなった人など

・自然発生的…空気・(健康?)・空間・時間など

・自力で手に入れるもの…努力・思いやり・コミュニケーション・関係性など

・交換にそぐわないもの

 

幸せはお金で買えるか?

●お金で幸せを作ることはできるのではないか?

●幸せのために一定のお金は必要(生活に必要な金額)←果たしてそうだろうか?

●お金が無くても、やりくりや分相応の使い方で感じる幸せもある

●衣食住に必要なお金(お金で効率よく衣食住をまかなう)+αのお金

●お金で買えないものの方が価値が高いか?

●お金に対しての考え方や使い方も関係しているのではないか?

●住んでる場所(都市・地方)でも違う

●他人からは不幸せに見えても本人は幸せかもしれない。主観的な幸せ・客観的な幸せ

●お金だけでは幸せにはなれない。

●お金持ちでも幸せではない人もいる。

●幸せとは?…自由・選択が出来ること

 

最後に対話を通しての自分なりの感想を述べてもらった。

 

〇・心の中では「お金」が無くて生活していければ良いなと思う。お金に縛られない。

 ・お金は「媒体」なので、「お金」の使い方は重要。

〇問いそのものを考えることができました。

〇①勉強して考える

 ②心理カウンセラーラッキーを見る

 最初の決め方が良かったなぁ。

〇お金を使いスキルをどう磨く?稼ぐことも、使うことも楽しい!

〇「お金」と「幸せ」について考えさせられた。

〇子ども達の「考える力」や「自由」がお金(経済力)で変えないものだとしたらつらい。

 「考える力」や「自由」を持っていない場合、お金で買えるのだろうか?(活き金・死に金)

〇今日のテーマが壮大というかとても大きいものだったなと感じました。時間があっという間でした。ありがとうございました。

〇自由にお金を使える幸せ おサイフのヒモ

 他人のためにお金を使える幸せ 効率的利他主義

〇つつましい幸せな生活…憧れる。足るを知ること。

 でも毎年二千万円振り込まれる生活にも憧れる。つつましい生活の方が幸せだと分かっているのに…

 なぜもっとお金が欲しいと思ってしまうのか?資本主義について考えてみたい。

(記録者:高橋あずさ)

 

 【第325回記録】人生カフェ・【夜開催】テーマ「きゅん♡」・オンライン

 

第325回目の人生カフェは、2023年2月9日(木)20時~22分、10名(参加者8名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

 

PRの際の案内文は以下のようなものである。

 

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最近、「きゅん♡」しましたか?

バレンタインデーも近いこの日、哲学対話で「きゅん♡」しませんか?

 

Y.M.O.「君に、胸キュン。」のヒットや、山下久美子が胸キュン娘と言われた頃から約40年。

2020年、TikTokで「きゅん」ブームが起きました。

指ハートの「きゅんです」ポーズや、ひらめの弾き語り「ポケットからきゅんです!」が大流行。

今回のテーマは令和風に、ひらがなの「きゅん」にしました。

「きゅん」は誰に?何に?

恋心(現在過去問わず)はもちろん、思い出の香り、音楽、声、しぐさ、ペット、推し…

「ポケットからきゅん」があるなら、色んな「きゅん」があるかも…と、敢えてテーマに「胸」をつけていません。

「きゅん」は、どんな時にどこからうまれ…消えるのか?渡すのか?大事にしまうのか?勝手に残るのか?

探求しながら、お互いの「きゅん♡」を楽しみませんか?

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◉自己紹介タイム

音声確認も兼ね、アイスブレイク的な短い自己紹介の時間をもった。

今日呼ばれたい名前と今の気持ちや体調についてひと言ずつ述べてもらった。

 

◉次に、テーマについてフリートークの時間をもった。

哲学対話のルールに縛られず、雑談的に思いつくまま話してもらった。

 

〇動物が好きで動物園通いにハマっていた時期があった。動物をただ見ているだけで、わくわくきゅんきゅんしていた。

〇最初は音楽が好きと思っていたミュージシャン。段々と容姿もいいなぁ~とアイドルを好きになるような気持ちになった。ちょっと恥ずかしいような感じもある。

〇本を読んで「きゅん」を感じた。

アウシュヴィッツについての内容のもの。今まで本を読んで感動する事はあっても、心臓が「きゅん」となったのは初めて。こういうのも「きゅん」なのだろうか。

〇「きゅん」は恋のイメージ。瀬戸内寂聴さんは「ドッカーン」と雷に打たれたような…と表現した。恋も色々あるなぁと思う。

〇歩きながらヘッドホンでよく聴くのが、石原裕次郎の曲。聴くとせつなくなる。コレが「きゅん」?

〇坂本龍馬は、日本の洗濯に「きゅん」とした?

〇「きゅん」って好きって事?好きにまつわる感情の揺れ?

〇「きゅん」には、マイナスなもの・ネガティブものもあるのだろうか?

〇「きゅん」は、メイドカフェの「萌え萌えきゅん」みたいな楽しいイメージ。

ネガティブなものは「きゅん」ではないと思いたい。

〇少女漫画に「きゅん」とするが少年漫画にはしない。

能動的に「きゅん」したい時は、ペット動画を見ている。

〇「きゅん」した人の話を聞くだけで「きゅん」する。「きゅん」は伝染する。

少女漫画で「きゅん」ていうのは、暴力性がないから?

保存もきいて時々思い出せたり、感染力もある美味しいものではないか。

同じ場所・同じ場面でも、違う事で「きゅん」している場合もあるかもしれない。

〇心臓がキュッとなっても、身体的に危険性がない安心なのが「きゅん」

〇身体的には、心臓が一瞬縮まった後に血液がわーっと流れる感じ。

中学生の頃、同級生に「きゅん」した思い出がある。

 

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

 

(例)…「きゅん」のツボに気づくと、能動的に「きゅん」する事が可能となるのか?

 

〇今後、何にキュンしたいか?

〇キュンは受動的なものか?

〇きゅんは恋心か?

〇歳を重ねるときゅんを感じにくくなるのは何故なのか?

〇(「きゅん♡」のある毎日と、「きゅん♡」のない毎日の違いは?)

「きゅん♡」の効用ってなんでしょう?

〇「きゅん」は必要なもの?

〇「きゅん」はそれ以上を期待するものなのか?(あるいは、そこで終わるのは無意味なのか?)

〇生産性のないところに「きゅん」が生じやすいのでは?

〇悲しさ苦しさにキュンとなることはないのか?

 

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇「きゅん♡」の効用ってなんでしょう?

 

◉その後、約45分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

 

〇きゅんは、ライトでありPOP感がある。

〇効用としては、心も身体も高揚感があり元気になれる。

〇キュンはキュンのままに成り易く、アクションをしないから、悶々化しにくいのかも。

〇きゅんの良さは、生産性のないところ。

 

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

 

★後記★

今回、参加動機やご自身が思う「きゅん」を、先ずは自由に雑談的に語っていただきました。

開催前、「熱くきゅんを語りたい」「きゅんって何?よくわからない」

両方の意見が聞かれ、すり合わせの意味での試みでした。

これがとても楽しかった!

ご参加くださった皆さん、体験からのエピソードや疑問を語っていただきありがとうございました。

様々な視点での「きゅん」は、その後、興味深い沢山の問いが出された事に繋がったと感じています。

投票で決まった「きゅんの効用」という視点、その後も色々考えています。

対話中に出たように「元気になれる」としたら。

歳を重ねる毎に「きゅん」の機会を増やす事ができれば、健康寿命も延びる…かも?

「きゅん」キャッチのアンテナを、広く高く上げることは、♡の筋トレやストレッチみたいな感じ?

効用がなくても楽しい「きゅん」が、より楽しくなりました。

私、実は、開催日翌日から10日ほど旅に出ていました(その為、記録送付が遅くなりすみません)

旅先では、沢山の「きゅん」体験。対象は、性別年齢関係なく素敵な方々・空・景色・絵画・飛行機・食事・場・動物…きりがありません。

そして、帰宅してみると。

出発前に固いつぼみだった水耕栽培のヒヤシンスがちょうど満開のタイミング。

その誇らしそうな姿と高い香りの「お帰りなさい」に、思わず「きゅん」。

これからも、積極的に「きゅん」を楽しみたいと思います。

また、機会があれば、皆さんの「きゅん♡」を是非聞かせてくださいね。

フリートークで出てきた「きゅん♡」の感染力を信じ、浴び続けていきたいです。

 

byたからん

 

 【第324回記録】人生カフェ・女性編・問い 「美人にうまれると得なのか?」オンライン

 

 第324回目の人生カフェは、2023年2月9日(木)am10時~12時、10名(参加者9名、進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(進行役:たからん)

 

 PRの際の案内文は以下のようなものである。

 

*************

 昨年末に開催した「参加者で問いを決める」の中で、希望が多かった問いの1つを取り上げます。

 

「美人にうまれると得なのか?」

「得してきました」という自己開示、目撃情報や体験に沿ったエピソードなど大歓迎です。

 色々出し合いながら、この問いについて考えてみたいと思います。

そして、

 「美人って誰が決めるの?」「そもそも得ってナニ?」「うまれつき美人は生涯美人?」などの問いにも繋がりそうです。

また、「(子どもが)美人に産まれると(産んだ親は)得なのか?」といった親側からの視点も気になります。

 

 得かそうじゃないか、それはどうしてか…など一緒に考えてみませんか?

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◉自己紹介タイム

自己紹介とともに「あなたが『美人』と思う有名人」を1~3名あげてください。(敬称略)

 (例)…浜辺美波、横浜流星、漫画「ベルサイユのばら」のオスカル

 

〇綾瀬はるか、天海祐希、大地真央

〇北川景子、宮沢りえ、香川京子

〇夏目雅子、小沢真珠、新垣結衣

〇友人のY子さん、映画「ベニスに死す」でタジオ演じた人、ドキンちゃん

〇宮沢りえ、吉高由里子、広瀬アリス

〇宮沢りえ 藤原紀香 沢口靖子

〇高橋メアリージュンさん、石田ゆり子さん

 

 ◉次に、「美人」についてフリートークの時間をもった。

哲学対話のルールに縛られず、雑談的に思いつくまま話してもらった。

〇美人と思う人で、宮沢りえさんを挙げている人が多かった。

挙げた人から、宮沢りえさんの事をもっと語って欲しい。

⇒宮沢りえさんについて

・写真集「サンタフェ」の新聞広告はびっくりした。

・昔も今も美しい。ダイヤモンドは永遠…というような美しさ。幸せになって良かった。

・透明感。つらい事を経た後の美しさ。声、伊右衛門のCMが好き。

・目・ほくろがチャーミング

〇美人のパーツは、黄金比。

〇美人っていう事でいじめられていた後輩が居た。

〇美人であることがマイナスになることもある。性的な対象にみられがち。それでも基本的に得だと思う。

〇今の時点でのアンケート

⇒美人にうまれると、

・めっちゃ得…1人

・そこそこ得…5人

・そうではない&不明…3人

〇普通の人だと期待されないような事で、美人だと「見た目だけ」と非難される事もある。

〇美人には賞味期限がある。美人でなくなる恐怖があるのではないか。

〇働いていた商業施設をやめた後、お客さんが探偵を使い住所を調べて「辞められて残念です」と手紙を送ってきた。きれいだと思われた事で執着されて怖い思いをした。

〇職場で、「取引先の〇〇さんに、君が頼めば聞いてくれるから行ってきて。かわいく頼むんだよ」と言われてすごく嫌だった。

〇人って、「きっとこんなに綺麗だったら人生こうなんじゃないか」と美人に対して勝手に思い込んでいるのでは。

〇世の中の人、特に男性が「顔で評価する」ということを若い頃は知らないでいた。知っていたら在り方が変わったかもしれない。その共通認識に向き合ったうえで、「従わない」という意思を持つのが良いのではと思う。

 

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

 

〇ハンサムな夫と結婚し、そこそこ美人の娘がうまれたが、娘は自分を美人と思っていない。

〇「生まれつき美人」は、性別や人種と同じで、選択しないで持って生まれてきたもの。

生まれつきのものなら、それでベストを尽くすしかない。そう考えると、得なのかわからなくない。

〇得だと思っている。雇用機会が全然違う。

また、身だしなみや清潔感を出せば、誰でもそこそこ上がる。

〇美人の基準。接客業とか女優さんは、一般的な基準ではない。

一般的な美人は、生活の面で小さい得はいっぱいあるのでは。大きい飴玉をもらえるとかお店でサービスしてもらえるとか。

そういう小さな得が沢山あるのは、そこそこ得している個人の問題。大きな得の視点だと、統計学では生涯で3,000万円得と出ている。

〇今までで得と思ったのは2回。

小さい頃と、髪が長かった頃。髪が長い短いで男性の反応が変わった。髪を切るとモテなくなった。

「源氏物語」を読むとルッキズムは千年前からあったんだと思う。

〇ルッキズムは外見だけでその人の全てを決めつけてしまう事が問題。

職場などで、能力ではなく見た目で判断して機会が与えられない場合などがある。

 

**後半**

「うまれつき美人」だけでなく、整形やメイク・髪型を工夫したなどの「後から美人」についても含めて考えた。

 

〇整形した人の話を聞くと、周りの空気が変わってモテるようになった。

その結果、自分に自信が持て人生が変わってきたと聞いた。率直に綺麗なことは得なんだーと感じる。

〇家に工事にきてくれた人が、映画やドラマに出てくるようなイケメンでびっくりした。

その時、仕事ぶりじゃなくルックスに見とれた。見た目がいいと、能力よりも見た目にとらわれる。

〇きれいな人を見てきれいだなぁと思うのは自然な事。

〇きれいな人やハンサムな人見て「素敵だな」と思った後、その人の評価をしなければいけない時に、最初に持った好感が、後の評価にどう影響してるのか、白黒つけられない。

そういう場面で「自分はこの人のかわいさにルッキズムチックになってるのか、正当に評価できているのか」とわからなくなっている。

〇美人は生涯年収3,000万円収入が高い話について。

仕事など、チャンスも可能性が広がっていくから。

優秀な男性も寄ってくる。男性から高価なプレゼントを貰う。ビジネスチャンスも広がる。統計的に出ている。マクロ経済的に見ればそうだが、個人で考えた場合はどうか。

個人がみんなビジネスチャンスを欲しているわけではないのに、そこに結びつけて語るのは男性社会が美人を商品化して、もののように見ているからではないか。

〇若い男性も、基礎化粧品を使うようになっているし、スポーツ選手が眉を整えているのもTVで見かける。最近は男性もきれいにしているのを見ると、やはりきれいだと得かなと思う。

〇美人でモテたとしても、自分が好まないところでモテてもめんどくさいだけ。「美人は得」と思ってる人にはその証拠が見つかる。「美人だね」って言われると中身は見てもらえない気がする。

〇自分の幸せを使いこなすという話が出ていたが、使いこなす前に、まずは持っていないと話にならない。持っている事で「使う」「使わない」を選択ができるのは美人にうまれないとできない。最初にそれを決められる材料があるっていう意味で得なのでは。

〇美人はうまれた時点、スタート時点でアドバンテージがある。

ただ、最近は「美人」という言葉をあまり聞かない。目・肌・髪などパーツで「美しい」という場合が多い気がする。そうすると、芸能人レベルではなくても、それぞれ美しい所があるのかなと思った。

 

◉最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇美人にうまれ、それを活かした、オードリー・ヘプバーン。

人生後半は特に人の為に活かした。素敵な生き方だと思う。

得にするかどうかはその人次第なのかな。

〇風景や絵画の美しさは比較的普遍な基準や感覚があると思うのですが、美人の基準は時代によって変わっているのはなぜかなぁと思いました。

〇素敵な人

〇見かけの美人は心の美人から 魅力的な女(ひと)になろう!どんな人にも「美人」の要素はある 人は何歳からでもきれいになれる 損得勘定しない

〇美人も大変なんだな 大枠得だな

〇美男は得なのか?

〇綺麗なものに心惹かれるのはあたりまえですよね~

だからと言って、綺麗じゃない自分に悩むのは止めときますね。

〇美人、美男と聞くと人の商品化のような気がして、その温度感が気になって緊張します。

 

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

 

★後記★

今回は、内容的に結構「息苦しさ」「話しにくさ」みたいなものがあった気がします。

放課後タイムを入れて3時間。

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

「美人」というワードだけでなく「かわいく在れ」という圧力を感じてきた過去や現在についても語り合いました。

哲学対話として考えを述べ合い、自己開示したり、ルッキズム、ジェンダーの事を語り合えたのも、皆さんによって安心安全な場がつくられていたからだと思います。

「たまにはこんな感じの、話しにくいテーマも有りかな」と色々取り上げたくなりました。

1人で考えるには重いしんどい内容も、お互いの思考や言葉の力を借りて考えてみたいですね。

また、お会いできますように。

byたからん

 

【第323回記録】人生カフェ・読書会『差別の哲学入門』・問い「差別はなぜなくならないのか?」・オンライン

第323回目の人生カフェは、令和5年1月28日(土) 14:00~16:30、9名(男性4名・女性5名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

お互いの心理的安心の為、原則カメラオンでの参加をお願いしています。

ご事情によりカメラをオフにされる場合も、1回は顔出しまたは声出しをお願いします。

『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)の読書会という形にして、差別について考えていきます。今回はこの本の第3章「差別はなぜなくならないのか?」を読んでいることを参加条件にします。

ここはお悩み相談、カウンセリングの場ではありません。他の人へのアドバイスをする場でもありません。ディベートの場でもありません。

話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

 

☆問い出し

全体の問い:差別はなぜなくならないのか?

◎ルール説明

☆問い出し

参加者には、この本を読んでの自らの問いを1~2個発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。小ネタでも、大ネタでも。

(例)悪気がない差別はいいのではないか?

(例)事実だから仕方がないとはなぜ言えないのか?

(例)マイクロアグレッションをなくすことは可能か?

話をしたい人のみ、チャットに書き込んでください。(チャットの内容は後日、匿名の上、記録として公開します。)

*自分の不適切な言動に気づくにはどうしたら良いか?

*どんな差別なら「ステキな差別」になるか?

*どうすれば差別を無くせるか?

*差別には、その差別によって誰かが得をするのではないでしょうか?

*差別の無い世界はどこにあるのか?

*マイクロアグレションはなぜ気づきにくいのか?

*生物的差別とは?

*区別と差別は切り離せられるのか?

☆問い決め

参加者から出された問いから、口火を切ってもらう小ネタ一つ、大ネタ一つ、計2つくらいを今回はファシリテーターが決めさせてもらいます。

① 自分の不適切な言動に気づくにはどうしたら良いか?

② 差別はいつかなくなるのだろうか?

 

休憩後、フリーに対話を行った。(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

① 自分の不適切な言動に気づくにはどうしたら良いか?

●血液型や年齢を聞く人のように、「型にハメ」たがっている人は多い。

●人は他人の言動を意識的にも無意識的にもジャッジ(判断、裁定)してしまっている。

●自分だけでは自分の言動の不適切さを分からないことがある。

●他人から指摘してもらうこと。そして、その指摘を吟味し、正当な指摘であれば受け入れるということが大切である。

●対話を続けていくことによって、適切・不適切の区別が見えてくる。

② 差別はいつかなくなるのだろうか?

●差別される側は少数派?

●差別される側が多数になっていけば、逆差別が起きる? 黒人、ヒスパニック等による白人差別?女性から男性への反撃?

●今までで差別が無くなったのは、何があるのだろ?

●アパルトヘイトの撤廃? 市民革命、四民(士農工商)平等・・・。カースト制度は残っている。

●「能力」による差別は当たり前のこととして残っていくのだろうか?

●身体的なもの(肥満、ハゲ、チビ等)による差別はどうなのだ?

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○こんなことも差別になるのかとびっくりでした。もっとよく知りましょう。自分がより良い人生を送るためにです。

○指摘される勇気

○*接触理論と夫婦(笑)

*差別はなぜ起きるのか?(原因の探求)

○普段から色々な人と関わり、多様な考え方を受け入れられるようになろう!

○自分で気づく差別と気づかない差別

○対話の力を磨く

○自分のなかの偏見や差別意識をきちんと指摘された時は、爽快感がありました。言葉を尽くして話し合うことは、前を向いて進むことになるのだと思いました。

○差別されて不利益を被ると嫌だけど、 差別されて利益を被るのは良し。。。。

差別のない世界は、何もない世界だろうか?????

 

 (記録:本間正己)

 

【第322回記録】人生カフェ・年間テーマ「幸せ」・1月テーマ「健康と幸せ」・オンライン

第322回目の人生カフェは、令和5年1月26日(木)午前 10時~12時30分、15名(男性7名・女性8名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

今年の1年間は随時、「幸せ」について考えます。

人生カフェの原点は、中高年を対象にして、幸せ(幸福)について考える哲学対話の会というものです(もちろん若い人も歓迎します!)。

これから約1年間、原点に戻り、参加者・主催者がお互いに問いを出し合ったり、時には本などを手掛かりにしたりして、幸せについて考えていきます。

幸せは他人から押し付けられるものではありません。自らが感じ、考え、行動するものです。それゆえに、哲学対話は幸せを考えるにあたって、有効な手段のひとつになるでしょう。

若干不規則ですが、毎月、第二または第三または第四の木曜日のいずれかの午前中に開催する予定にしています。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。アドバイスは求めません。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。録音、録画、写真撮影は禁止です。この場で話されたことは他の場では話さないようにしてください。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

1月のテーマ:健康と幸せ

健康には体の健康と心の健康という面があります。

多少、体が健康ではなくても幸せを感じることはできる気がします。

しかし、死に至るような重症の病気や体の痛みを激しく伴う場合などはいかがでしょうか?

心の健康の場合はどうでしょうか?

健康と幸せはどのような関係にあるのでしょうか?

このあたりを一緒に考えていきましょう。

 

まずは、導入のプログラムである。

自分の体の健康について一言

(例)足の指がいつも痺れてはいるが、幸せ感はある。

(話をしたい人のみ、この問いに対するあなたの答えをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

*歩くのが遅くなった

*腰痛

*絶えず、家族の誰かが病気なので、自分の健康を心配していられない。

*現在癌の治療中です。毎日薬を飲んでなんとか抑えています。

*重篤ではない持病やちょっとした痛みはありますが、おおむね健康。幸福感は積極的に拾いに行く♪

*健康度が増している。柔軟になり軽やかになり晴れ晴れと感じる程度が深まっているように思います。

*走行距離の割にはこれといった異常なし

*ひざと股関節を痛めて以来自己メンテナンスの必要性を感じてます

*加山雄三じゃないですが幸せだな~って思ったことがないので皆さんそう思うことありますか

*歯を抜いた時はショックだったけど、もう痛みなどないので普段は忘れてしまう。

健康だとありがたみを感じにくい。

上半身は受け入れ、下半身は出す機能と思えば、下半身の方が大事なんだろうな~。

なんとか腰痛を発症しないでいられる。

どこかが急に動かなくなるとは思う。

*病気はほとんどしません。健康です!!ただ家族の事や将来の事を考えると心配事が絶えません。悩ましいです。

 

問い出しです。

参加者には、自らの問いを出してもらいます。

(例)健康でないと幸せになれないか?

(話をしたい人のみ、この問いに対するあなたの答えをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。)

○不健康でも幸せに成るには?

○大きく健康が損なわれた時に、幸せである為に普段から出来る事はあるのか?

○健康と幸せは何で決まるか?誰が決めるか?

○健康を構成する要素は何だろうか? そのうちで健康の決め手はどれだろうか?

○色んな事が不健康で動かなくなる場合、最悪 何が動いていれば良い?

○痛みを味わいきることが健康と幸福につながるか?

○幸せとは相対的なものか?言い換えれば 大きな幸せから見ると小さな幸せは不幸であるのか? 大きな不幸の中でも小さな不幸は幸せか?

○心と体は一体なのか?

○病との向き合い方で健康でなくても幸せ感はあるのではないだろうか?ただし質、量、本人の望むものには、個人個人で限りがあると思います。

 

問い決めです。

今回は進行役(ファシリテーター)が、後半の対話の問いを決めさせていただきます。

〈小ネタ〉

○不健康でも幸せに成るには?

〈大ネタ〉

○健康を構成する要素は何だろうか? そのうちで健康の決め手はどれだろうか?

○健康と幸せは何で決まるか?誰が決めるか?

 

休憩後、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●周りの人たちに働きかける、周りの人たちから受ける。この周りの人たち(他人)との関係が幸せに大いに関係がある。

●瞬間、瞬間に満たされていることを感じる。足るを知る。感謝。マインドフルネス的幸せ。

●それとともに、幸せに目を向ける。求めるものとしての幸せがある。

●感じることと解釈すること。解釈とは多少なりとも理性を伴った捉え直しのことである。どちらも幅が広がることは心が豊かになることである。

●健康と関連する要素として、仕事、お金、人間関係、趣味(好きなこと)などがある。これらが心の状態、体の状態、すなわち健康に影響する。各要素が補完し合っている。

●幸せって、普通のこと? 普通以上のこと?

●笑うことは健康や幸せに繋がる。「笑う門には福来る」  だけど、笑いって一体何だ?

●忘れることが多くなってくることは不健康(病気)の現れかもしれないが、幸せなことかもしれない。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○新たなる問:健康と忘却! 健康と笑い!

○何も問題ない普通が幸せってこと❓

○忘れたらNGという思い込みと周りからの凝り固まった固定観念に一喜一憂していましたが、忘れることも別段、悪いことではないということに気づかせてくれて、気が楽になりました。忘却も個性にしたいですね(笑)

○ウエルビーイングとは何か。

○笑い、健忘、感謝は幸福と健康の鍵。ないものではなく、あるものにフォーカスしよう

○健康、病気、「普通」、幸せ

○・障害は病気では無いと思うのですが。

・病気を共に歩む友人のようにつき合っていけば、何とかなりそうな 気がします。その先、死へ向かう時にどういう気持ちになるか分かりませんが。

○忘れる事!

どんどん得意なってきました。

ポジティブに考えるといい事なんですね。

そして、さっきのOさんの「忘れた~」は、あったかい笑いを誘ってくれて和んだ♪

作ったダジャレやギャグより素の自己開示の笑いって和みますね。

○幸せとは自分が決めるもの。感じるもの

○旅好きなので 美しい景色を見ながら暖かいコーヒーを飲みながら しみじみと幸せを感じる

感じるものだから 考えるとよくわからない

○補完する。○○がダメなら○○だ。一つのことに依存しなければ、もう一つの○○が出来ると思えるとおっしゃっていましたが、それすらも出来ないくらい疲弊してしまったら、やはり辛いよなと思いました。

人から愛され、誰かに必要とされていると感じることができたら、生きる喜びと幸せを感じるのかなと思いました。

○幸せは感じるもので超個人的なものだと思いました。どこを求めていくのか?で体感が変わるのかなぁ

 

 (記録:本間正己)

 

【第321回記録】〈テーマ〉 本 『「利他」とは何か』

第321回目の人生カフェは、令和5年1月22日(日)午後2時~4時30分、9名(男性8名・女性1名)で、新宿消費生活センター分館にて、オフライン・リアルで実施された。(進行役:本間正己)

 

*今回は、「利他」について専門の異なる5人の研究者が論じた本 『「利他」とは何か』(集英社新書)を素材にして哲学対話をします。

*読書会ではありません。この書籍を読んだ上で感じたこと、思ったことを元に対話を行います。

*今回はこの本の第1章「うつわ」的利他ーケアの現場から(伊藤亜紗)第2章「利他はどこからやってくるのか」(中島岳志)を読んでいることを参加条件にします。

 

*感想

最初に、この本を読んでのざっくりとした感想を述べ合います。(一人1~2分くらいで)

○余白 うつわ

○任せる 信頼 うつわ 楽しむ ケア コントロール

○柳宗悦~哲学、芸術、宗教の三位一体

○書かれた方々はボランティア活動等をしたことがあるのだろうか?

○「利他」って何なのか、結局分からなかった。共感?

○偽善 自己満足

○・流行、面白い ・学者的 ・どうすれば良いかが不明

○預ける

○うつわ的利他 利己的な利他 浄土の慈悲

 

*問い出し

参加者には、この本(第1章・第2章)を読んでの、自らの問いを発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。

その問いの背景、理由等について1~2分で話していただきます。

○返礼しないのは悪いことか?

○アドバイスがよくないのはなぜか?

○職場でお菓子を配ってしまう私は利己的か?

○人生カフェに参加するのは利他か?

○コミュニケーションと人間関係において利他とはどういうものか?

○摂理という大きな力に押されて、自然に利他的行動をとるのか?

○本当に相手のためだけになる行動はあるのか?

○利他と利己の割合をどうして行動するべきか?

○利他は必要なのか?

○何で、今、「利他」なのか?違う言葉で表現できないのか? 共感?

○自分の時間を他人のために考える「利他」の考えが注目されているのはなぜか?

○なぜこんなに「利他」と関係ないことばかり書けるのか?

 

*問い決め・対話

参加者から出された問いから、本日の入り口の問いを絞り、みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)。(記録者が印象に残ったところだけ記載しました。)

〈小ネタ的〉

「職場でお菓子を配ってしまう私は利己的か?」

●合理的利他主義ということか。

●win-winの関係なら問題なし。win-loseの関係なら見直す必要がある。

●日頃の人間関係が重要である。

●人に気を使わせていないかが気になる。

●返礼の問題が絡んでくる。

 

〈大ネタ的〉最後の方の4つの問いをまとめる形での問い

「何で、今、利他なのか?」

●コロナの影響がある。

●稲森和夫さんの経営思想

●企業、個人の「社会貢献」ということが言われている。

●利益優先の殺伐とした世の中の雰囲気に嫌気が差している。

●孤独、孤独感

●人間的暖かさを求めている。

●動物、植物、自然との繋がり

●自分のためだけではなく、人のためということ

●「利」(利己)ではなく、「義」(利他)である。

 

*最後の20分くらいで、今日の振り返りを行います。

○他人のため=偉人 自分のため=凡人 この境界を揺らす本

○他人とのゆるいつながりをもっていたい。

○ジェームズ・ラブロックが言うように地球はひとつの生命体である(ガイア仮説)。地球はあらゆる生命を育成する、生命が主役を演ずるシステムとなっている。地球生命システムに組み込まれている私達生物は自他の区別なく共通の基盤の上に立っているという認識のもとに、あらゆる生命の幸福のためにも、極端なナショナリズム(超国家主義)のために戦争する人類の愚かさを知るべきだろう。

○・面白い本を取り上げたと思います。 ・手を挙げての発言がわずらわしい。 最後に、他人の為に生きていた方が自由になれる。

○別に「利他」という言葉にこだわる必要はないと思いました。

○人による価値観の違いがよく分かり面白かったです。

○・「利他」という言葉を使うと、自分の利益を意識するので困る。…この種の言葉は作らない方が良い? ・「利他」の考えは、広め、行動すべき。

○自分は利己的か?と悩むところに「利他」のエッセンスが含まれているかも?

○なぜ今「利他」なのか。あらためて、これからも考える機会になりました。

 

(記録者:本間正己)

 

 【第320回記録】人生カフェ・【男性限定】オンライン・テーマ「宝物」

 

 第320回の人生カフェは、令和5年1月21日(土)午後2時~4時30分、9名(男性8名・女性進行役1名)の参加者のもと、オンラインで実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

 今回は初の男性限定の試みであり、テーマは「宝物」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

 

●テーマ「宝物」

皆さまは宝物をお持ちでしょうか。

宝物というと、一般的には貴金属や宝石などが思い出されますが、昔もらった手紙や、推しのグッズ、思い出の詰まった玩具、子供が描いた似顔絵など、自分だけが大切に思えるものも、立派な宝物です。

また、世界遺産や文化遺産をはじめ、様々な知の蓄積や技術などは人類の宝とされていますし、子供は社会の宝とも言われています。

では、それらの宝物はなぜ宝物になったのでしょう?

宝物を持つことによる意味や、リスクなどはあるのでしょうか。

もしかしたら、人生そのものが宝探しの旅ともいえるのかもしれません。

新年らしい、おめでたいテーマに沿って、あなたや私、みんなの宝物について考えてみたいと思います。

 

●導入のプログラム

まずは、導入のプログラムとして、自己紹介とともに、ご自身が子供の頃に大切にしていた宝物や宝物にまつわる思い出について話していただいた。

(例)

宝探しの冒険を題材にした映画や本、ゲームなどにとてもわくわくした思い出があります!「グーニーズ」に憧れて、宝探しごっこをしていました。

 

・直観は最上の知識である。

・文通相手(女子)からの手紙(中学生時代)。

・ビー玉やメンコが宝物でした。

・忍びの者。

・孫子の兵法書。

・宝物はメダルです。

・リュックサックと大きな登山靴(子供のときというより高校時代です)。いつでも山に登れるように準備していました。

 

●問い出しと問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。出された問いは次の通り。

(例)…宝物を持つことの意味とは?

 

・どのような宝物が人に幸せをもたらすか?

・人は宝物からどんな影響を受けるか?

・「宝物」は必要ですか?

・宝物は多いほどよいのか?どうせ天国に持っていけないし、サバイバルに役立たないものがほとんどだし。こだわりはない方がよいしとか。

・その宝物の「何」が宝物にさせているのか?

・なぜ宝物をずっと持ち続けるのか?

・今のあなたにとっての宝物とは何だろう。

・宝物は自分にとって一番大切なこと、物なのか?

・宗教を宝物と錯覚してしまうのはなぜか?

・命よりも大切なものは何ですか?

・奥さんに「自分が宝」だと思わせるにはどうすれば良いのか?

 

この中から投票で入口の問いを選び、後半の対話の問いは「どのような宝物が人に幸せをもたらすか?」が選ばれた。

 

●対話

その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

 

・宝物=幸せをもたらすものだと思う。

・宝物でも幸せをもたらさないものもあるのではないか。本人にとっては宝物でも、それに執着していると周りに迷惑をかけることもあるし、傍からみると幸せに見えないこともある。

・自ら作り上げてきたという自負がある宝物は、却って自由な考えを阻害しているのではないか。

・宝物という強い思いが周りに不幸をもたらすこともある。

・宝物だと思い込んでいることの害もあるのでは。宗教もそうかもしれない。

・宝物は個人個人で違う。

・際限ない欲望があるのか?満足しない欠乏感?

・1つあれば満足するものとは?

・自分の宝収集が周りに迷惑をかけてしまう。

・自分にとっては価値があっても人にとっては価値がないものも多い。なぜ人はその価値を認めないのか?自分と他人、時代や地域によっても価値が違う。

・人間には普遍的に誰でも認められる価値はあるのか?お金や金銀宝石ではない気がする。

・感謝することは普遍的な宝なのでは。物質ではなく、そうした心や気持ち。

・宝物は幸せをもたらす「もの」というよりも、幸せになる1つの「手段」ではないか。

・宝は持ち続けるのがいいのか?多ければいいわけでもなく、死んでもあの世に持って行けない。

・収集するのが楽しい宝もある。集めている気持ち・行為が幸せになるのでは。

・精神的なものや価値が宝物だとしたら、信念や宗教は幸せをもたらすかどうか?全員が同じ宗教に染まれば、ある意味幸せに感じてしまうかもしれない。

・無人島で1人でいたら宝物は持たないと思う。宝物は人との関係性の中で生きるのではないか?話したり人間関係の中で評価されて、より一層幸福感が出る。宝物は自己表現の1つの手段ではないか。

・宝物は隠している面もあると思う。隠れているからこそ探しに行く楽しみがある。

・自己表現が宝物だとすると、ブランドもの集めは人が持っていないからこその優越感?

・夢や信念など、1人で完結する宝物もあると思う。人に話しても話さなくてもいい。

・希望があることも宝ではないか。ワクワク感や希望はいつの時代にも共通した宝。

・宝物は精神的なもののほうが普遍的な価値があるのでは。無人島で1人でいても感謝することはある。

・健康を宝物にしたい。誰にも迷惑かけないし、共通の話題にもなる。

・宝物はインディ・ジョーンズのように探しに行くイメージ。宝箱から明るい光が出ていて、本来は光っていないとしても、本人にとっては光が出ているように見える。希望の光、光の源が宝物。

・人生は宝探しのようなもの。

・人を元気づけるものが宝物になるのでは。

活性化させるものは人によって違う。例えば信条や冒険、病弱な人にとっての生きがい。ウェルビーイングになるもの。

・人は光やエネルギーを求める、頼ってしまう。仏のように外にある光にすがる、または自分の中にある光を見つける人もいる。

・宝物はそれぞれの人が選択するもの。自分のお宝の価値観を押し付けない、周りに植え付けようとしない、執着をもたないことが重要。

・宝は一定の執着性がないと得られないような気もする。一定の距離を保ちつつ執着も持つ。

・生命の誕生を考えると、私たちは何億もの精子競争に勝った結果である。ある意味宝くじに当たったようなもので、生きていることは宝ではないか。人類の歴史も宝くじに当たったようなもの。

・80年前なら戦争の時代だと考えると、平和な世の中は宝物である。

・宝物の何が宝にさせているのか?価値観が宝にするのではないか。

・ラーメンにハマっているのは、なぜうどんじゃなくてラーメンなのだろうか?価値観がその人達の中だけにある。

・誰しも教育や周囲の影響で価値観が育まれるとして、自分らしい宝とはあるのだろうか?人と価値観が同じ方が、同じ宝を共有できて幸せになれる?

・宝物は所有していることが大事?持っていることが価値になるのでは。

・平安時代の貴族政治から鎌倉時代の武家政治に変わった理由は、土地(もの)が与えられ、所有するようになったから。権力者がもの(宝物)を与えるやり方によって歴史も変わる。

 

●振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

 

・とてもいい時間でした。脳が活性化しました。命のエネルギーが強くなったかも。宝物は命・家族。新たな問いは「自分の大切なものとは?」。

・宝物とは執着と所有、自己表現そして感謝。

・コミュニケーションや人間関係において宝物は何か。

・命は宝物なのだろう。

・宝物は自分を幸せにしてくれる。しかし、自分の宝物を他人に押し付けないようにしよう。

・宝物とは活性化してくれるものと気付きがありました。また、天国に持っていけないものばかりでなく、もしかしたら、精神的なものは持っていける、ある意味、普遍かなとおもいました。

・無人島での宝は、なんだろう?

・生きていること自体が宝物。

・この自然も、世界も全てが宝物。これは子供の時には気づけなかった宝物で、まるで幸せの青い鳥のよう。

・あなたも私も宝物。

 

●後記

 初の男性編でした。開けてみるまでどんな展開になるやら分からなかったものの、とても和やかな雰囲気で、楽しく対話ができました。「女性限定の対話は多いけど、男性限定がないのはなぜだろう?ないならやってみよう!」という好奇心からの開催でしたが、面白い内容になったと思います。今後もよろしければご参加いただければ幸いです。参加者の皆さま、ありがとうございました。

(記録:羽田美里)

 

【第319回記録】「参加者でテーマを決める」(オフライン・リアル)⇒「ゆるさないというのはどういうことか?」

第319回目の人生カフェは、令和5年1月15日(日)午後2時~4時30分、10名(男性7名・女性3名)で、新宿消費生活センター分館にて、オフライン・リアルで実施された。(進行役:本間正己)

この日は「参加者でテーマを決める」であった。

テーマはありません。自由に問いを出し合います。

今回は西国分寺のクルミド・コーヒーで行われている「クルミドの朝もや」をリスペクトした方法にします。

紙に書いたり、ホワイトボードに書いたりすることは少なめにして、対話そのものを楽しみます。

お悩み相談ではないので、解決策やアドバイスは求めません。最後は、別のモヤモヤが生まれる場合も。

それも含めて楽しみましょう。

参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。

場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

 

◉簡単な自己紹介タイムをとります。

〇当日に呼ばれたい名前

〇「今の気持ちなど」を一言

◉対話のルールの説明

◉問い出し

日頃考えていた問い、他の方の発表を聞いて浮かんだ問いなどを出してください。

(例)頭が良いとはどういうことか?

(例)懐かしいとは何か?

(例)退屈とはどういうことか?

その問いの背景、理由等について1~3分程で話していただきます。

お互いの問いをじっくり聴いて、考える時間を大切にします。

全体で10~20個くらい問いを出していただきたいです。

○何かを変えたいという気持ちはどこからやってくるのか?

○ゆるさないというのはどういうことか?

○なぜ人は文字に束縛されるのか?

○わかるって何だろう?

○愛着障害とは何か?

○頭がいい人とはどんな人か?

○上品・下品とはどういうことか?

○ホームとは何か?

○well beingとは何だろう?

○問いに対して、私はどう答えればいいのか?

○生活している上で、指針にしているものは何か?

◉問い決め

全ての問いの中から「全員で対話したい『推し問い』」を考えてください。お互い意見を出し合いながら最終的に1つに絞ります。

決まった問い:「ゆるさないというのはどういうことか?」

(休憩10分)

*入り口の問いから、みんなで対話(フリートーク)をします(1時間くらい)

(記録者が印象に残った一部のみ記載)

●ゆるす、ゆるさないの前段階に「裁く」というのがあるのではないか。「判断」というのがある。それは自分という最高司令官としての価値判断であり、上から目線的な面もある。

●嫌い、恨み、そして怒りといった感情が背景にある。それは、ゆるせる、ゆるせないという言葉使いによく表れている。それらの感情は、わだかまり(コンプレックス)までに固着している場合もしばしばである。

●徐々に、長い時間をかけて、ゆるさないという気持ちが作られていく場合もある。

●相手の話す内容より、その話し方、口調などに対して、ゆるせないという気持ちになることがある。

●自分に直接的に被害が出ているのでゆるせない場合と、他者の権利などが侵害されていること(戦争など)に対してゆるせないという場合がある。

●自らが解決に向けてうまく行動できないことで、ゆるせないという気持ちが継続する。

●怒りが背景にある。怒りとは自分への侵害に対抗する感情である。それは相手との価値観の相違によって生じることがあり、その相違の解消を直ちにはうまくコントロールできない状態である。

 

*最後の20分くらい、振り返りの時間を設けます。

○ゆるさないは、「裁く」(価値判断)と「怒りなど」(感情)が複合されたもので、固まっていて、解きほぐしにくい。

○・救われたこと:嫌っていることの中には好きになりたいということが入っている。

・自分は正しく、相手は間違っているという思考回路にはまってしまうと、それは正義中毒かもしれない。(例)ある人がやったらOK、ある人がやったらダメと思うなど、許す許さないは〈結構相対的〉なものである⇒価値判断だから。

○「許さない」ことを自覚していること。「許さない」は「許したい欲求」!「許さない」ことは大事にしたい。

○・«サバク»権利はあるのか?

・背後にあるものを想像する。

○気づき:「許さない」という言葉に引っ張られている。「許さない」という言葉がなかったら生まれない感情、言葉があるから生まれた感情。「許さない」という言葉ひとつでも使う人・使わない人、捉え方・イメージがまず違うことを知れてよかった。

新たな問い:許すと「解る」の距離

感想:問いを出す時点から皆さんの日々考えていることが知れておもしろい。人の話を聞くのが皆さん上手。

○・「許さない」という強いけんか口調の言葉は使いたくない……これだけでは言葉足らず。

・許可の基準を変えて、可能な限り、許してあげて下さい。

○理性とセットじゃないと、許さないという感情は嵐のように迷惑をいろんな人にかける。

○(感想)今までの人生を振り返って、強い『許せない』という感情をもったことがないのは(思い出せないのは)、幸せだったことなのかもしれない。重大事件の被害者家族は相手を許すことができるのだろうか…その苦しみや怒りをのりこえるためにはどうすればいいのか。加害者家族も。

○ゆるさないとゆるしたいが時としてセットになっている、というのが本当にそうだなと思いました。同じ行為でも人による(相対的)という点にも同感です。

○人は罪深いものです。真の平和とは、相手あるいは所属する団体の罪をゆるすこと、心からの謝罪(つぐない、あがない、しょくざい)を通じて和解へ向かうよう若い世代に期待したいです。

 

(記録者:本間正己)

 

 【記録: 第318回人生カフェ・テーマ「整う」オンライン】

第318回目の人生カフェは、2023年1月12日(木)am10時~12時30分、12名(参加者10名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使い、原則カメラオンで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

PRの際の案内文は以下のようなものである。

*************

漫画やドラマの「サ道」がきっかけでしょうか。

サウナでの『ととのう』をはじめ、ここ数年この言葉によく出会います。

2022年は、人生カフェの中でも「趣味で整う」「哲学対話に参加すると整う」という声が聞かれました。

「整う」場面、色々ありそうな気がします。

ん?でも改めて考えると…

「整う」ってどんな状態?

どんな風に感じること?

年の始め、お互いの「整う」を持ち寄り、語り合ってみませんか?

*************

◉導入のプログラム

自己紹介とともに、「整う」場面やエピソードについて話してもらった。

(例)…元旦、お雑煮をつくる時。毎年味わう独特の「整う」感覚があります。

〇10分間の呼吸法によって整う

〇大掃除して部屋が整う

〇ひと泳ぎした後の熱いシャワー

〇初詣で整います

〇TV捨てた♪

会社捨てた♪

〇ご近所の奥さん。

いつも、きちんとした佇まい。変わらぬ笑顔。

整ってるってこういう方かな~と思ってます。

〇「整える=リセット」であることが多いので、居住まいをただす、掃除するなど

〇図書館

〇禅

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

(例)…「整う」感覚を違う言葉であらわすとしたら、どんな表現や言葉になるだろうか?

〇なぜ人は整えたくなるのか?

〇人生で何を整えたいか?

〇なぜ「整う」という言葉に心惹かれてしまうのか?

〇整っているとはどのような状態だろうか?

〇整えないと、どうなってしまうのか?

〇コミュニケーションや人間関係が整うにはどうしたらいいのか?

〇整っていないと思う時とはどんな時?

〇整うには努力が必要なのか?

〇今までで一番整った瞬間は何でしたか?

〇「整う」感覚を違う言葉であらわすとしたら、どんな表現や言葉になるだろうか?

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇今までで一番整った瞬間は何でしたか?

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。

(以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇過去1番の体験が聞ければ、他の方も応用して「整う」ことに成功できるかなと思った。

〇「瞬間」という問いだが、時間的継続はどうなのか?きっかけ?

〇瞬間。未来が見えた鼻筋が通った感覚。

〇「生の欲望」の自覚。自覚して次の未来に向かう感じがする。

〇生活環境が変わってぐっすり眠れた後に整った感じがした。抱えていた問題は解決していなかったが整った後、ものの見方が変わった。環境とか体感は、整うと関連していると思う。

〇配偶者の親や自分の親の死を見送った後。やれるだけの事をしたので自信がつき解放された。直後はわからなかったが、その時の自信が、整うということかなと思った。

〇前の方の話を聞いてハッとした。

家族を亡くして先が見えた感じがし、恐れがなくなった事を思い出した。

それが整うということかわからないが、一気に整ったり徐々に整う…もあると思う。

〇20代の時、手術をし目覚めた時。マイナスがゼロに。未来にいく準備ができた。

今思うとそれが整った時だったのかも知れない。

〇子育てなどいっぱいいっぱいで疲れが溜まってた時に、ゆっくりお風呂につかりぐっすり眠った後に感じた、落差。

喜びや回復を実感し整った感じがした。

〇瞬間しか凪のような状態が得られないなら、日々の中で細切れに使うと良いのでは。ノートに書き出す。マインドマップ。自分の散らかり具合がわかるのでそこから取捨選択していく。林の中を歩く、図書館に行く、15分位の昼寝も整う。

〇言語化するのは良い方法だと思う。落ち着いてネオ認知できる。ただ、自分は言語化が苦手で言葉から零れ落ちる気持ちがあり、取っ散らかる。それを誰かと話したり、哲学対話で射貫く働きかけみたいなものがあるとパチーンと腑に落ちてものの見方がかわる。

〇自分でしっくり言語化できないときに話す相手がいて、その反応を共有することで自分に馴染ませていく。

〇身にまとった取っ散らかった言葉が、予期しない時に答えというか近い事を言われた時、蓮の花が開いたような快感・喜びがある。

〇「一瞬」もいいが反対も考えてみたい。「徐々に整う」もいいなと思う。

取っ散らかった感じ・混沌・カオス・マインドワンダリング。

芸術家は混乱を楽しんで絵を描いている気もする。

〇サウナもお風呂も浄化。

広島の離れ島にある「江戸風呂」に行った時の事。順番にお風呂に入っていくと最後は「世界一大きな天然風呂」と書いてあり「瀬戸内海」に入った。2月の瀬戸内海は痛い位だったが、出てきてからは憑き物が落ちたように感じ、それから良い事が続いた。滝行なども浄化だと思う。

〇ファスティングに挑戦してすごく変わった。

整う・整えるというのは、余分なものを出す・自分の中をきれいにする・浄化する・断捨離とか、そういう所からきているのかなと思った。

〇「過去の後悔・未来の心配」ではなく、「今、ここ」という事なのでは。

ゾーン体験した事ある。以前、歌の発表会の時「歌っていない・話していない」と感じるほど「今」に集中していて整っている感じだった。

〇どうして今、「整う」とか「サ道」なのか。

コロナ禍・戦争など、鬱々としたものがある中で割とやりやすい出来る事だからか。

〇サウナ・水風呂を、繰り返す事で「ととのう」…サウナが流行ったのは、自分の思考や力じゃなく、受動的にお手軽に気持ち良く持って行ってもらえるから。

「整う」という言葉。あいまいで使い勝手が良く、「私が」と主語を付けない事で、ネオ認知していて「自己〇〇」の回避のような作用がある。また「ととのう」という言葉は同じ母音が続き語感が良い。

〇特別な所に行かなくても、瞑想で整う事はできる。

歩いていても家事でも整うことはできる。

※「ネオ認知」

対話で使われたこの言葉の意味をご本人に確認しました。下記ご参照ください。

どこかで聞いたワード?&自分の造語です。「整う」テ-マだったので「整う」状態を俯瞰したとき昔の自分(一秒前の自分は昔の自分)を新しい自分(ネオ)が新しい(ネオ)俯瞰しているという感じで使いたくなりました。テーマが整うでなかったら メタ認知 という言葉のほうがよいと思います。

◉最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇自己責任、自助努力がより求められているのかも?

〇TV番組やディズニーランドのアトラクションなど「他人のⓇ」の話しでなく、

その人その人が感じた豊かな「感性」のお話しの数々、ありがとうございました。

とても豊かに感じました。(๑'ᴗ'๑)♪♪

〇気づいて行動し、徐々に整え、モヤモヤを抱えることを楽しみ、それが解消された時の「整った」感を味わう

〇感覚を言語化(普遍化)することの難しさ。。。

〇生きることは整え續けることなのかなと思いました。

〇希望の力

〇日々を丁寧に暮らすことが大切かと思いました。

何があっても、そう驚かないで生きていきたいものです。

〇昨日、1/11のTBSラジオ「生活は踊る」で、医学的見地からサウナの効能と「ととのう」についての話があり、聴いているだけでゆるーく整いました(Podcastで今も聴けます)

〇いつか 破壊することについて話してみたいです。

〇改めて「整えたい」願望が強い自分を自覚した。

カオスを楽しめる人は羨ましい気もするが……。

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

テーマは「整う」、問いは「整った」、途中「整える」話も聞かれ、

「整う」を探す為の、希望ある「テーマから逸れる旅」でした。

当日伺った「整う前」のお話には、文字にはできない、尊厳・命・役割・その他、様々な葛藤が見えました。

「整う」「整った」について、沢山の疑似体験をさせていただきました。

鼻筋が通った感覚・蓮の花がパーン・整う前との差異・浄化・禊ぎ・未来・生…

また、具体的な方法や経験を共有でき、とても良い時間でした。

私も「整いたい」(ん?これは出なかったですね)時、参考にさせていただきます。

ご参加、本当にありがとうございました。

今年も、関西風に言うと、

「めっちゃモヤモヤするけど、なんかええ感じ♪」

を、一緒に楽しめたら嬉しいです。

肩の力を抜いて、皆さんのお力を借りながら進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

また、お会いできますように。

byたからん

 

【第317回記録】幸福シート作成・オンライン

第317回目の人生カフェは、令和4年12月22日(木)午前 10時~12時30分、男性5名、女性7名、計12名で、オンライン・zoomによって実施された。(進行役:本間正己)

 

今回は個人的な内容が多く、個人情報的なものも含んでいるので、詳細な報告は省略して、プログラムの概要だけを記録しておく。

 

(開催にあたってのリード文)

毎年12月のリアル・オフラインの人生カフェで参加者が作成している「幸福シート」を参考にして、各自が今年を振り返り、来年に思いを馳せます。

哲学カフェの形ではありません。

自分の過去・現在・未来を考えるとともに、お互いについて少しでも深く知り合う機会にします。

幸福シート全体について、あらかじめどのようなものかを知りたい方は、以下を見てください。(プログラムシートのことです)

https://myasami-honma.jimdo.com/レジメ-プログラムシート/

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

 

内 容:

◎ルール説明

◎幸福シートの説明

*第一のプログラム

あなたにとって「今年の顏」とも言える人物は誰ですか?

(例) 母

(話をしたい人のみ、この問いに対するあなたの答えをチャットに書き込んでいただいた上で、2~3分でお話をしてもらいます。)

(一人の発表者に対する確認、質問等は一人または二人だけ受けることにします。)

◎休憩(10分)

*第ニのプログラム

来年にあなたがやってみたいこと1~3個挙げてください。

(例) 小さな断捨離  人生カフェでの助手  人生カフェでの「幸せ」シリーズ

(一人の発表者に対する確認、質問等は一人または二人だけ受けることにします。)

 

□今回は年末に当たり、お互いに語り合い、聞き合い、知り合うことを目的に開催します。したがって、フリーの対話の時間は特には設定しません。

 

*最後の20分くらい、振り返りの時間を設けます。

♢放課後タイムは約30分くらいです。

 

 

(記録:本間正己)

 

【第316回記録】人生カフェ・オフライン・テーマ「変わる(変化)」

第316回人生カフェは、令和4年12月17日(土)午後2時~4時30分、新宿消費生活センター分館において、10名(男性5名・女性5名)の参加者のもと、オフライン・リアルで実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

〇テーマ

今回のテーマは「変わる(変化)」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

 

早いものでもう年末。皆さまは今年、どんな変化がありましたでしょうか。

社会に目を向けると、今年も様々な変化がありました。

ロシア・ウクライナ戦争、円安、物価高、欧米の夏の大干ばつ、コロナの谷による3年ぶりの様々なイベント復活、世界人口80億人突破などなど…。

社会が凄まじいスピードで変わりゆく中で、私達は何が変わり、何を変えたくないのでしょう。万物流転、諸行無常の言葉通り、すべてのものは変わってゆくものなのでしょうか。

年末のこの時期、皆さまと一緒に自分や周りの今年の変化を振り返り、新しい未来の変化について思いを馳せることができたらと思います。

 

〇導入のプログラム

まずは導入のプログラムとして、自己紹介とともに、今年ご自身にとって 変わったと思うことを話してもらった。

例) チームの長になって、事業を実行するよりも周りとの調整で奔走する日々になりました。

・直属の上司が急に退職してしまった。

・母の死から1年。

・サービス業の基本はお客様の立場に立って考えること。

・ものの見方がかわった。

高齢世代→衰え(筋力、判断Speed)

→知見、長い時間 (無限)で解釈

→有限、やり残したこと、そもそもやりたいこと

・今までちょっと無理してつき合っていた友人知人何人かと、勇気を出して距離を置いたり離れたりしました。

・1才年を取り、頭や体が衰えた(変わらざるを得ない)。

・ iPhoneのスケジュールアプリを「Refills」から「さいすけ」に変えた。

・腰痛の受けとめ方が変わった。

 

〇問い出し・問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。

出された問いは次の通り。

例)変わるのが怖いのはなぜか?

・変化したくないのにしたいのはなぜ?

・人生は旅と言われるが 、それは、また心の旅、精神の変遷でもある。年代によって、価値の転換 があるのでは?

・変化した状態を持続するには?

・変化したいか?したくないのか?

→したいのなら、変化してどうなりたいのか、変化の先に何を求めているのか?したくないなら、なぜ変化したくないのか?を知りたいです。

・「変わる」 のが必然だとしたら、どんなときに変化を受け入れますか?抵抗しますか?

・変わる(変化する)って何だろう?

・変わることは、良いことなのか?(歴史で熟成)(基本は、出来る限り現状をkeepすることではないか?)

・よい変化とは?悪い変化とは?

 

以上から、投票によって、後半の対話の問いは、「変化したいか?したくないのか?」が選ばれた。

 

◯対話

その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

・若いときはもっと知識や物を増やしたいと足し算の変化を求めていたが、年を経て断捨離をする引き算の変化になってきた。年を取るとともにシンプルを求め、本来の自分に戻っていくのでは。

・年を取ってからの変化は、物は減っていくけれど、精神的に落ち着いて、安らかになっていく。死への準備につながっているのかもしれない。

・形あるものは壊れていく。本質的なものに戻っていくのではないか。仏教にも通じる。

・モノがなくても幸せだった子供の頃のピュアな心に戻り、自分らしく生きるようになるのでは。

・ピュアなものに戻ろうとするのは変化なのか?子供の頃に戻ろうとしても、子供そのものには戻れず、日々の生活でそれまで積み重ねた知見や経験が必要になる。

・求める「自分らしさ」はずっと変わらないものなのだろうか?

・変化はらせん階段を登っていくように、同じところを回って、変化していないように見えるけど、質的な変化が起こっているのではないか。

・自ら変化したいときと、外からの圧力などで、自分の意志と関係なく変わらされるときがある。

・外からの力で変わるときのほうが想定外の変化ができるときがある。自分がみた自分よりも、他人からみた自分のほうがよく見えている?

・自分が知る・他人が知る自分を示した「ジョハリの窓」という心理学モデルがある。それぞれの窓の開示が変化につながるかもしれない。

・変化したい・したくないは年代によっても異なる。一般的に若い時は人の意見を聞き入れて変化を好むが、年を取ると変える力が弱まり、柔軟性が乏しくなって変えたくなくなる。いい面と悪い面がある。

・自分軸と他人軸のバランスの取り方の難しさがある。変えるといいものが入ってくる可能性があるが、変えるのは面倒。

・変えたいものと変えたくないものがあり、対象によって異なる。

・料理の世界では知らない料理が数えきれないほどあり、日々勉強、自己改革が必要。海外では料理は芸術、永遠の美に例えられ、日々がその追求になっている。

・年を取って熟成した状態は最適化した状態ともいえる。変えたくないという気持ちは今という到達点に満足しているのではないか。また、そもそも人間は変え続けることは可能なのか、変えた方がいいのか?

 

〇振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

・不変(=永遠の美)を求めてしまうのが人間なのではないか。

・安らかに。変わる。→恐れる?→未知。子供にもどる。ピュアな自分。

・変化は、変化後時間を経過し、評価されないと、その良し悪しがわからない。とすると、残り時間がない人は、現状を変えないものを志向する。小さな改善をする位か?

・「本来の自分である事(自分らしくいること) 」が共通しているので、変わりたい人も変わりたくない人も結局の所同じなのではと思えてきました。

・平穏で、安らかで、幸せなら変わらなくてもいいかも!でも変化はある(無常)、変化を求められることもある。

・変化しないものは何か?

・今日はありがとうございました。皆様それぞれの考え方を聞かせて頂いて大変勉強になりました。

・普段、本質的な会話をすることが少ないので、皆様のお話をお伺いできてありがとうございました。

・自分には分かっている。自分、他人にも分かっていない未知の自分を実存的対話によってお互い理解し合えるようになること は人生の変革といえよう。

・有意義でした。どんなときに変化を受け入れる、抵抗するかということの各人の考えを知ることができました。

⇒対象によって→変わりたい・変わりたくない。自らの願い→変わりたい、他者からの要求→変わりたくない。未知/こわい→変わりたくない。保守化した→変わりたくない。

(記録:羽田美里)

 

 【第315回記録】人生カフェ・女性編・「参加者で問いを決める」⇒「哲学対話って何だろう?」オンライン

第315回目の人生カフェは、2022年12月15日(木)am10時~12時30分、11名(参加者9名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使ってオンラインで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

女性の方のみを募集し、原則カメラオンで行われた。

(PRの際の案内文は以下のようなものである)

*************

テーマはありません。

自由に問いを出し合います。

どうして?どう違うの?何故?どういうこと?等々、日常生活のなかでモヤモヤ考える事ってありませんか?

「私と妹の名前が逆なら性格は違ってた?」「優しさってなんだろう?」「節約とケチはどう違うの?」

どんなジャンルでも大丈夫です。是非、問いの形で出してみてください。他の方の問いを聞いて「私もそれ思ってた~」「わ!考えた事もなかった」など、共感や発見があったり、「あれ?逆にこういう事が言えるのでは?」など、新たな問いが生まれるかもしれません。

お互いの問いを、じっくり聴いて考える時間を大切にします。

全体で10~20個くらい問いを出していただき、最終的に1つの問いに絞り、対話スタートです。

お悩み相談ではないので、解決策やアドバイスは求めません。最後は、別のモヤモヤが生まれる場合も。

それも含めて楽しみましょう。

*************

◉自己紹介タイム

音声確認も兼ね、アイスブレイク的な短い自己紹介の時間を持った。

今日呼ばれたい名前と今の気持ちや体調についてひと言ずつ述べてもらった。

◉問い出し

ジャンルにこだわらずに問いを出してもらった。

①雑談はなぜ難しいのか?

②哲学対話って何だろう?

③どこで、どうやって募金したらいいのだろうか?

④神様はこの世の中をどうしようと思っているのか?

⑤美人に生まれると得なのか?

⑥暮らしやすさと生きやすさは別なのか?

⑦自己評価と他者評価とはどちらが正しいのか?

⑧懐かしさとはどのような感情なのか?

⑨性別が男と女の2種類なのはなぜか?

⑩年賀状は何のために出すのか?

⑪私とは何なのか?

******** 以下は、記録者が印象に残った一部のみ記録 *******

◉「推し問い」プレゼン

全員で考えてみたい「問い」について、共感や推したい理由を発表してもらった。

(推し問いについては、上記「問い出し」での番号で表記)

〇推し⑦。⑪も似ている感じるがするので一緒に話せる気がする。

〇推し①。自分も普段難しいと思っている。今日はそういう事を出してもいいんだなと思ったから。

〇⑧⑩は、生活に結び付いている感じがするので話してみたい。

〇➄を聞いて佐々木希さんが浮かんだ。幸せなのかなぁ。美人と幸せは比例しないのかとか美人過ぎると災いを招くのかなぁと思った。また、⑥は外国に住んでいると日々感じる事。⑩について、自分はお断りをし出さない。早くなくなればいいと思っているから。

〇➄は是非聞いてみたい。⑦⑪も気になる。

〇①も気になるし、②は回数を重ねる良さも聞いてみたい。

〇②。どうしてこんな時間こんな場に2時間も参加しているのだろう。これを話す事によって、⑦や⑪にも結びついてくるし、①雑談との違いも見えてくる。画面オフの哲学対話もあるので➄についても話せる。色々話せるのではないか?

<後半に向けて>

問い②哲学対話って何だろう?

に決まり、ルール説明後10分間の休憩。

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。

〇心理的安全性を感じて楽しんでいる。他の方が、平野啓一郎さんの「私とは何か」の事をご紹介されていたが、「哲学対話に参加している自分」が好き。気持ちが整う。

〇哲学対話は「何で?何で?」について整理がつく大事な場。

美人は得だと思って問い出しをした。男性も最近は眉を整えたりスキンケアをしたり場合によっては就職の為に整形したり。見た目が美しいということは人に居心地の良さを与えるのではないか。

〇眼福という言葉がある。小さい子どもはかわいい。だが年齢と共に内面が外にでてきて悪党面になる人もいる。イケメンや美人は賞味期限がある?観賞するのは良いが対話したいのとも違う気がする。対話は気づく事があるのが良さ。自由に対話できるという事は、自分を解放する場所になっている素晴らしさ。「暮らしやすさと生きやすさ」の問いにも繋がってくる。

〇哲学対話はルールがある事が安心。「人の話を最後まで聞く、否定しない、わかりやすく伝える」長い話は伝わりにくい。ただ、難しい話だったり、話がまとまらなかったりしたら誰かが質問してくれるという所もいい。普段の会話、雑談でも取り入れられるといいのに、それがなぜ難しいのか。

〇雑談が難しいについて。自分も以前は場が盛り上がらないと自分のせいだと思ってしまっていた。今は、その場の責任者じゃないんだと勇気を持つようになった。あとは、相手のボールを受け止めて返すような感じで会話を続けている。

〇外国に住んでいると、母国語で話せる大事な時間。テーマに沿って集中して話すことが魅力だと思う。

〇1人で考えるのも好きだしみんなで考えるのも好き。同じ感覚・ベースの人達と共有できる事が、自分のニーズにぴったりはまって参加している。

〇哲学対話で話が過熱してくると地が出る。「凝り固まった信念を取り払おう」というのが哲学対話なのに、ルールが吹っ飛ぶ人がいる。

女性は、共感をシェアする喜びを体験的に知っている気がする。

〇永井玲衣著「水中の哲学者たち」を読んで救われた気持ちになった。考えすぎてしまう事が生きづらいとかどうしていけないのかと思っていた。哲学対話は「知り合いじゃない人と話す」というすごく良い機会だと思った。

〇哲学対話でイヤな思いをした経験について聞きたい。

〇上から意見を押し付けてくる人は居た。意見交換の余地がなく、自分の意見と違うと「お前は間違っている」という感じの人。大抵、そういう人はいつの間にか居なくなる。恐らく、「価値観を押し付けてくる人とは対話できない」と、参加者みんなで安心安全な空気を作りだし居づらくなるのでは。

〇対話はルールのあるキャッチボールやテニスのラリーのような感じ。会話はルールもなく続かなくてもいい。雑談は言いっぱなしでボールが転がってもいいイメージ。一方的に押し付けてくる人は、キャッチできない球を投げるようなもの。

読む・書く・聞くなど1人でやる学びより、ディスカッションは学びが深い。

〇場を作るのはやはり参加者だと思う。哲学対話にも色んな会があり相性が大事。

〇対話に「哲学」がつくと、キャッチボールになぞなぞが付いていく感じ。

〇対話と哲学対話の違いは、「問い」を出して考えがどんどん変わっていけるところ。哲学をやっている人が必ずしも哲学対話が好きじゃないと聞いた事がある。「真理」の追及・深めていくことが哲学。哲学対話は、それもするけど、色んな人の意見を取り入れていくコミュニケーションに重きをおいてる所が多いのでは。会ごとにどこに重きをおいているかは違う。最初に自己紹介をする所は、コミュニケーションも取り入れている目安になるのでは。

〇哲学対話に参加して、整理出来て落ち着くことが多いが「真理の追及」をしているわけじゃない。自分で得た感覚。それが落ち着く。

◉最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇Nさんがおっしゃった「暮らしやすさと生きやすさは別か」という言葉が印象的です。

〇なぞなぞを探求し続けたいと思います。

〇哲学対話には体力も必要かもしれない。

〇今回初めて参加させていただき、哲学対話は「人から学ぶ」ということを深められる場のように感じました。

〇テーマとルールが設定されていて、心理的安全性が高いからこの哲学対話の場が好きなのだと気づきました。今年から何度か哲学対話に参加させて頂いていますが、やっぱり楽しいことと気持ちいいことって続くんですね。『水中の哲学者たち』、読んでみたいと思います。「皆がちゃんとバラバラでいるために話し合う」っていいですね。

〇哲学対話、皆さんのご意見を聞ける貴重な場だと思っています。

ありがとうございました。

〇分人 については考えていたので理解が深まりました。

〇モヤモヤ好きでよかった

〇竹内まりや→山下達郎・・・クリスマス・イブ・・・哲学対話:共有することで個からの解放?!

〇今年の良いことは何だろうってこの間かんがえてました哲学対話を知ったことです

〇みなさん、たからんさん、今日はありがとうございました。

一応、全時間聞くことができましたよ。

聞いていて楽しかったです。

今日の新しい試みも面白かったです。

「女性編」もどこかでやってほしい気もします。

「美人に生まれると得なのか?」

「暮らしやすさと生きやすさは別なのか?」

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

「参加者さんの力を信じる」

進行役の時に大切にし、大いに楽しんでいる事の1つです。

私にとって初チャレンジの、「テーマのない問い出し&問い決め」は、ご参加くださった皆さんの「モヤモヤ好きな力」「探求心」「共感したりバラバラになる事が好き」etc…多種多様諸々の力が集結し、とてもワクワクした時間でした。

出していただいた問いはどれも興味深く、あれから1人でぐるぐるモヤモヤを楽しんだり、仲間との対話で考えたりしています。

女性編、次回の開催時期は未定ながら、問いは決まりました。

「美人は得か?」

是非、数ヶ月以内にやりたいと思っています。

今回はご参加いただきありがとうございました。

寒さ厳しい折、ご自愛の上どうぞ良いお年をお迎えください。

byたからん

 

 【314回記録】読書会「私とは何か(平野啓一郎)」(オフライン・リアル)

 

314回目の人生カフェは、令和4年12月11日(日)午後2時~4時30分、8名(男性5名・女性3名)で、オフライン・リアルで実施された。

 

この日のテーマは読書会「私とは何か(平野啓一郎)」であった。

 

各自に自由に問いを出してもらった。出されたものは以下の通りである。

○本当の私、言い換えると、私だけの本質(らしさ?かくされた大切なもの?こわされたくないもの?)はあるのか?

○分人のメリット・デメリットは何か?

○本当の私なんていないって言っている私は誰?

○「分人」と「自分軸」の関係は?

○足場となっている「分人」はどうやって決定されているの?

○P.118可塑整形が出来るとしたらやりたいですか?やりたくないですか?また、その理由はなぜですか?

○素の自分(一人でいる時の自分)を本当の自分ということはできないか?自分自身との分人もいるのでは?

○分人主義はは差別いじめの正当化の危険性があるのでは?(ルッキズム、肩書き、etc.)

○「社会的な分人」とは言えるのか?

○①分人の割合を決めるのは個人ではないか?(個人の概念は排除できない)

 ②人間は社会的動物なので、会社との分人、恋人との分人、簡単に変えられるのか?

○行き詰まってしまったら、ほかのコミュニケーションで解決できないか?

 

その後全ての問いの中から、本日の問いを1つ選んだ。

 

選ばれた問い⇒分人のメリット・デメリットは何か?

 

その後、すべての問いに触れながら対話を行った。

 

 ●分人のメリット

・人間関係を良くする

・自分自身を分けて考えられる

・多様な自分を認められる

・気持ちが自由、楽になる

・辛い自分を全てと思わなくて良い

●分人のデメリット

・簡単に分人を切り離すことは出来ないのではないか?

・著者の言うように簡単ではないからみんな悩んでいる

・自分に統一性がなくなる

・思考停止に陥るかも?

●色々な分人の構成比率はどう決まっているのか?→「自分」が決めているのでは?

●色々な分人の構成比率が「私」とは考えにくいのではないか?

●環境に対する反応だけではなく、自分の意志があるのではないか?

●本当の私…明日も「この私(自分)」である(他者ではない)という確信。自己同一性(10年前の自分と連続している)

●分人…他者・自分の関係性。その人といるときの自分が好き。

●他者を経由して自分を認識する。(関係性)

●無人島に一人だったら、どうなるだろうか?

●対自存在 コミュニティにどう関わるか?

●分人主義(非個人主義?)…自分が統一されていなくてもOk。(分けられる)

 個人主義…自分は統一されている。(分けられない)

●分人主義と個人主義を振り子のように揺れ動く…柔らかい個人主義

●サブパーソナリティとセルフ

 

最後に対話を通しての自分なりの感想を述べてもらった。

〇「私という存在をいかにして証明してみせるか?」に躍起になる障がい者(=近現代人)としての私。健常者としての「私」を目指してしまう??

〇私とは何か?わからないが楽しみたいです。

〇「自分」とはと解き明かすよりも、味わう方が楽しいと思いました。

〇・分人を楽しむ私

・分人に違和感を持つ私

どちらからも文学は生まれる。私はどちらかというと前者の方に傾いているか?

〇・分人という考え方で個人をあいまいにして、楽になる考え方は理解できる。

・人生は「本当の自分」を探す旅である。人生の中で見つけるもの。

・個人の考え方を決めるのは重要。

〇一冊の本と向き合うのは、いろいろ注意すべきことがあるなぁ~

〇個性とは、常に新しい環境、新しい人間関係の中で変化してゆくもの(P.161)→ゆっくり、のんびり生きていい。(P.172複数のコミュニティへの多重参加。居心地のいい場所はある!)

〇柔らかい個人主義―柔らかい分人主義 やっぱり「私とはなにか?」分からないですね。

 

【第313回記録】人生カフェ・デスカフェ風・テーマ「私の老い・私の死」・オンライン

第313回目の人生カフェは、令和4年12月8日(木)午前 10時~12時30分、17名(男性10名・女性7名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

今年の1年間は随時、「死」について考えています(12月の今回は一応最終回です)。

デスカフェ風にカジュアルに死について話をしていくとともに、哲学対話的に問いを出し合いながら考えています。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。また、自殺を誘引するような話はお控えください。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

死について考えるにあたっては、そのアプローチとして、「一人称の死(わたしの死)」、「二人称の死(近しい者の死)」、「三人称の死(だれかの死)」という分け方があります。

今回は、主に一人称の死について考えます。

テーマ:私の老い・私の死

人は老いた後に死ぬとは限りません(若くして事故などで命を落とすこともあります)。

ただし、多くの人は老いて、病いなどにより死んでいきます。

今回はこの多数派の方に注目しましょう。

「老い」と「死」は異なるものでありながら、近いものでもあります。

このあたりを一緒に考えていきましょう。

 

まずは、導入のプログラムである。

老いについての自らの最近のエピソード

(例)遠いところを見るメガネと近いところを見るメガネと二つを使うことにした。

(話をしたい人のみ、この問いに対するあなたの答えをチャットに書き込んでいただいた上で、1分以内でお話しをしてもらいます。

*優先席に座る罪悪感が無くなった。

*記憶力が落ちてきて、対策が必要。

*話が長く説教臭くなった。

*認知症になりたくない。

同じことを繰り返し言ったり、考えたりすることが多くなった。

思うに、話したことを忘れているということでなく、同じことを数分後とかに、もう一度、強調して繰り返している。自分では、念押しとか強調の意味合いなのだと思っているが、どうもそうではないようだ。まるで、自分自身を説得しているようだ。

*ものが二重に見えることが増えて、特に運転の時に困っている。

*歯を抜いた。

*夜になると目が疲れる。

*夜トイレに起きるようになった。視力が落ちた.老化を実感する。

*若いタレントさんの区別がつかない。

*癌の告知があった。死の覚悟かと思った。

*行動がスローになった。

*私は脳に老いは無い、と思います。しかしながら、体は足が上がりにくくなり、少しの段差でけつまづくとかありますが、しかしながら、きっちりと片方の足で支えていることにこれは健康である証と思っています。先を考えず、毎日を充実して笑顔が出ることで老いも楽しんでいいかな?と最近は前向きに考えています。

*鼻の下のしわが多くなった。

 

問い出しです。

参加者には、自らの問いを一人ひとつだけ出してもらいます。

(例)老衰が最も幸せな死に方か?

チャットに書いてくださった先着7名の方の問いを、問い決めの際の選ぶ対象とします。

①癌、慢性内臓疾患、老衰の3つのうちならどれがよいか?

②老いのメリットは何?

③老いて死ぬのに覚悟はいるのか?

④この人生、後、何をしたら自分は満足して死ねるのか?

⑤死ぬ権利はあるのか?

⑥ピンころりと死ねるにはどうしたら良いか?

⑦何故死ぬことがこわいのか?

 

問い決めです。

参加者から出された問い7個から、入り口の問いを投票により一つに絞ります。

「老いのメリットは何?」

 

休憩後、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

●いい意味での鈍感力が上がる。

●経験値が上がる。失敗の経験の蓄積が役に立つ。

●死を意識する♪

●覚悟、諦め、悟り

●手離す、若い人たちに差し出す。

●自己責任からの解放、もうやらなくていいことが増える。自分にとって好ましい場を選んでいくことができる。残りの時間を意識して、本当にやりたい事をする。

●足るを知る。自分の出来る範囲を知る。

●これまでやろうとしなかった、知識を得ようともしなかったものが習得できる。アグレッシブなことも可能である。

●曖昧さを許容できる。

●目の前のことばかりでなく、巨視的に、文明論的に物事を見ることができる。

●自分ファーストではなく、利他的、恩返し的になれる。

●老いは身体的なものと心的なものに分けられる。身体的な老いにはあまりメリットを見い出せないが、メンタル的なものには、総じて「熟成」という大きな価値が期待できる。

●「老いる」という言葉には、ニュートラル的な「年を取る(年齢を重ねる)」といった意味と、ネガティブ的な「衰える(できなくなる)」といった意味の2つが含まれる。若干ネガティブな意味合いが勝っているように思える。

●「老いる」をニュートラル的に捉えれば、経年劣化ということだけでなく、経年美化ということもあり得る。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○数十年後には ゲノム編集で…。事実まるまるふとったゲノム編集フグなんて売っていますからね。

老いのメリット聴けてよかったです。←これ今日までほどほどに老いたから?

○シーラカンスの様に生きたい。

○老いる=喪失のようにとらえていましたが、得られるものもあると気が付きました。

○きょうは若い人の発言が少なかったような気がしました。それが気になりました。

○「自分の死」を捉えることが難しい。

○この場に参加されている方は真剣に死のみならず物事を考えているかと思います。真剣に考えられる脳を携えている、という感謝の念を持つことで、これまでの陳腐な考えは一掃できると思う。

○老いについて、昔の人はどう考えていたのか、これまで余り知らなかった。これから、改めて読んでみようと思いました。今の自分の考えを広げるために。

○メリット:心の熟成、死を考える。

○「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」←煉獄さんのセリフ

○老いのメリットとはいかに楽しむか…。

○老いることで、我欲から無我になること。過去現在未来全て人類は素晴らしい生物である。

○人生カフェに感謝 死ぬまでの生き方が見えてきた

○➀気づき: 生物はどの種族も種族に貢献するように設計されている(脳内ホルモンとか関係あるかは私には今はわからないけれども)

ミツバチや蟻は老いたら、外に出て働く、知的な高度な文明を持つ人類は未開な文明の段階の種族でも長老の知恵と経験が尊重される。

縄文時代の平均寿命は31歳だそうです。現代ははるかに長いので現代人類は老いていく過程で身に付けた知恵を役立てることがもとめられていると思う。これは社会貢献ばかりでなく、個人の生きがいの追求であっても何らかのかたちで人に伝わり、仲間に役立つのではないかと思います。

②問い:老人が知恵を活かせる活かすための条件とは何か。あるいはそれを実現するのが、社会福祉であり、医療かなと思いました。

③感想:人類にとって老いの時代とは、知恵を活かす時代と感じました。大変参考になった。

○今まで出来ていたことが出来なくなるのは当たり前のことで、それは解放だと思います。

仕事とか介護からの解放、自分に出来ることをやる自由があるのが第二の人生だと思います。

今までのキャリアにこだわることなく、一から始める楽しみは結構すてきです。

 

 (記録:本間正己)

 

【第312回記録】人生カフェ・早稲田哲学カフェとコラボ・テーマ「今の日本社会」・オフライン、リアル

 

第312回人生カフェは、令和4年11月27日(日)午後2時~4時30分、新宿消費生活センター分館において、8名(早稲田哲学カフェ3名・人生カフェ5名 / 男性3名・女性5名)の参加者のもと、オフライン・リアルで実施された。(進行役:本間正己、高橋あずさ)

人生カフェ初の試みであった。大学生3人の方に参加していただき、いつもとは異なった視点からの考えが聞けて、お互いに刺激になり、たいへん参考になった。参加してくださった大学生の方たち、ありがとうございました。

 

○テーマ「今の日本社会」

我々は今の日本社会に生きています。同じ時代、同じ社会で暮らしているわけです。

それでも世代によって、見えている景色、そこから感じていることは異なっているような気がします。もちろん同じところもあると思います。

この社会に対する各自の感じから出発して、この社会に様々な角度から光を当てながら、いろいろ考えてみましょう。

 

○導入のプログラム

**今の日本社会を言い表わすのにふさわしいと思う、あなたなりのキーワード(イメージのようなものでもいい)を3つ挙げてください。(1~2分くらいでお話しください)。

**(例)1…デジタル化、個人化、高齢化  

 (例)2…あいまい、薄明かり、生きてはいける

*分断 思考放棄 平和

*分断 虚 水の中

*落胆 無関心 個人主義的

*人権 自由 民主主義

*平和 経済 自己責任

*あいまい デジタル化 個人化

*サステナブル 平等の追求 デジタル化(DX)

*自助 つながる 多様性

 

○問い出し

**参加者の皆さまには、テーマに関する自らの問いを1~2個考えておいてください。

**(例)…今の日本社会において、主流派とは誰のことか?

**その問いの背景、理由等について1~2分で話していただきます。

*今の日本社会における「原動力」とは何か?

*今の日本国民が共有するゴールとは?

*個人と社会の両立、win-winとは?

*今の日本社会で成功(?)できないのは、努力が足りないからなのか?

*今の日本にあって、基本的人権とはどういうものか?

*持続可能な日本社会とはどんな社会か?

*人生の勝ち負けって、どうやって決まるんですか?

*今の日本社会に若い世代が希望を抱かないのはなぜか?

 

○問い決め

**早稲田哲学カフェ(若者)から出された問いから一つ、人生カフェ(中高年)から出された問いから一つを選ぶ。

*早稲田哲学カフェ(若者)から出された問い:

今の日本社会における「原動力」とは何か?

*人生カフェ(中高年)から出された問い:

  今の日本社会で成功(?)できないのは、努力が足りないからなのか?

 

♢休憩(10分)

**それぞれの問いから、みんなで対話(フリートーク)をします(一つの問いに対して、約30分ずつ)。(記録は記録者が印象に残ったところの一部だけです。)

*今の日本社会における「原動力」とは何か?

●日本では国民全体の共通の目標・目的を持ちにくい状況になっている。

●個人化が進んでいる。それは自由になってきたことでもあるが…。

●経済的なもの~利益追求、効率化などは原動力であり続けられるか?経済活動が個人を圧迫している面もある。

●原動力を個人と社会(国家など)に分けて考えてみる。

●個人においては、幸福の追求。自分の幸せとともに、人を幸せにすること(利他的なこと)もある。

●社会においては、国民を食べさせていくために効率化、技術の進歩は必要である。セーフティネットをしっかりさせることも。

●今の日本では、宗教が原動力には成り得ない。

●新しい繋がりとして、擬似家族的なもの、小さなコミュニティ的なものを構想できるか?原動力に成り得るか?

 

*今の日本社会で成功(?)できないのは、努力が足りないからなのか?

●背景に能力主義がある。能力のある者は評価され、成功するのは当然という考えがある。

●その能力の獲得には努力は大きな要因であり、努力は大切だが、努力だけが要因ではない。

●その人が生まれ持っている才能や障害の有無、親の経済力(親ガチャ)、地域環境、運などにも因る。その原因となる格差は世代間で連鎖していくということもある。

●だから、単に機会(チャンス)の平等があれば、それだけでいいということにはならない。

●学歴よりスキルが重視されるようになってきている。

●農福連携~障害者、高齢者等が農業の場で活躍できる。

●いろいろな能力をうまく発揮できる機会・場所を作っていく。

●稼げる仕事以外の仕事に対するリスペクトが必要ではないか。

 

**最後の20分くらい、振り返りの時間を設けました。

*①「個」の時代 ②多元的な価値観をどう浸透させるか?

*環境の影響から脱して個人の「成功」へ、可能性を広げるには? 成功・幸せ~私の!!

*幸せって何? 生きる意味って何?

*人生の生きる目的は愛すること、英知を働かせること、創造すること。人間の可能性は自然な導きによって開くだろう。

*SDGsに行きつく。そうした社会を残す責任。

*人のつながりが原動力となればいいなぁ…。困難に直面した時、人に助けを求めるのは弱さじゃない。努力は大切。プライドも大切。

*稼いでいる~勝ち組 稼いでいない~負け組 この価値観を新しく作りかえたい。 (   )~勝ち組 (   )~負け組  (   )内を考えていきたいし、勝ち負けを考えない社会へ変わっていきたい。

*次は、「私とは何か?」「自分とは何か?」のテーマ・問いでやりたい。

 

 

(記録:本間正己)

 

【第311回記録】人生カフェ・読書会『差別の哲学入門』・問い「差別はなぜ悪いのか?」・オンライン

第311回目の人生カフェは、令和4年11月26日(土) 14:00~16:30、9名(男性3名・女性6名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)の読書会という形にして、差別について考えていきます。今回はこの本の第2章「差別はなぜ悪いのか?」を読んでいることを参加条件にします。

ここはお悩み相談、カウンセリングの場ではありません。ディベートの場でもありません。話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

問い:差別はなぜ悪いのか?

この本では4つの問いと答えに分けて説明しています。

①心理状態説:差別者の心や態度に問題があるのか

②害説:害が大きいから悪いのか

③自由侵害説:自由を侵害するから悪いのか

④社会的意味説:被差別者を貶めるような社会的意味をもつから悪いのか

この4つの説についての疑問や意見を出し合いながら、対話を進めていきます。

(次回の問いは「差別はなぜなくならないのか?」の予定です。)

 

☆問い出し

参加者には、この本を読んでの自らの問いを1~2個発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。小ネタでも、大ネタでも。

(例)本人が害とは感じていない場合は差別とは言えないか?

(例)自由侵害説は害説の一部として捉えていいのではないか?

 (例) 差別の社会的・歴史的意味合いを学ばないと差別を理解できないのか?

*差別を拾いすぎる事(多元説)は悪い事なのか?

*自分が持っている刷り込まれた価値観を、いつも「横に置いておく」にはどうすれば良いか?

*心理説、害説はなぜ心に響くのか?

*差別を理解するために社会的、歴史的事を学ぶデメリットはあるのか?

*差別する側とされる側の意識の違いは折り合いをつけられるのか?

*みんなの理解、納得、同意が出来たら差別は悪くないのか?

*社会的意味説の中に全てが入るのではないか?

*差別意識は教育によって変えられるのか?

 

☆問い決め

参加者から出された問いから、口火を切ってもらう小ネタ一つ、大ネタ一つ、計2つくらいを今回はファシリテーターが決めさせてもらいます。

① 心理説、害説はなぜ心に響くのか?差別を理解するために社会的、歴史的な事を学ぶメリット・デメリットは何か?

② そもそも差別は本当に悪いことなのか?

 

休憩後、フリーに対話を行った。(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

① 心理説、害説はなぜ心に響くのか?差別を理解するために社会的、歴史的な事を学ぶメリット・デメリットは何か?

●心理説、害説は、単純で分かりやすい、直観的であるから心に響きやすい。

●直観的とは何か?

●直観的とは、理由や論理を明確に示さなくても、直接的に短時間で判断できること。その人の有している経験、記憶、知識などにも左右される。

●衣食住(選べる服、食べ物、住まいなど)の差、苦役の差などは、どのような社会、時代でも差別と感じられるのではないか?

●社会的とは、集団的ということ、ある程度人数がいるという広がりを持っていることである。歴史的とは、固定的、パターン化しているということ、ある程度時間的な長さを持っているということである。

●社会的・歴史的な事実、意味を学ぶにしても、その内容による。教育の仕方によっては、間違った差別感が植え込まれる。

●基本的人権を学ぶ人権教育は大きな意義がありそうだ。

 

② そもそも差別は本当に悪いことなのか?

●人は他人に対して、常にその良し悪し(価値)を心の中で判断している。

●しかしながら、それが他人に対して具体的な不利益を与えていいことには繋がらない。

●不利益とは何か?

●「幸福な奴隷」、「満足な主婦」をどう捉え、考えるか?

●身分制(士農工商、僧・貴族・平民など)が明確にあった時代は悪い時代か?身分制が廃され(四民平等、市民革命など)、自由と平等が掲げられた近代はいい時代か?

●人間の限界はバイアスから自由になれないところだ。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○新しい直観を増やす。

〇人間が社会の中で生きていくために差別による他者への不利益を出してはいけない。だから差別をいけないと思う。

〇自分がひどい差別を受ける可能性を想像してみよう。差別がはびこる社会を想像してみよう。身分が明確にある時代を想像してみよう。自分や家族に多大な不利益を発生させるから差別はよくない。

〇しばらく「差別」について考え、疑問も増えそうです。

〇差別から学べる事。

〇直観と差別 今後も考えたい。

〇このモヤモヤをどうしたものか…。

〇差別にということは普段あまり考えていませんが、この機会に考えられたことはとてもよかったです。差別する行動は、基本的人権侵害ということにも当てはまるかと思います。来年持ち越しの議題継続ということで楽しみにしています。よいお年を。

 

 (記録:本間正己)

 

【第310回の記録】映画「アイム・ユア・マン~恋人はアンドロイド~」

第310回目の人生カフェは、2022年11月20日(日)午後14時00分~16時30分 計4名(男性3名、女1名)で、オフライン・リアル(東京都新宿区立新宿消費生活センター分館 会議室)で実施された。

(進行:本間正己)

 

最初に、自己紹介と感想を共有した後、

この作品を鑑賞後の問いを出してもらった。

 

【問い】

小ネタ(映画に関連する問い)

・アルマはトムを(本当に)愛していたのか?

・終盤、トムがゴミ箱にもたれかかっていたのも、アルマのため?

・この先アルマとトムはどうなるのか?

・アルマの職業‐古文書解析の学者(特に詩や隠喩の研究)というのは何か意味があるのか?

大ネタ(抽象的な問い)

・ロボットに自分の心が読まれて良いのか?(ロボットだけでなく、相手に自分の心がよまれたくない)

・AI技術が発展すると、人型ロボットはできるのか?

・人間の思考とロボットのアルゴリズムはどう違うのか?

・アルゴリズム(プログラム)で自分の欲求を満足できる(させられる)ことは幸せなことなのか?

 

映画に関連する問いを入口に対話を進めた。

 

【対話後の感想・気づき・新たな問い】

・女性の依存から自立へを描いたひとつの作品としても見られた。

・一般的な女性ではないない7%のドイツ女性を描く女性監督ならではの映画だと思った。

・人型ロボットでなくても孤独を癒すロボットは既にある。最後に主人公が言う、「自分の欲求を満足してくれるロボットに依存、暮せば誰もが普通の人間と交流できなくなる」というのはどんなことなんだろう?

・私と他の方たちとで、覚えているシーンや印象に残っているシーンがかなり違っていて、そこが面白い!!(例えば「私は神を信じない」という回想シーンとか)

・人間の心は移ろいやすい→ロボット(AI)でどこまで出来るのか?

・人間は、修正やアルゴリズムだけで発展していない→偶然による発見が重要。

・恋愛は、価値観の相違の接点。

 

【記録者後記】

今回は、ドイツの女性映画監督の映画を取り上げました。

人間とAIの近未来を予想させる映画を素材にした対話は、最初気になる場面をDVDで確認しながら始まり、人間とAIの違いについて、最後は孤独と依存、女性の自立の話しへと展開していきました。同じ映画という素材を元に問いについて考えることで、他者の異なる視点や考えを知り、映画の見方が広がったり深まったりした楽しい回となりました。

 

 

(記録:田中あけ美)

 

 

【第309回記録】人生カフェ・デスカフェ風・問い「死後にも私の何かがある?ない?」・オンライン

第309回目の人生カフェは、令和4年11月17日(木)午前 10時~12時30分、18名(男性8名・女性10名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

今年の1年間は随時、「死」について考えています。

デスカフェ風にカジュアルに死について話をしていくとともに、哲学対話的に問いを出し合いながら考えています。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。また、自殺を誘引するような話はお控えください。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

 

死について考えるにあたっては、そのアプローチとして、「一人称の死(わたしの死)」、「二人称の死(近しい者の死)」、「三人称の死(だれかの死)」という分け方があります。

今回は、一人称の死について、その死生観を問います。

死後にも私の何かしらが存在する、残る、継続するといった死生観を、ここでは仮に「宗教的死生観」と呼びます。それは、「魂」といったものかもしれないし、輪廻転生といったものかもしれないし、天国や極楽といった世界のことかもしれません。

死後には私は何も存在しない、残らない、継続しないといった死生観を、ここでは仮に「科学的死生観」と呼びます。

どちらとも言えないといった死生観も当然にあります。

これらの死生観について、対話しましょう。

(ここは結論を出す場ではありませんし、ディベートでもありません。)

 

まずは、導入のプログラムである。

あなたは「宗教的死生観」、「科学的死生観」、「どちらとも言えない」の3分類した場合、ざっくりと言ってどの死生観をお持ちですか?最初に態度表明ができる人は回答をお願いします。

 ◎ zoomの名前の前に表示してください。

宗教的死生観~〇 科学的死生観~× どちらとも言えない~△

(例)〇ホンマ

 

*それぞれの死生観を持った根拠や理由を述べ合います。

(例)〇:私の死後、先に亡くなった母と会えると思っているから

△X:自分とは何か に 帰着。どのような原子分子が集まれば自分になるのか 自分ができるのか

〇✕:△かなと思いながら、ん?ちょっと違うと思いました。死後の色々を信じたい気持ちがありますが、そう願うという事は「ないのでは?」という気持ちの現われかと思い〇✕としました。

✕:主体、主観を持ち続けることに耐えられないから

×:あの世に行ってまで、会いたくない人が多いです。会いたい人には、今、心の中で会っていればよいのではないかと思うので。

×:人が死ななければ行けない世界(天国)などあろうはずがない。そんな考えがあるから自殺者が無くならない

△:知りようがないので、余り考えていない

▽:囚教は単なる思い込み。政府は脱税者を牢屋にいれるほど税金が欲しいのに、囚教だけ無税にしているのは、宗教が有った方が管理し易いだけに過ぎない。

○:なぜか昔から輪廻転生を疑問もなく自然に受け入れている。肉体は滅ぶけど魂の存在は信じている。それが無いのならお墓とか神社仏閣は要らないと思う。

△:宗教的思想感、そう思いたいですが、それが合ってるかどうかはわからず、かといって、科学的にも一刀両断はできないと思っています。どちらでもよく、本人が自由に思うことで、まろやかさが出るのでは?

◯:死は元来、古代から伝わる死への霊を祀る要素があるからです。日本と諸外国も歴史的に同じような行為が見られました。

△:身体がなくなれば何もないと思うこととそうとばかりは言えないと思う気持ちがあって三角です

×:思いと言うのは、脳の神経細胞があるからで肉体とともに、脳神経も消滅したときには、何もない。あくまでも、残された人々の、希望的思いと、本人の、希望的安息であろう。大体、宇宙無限大といえども、原生の昔から、全世界の、死者の魂が、あったらどうなるのだろう?

○:成長する存在として!

△:取りあえず、ここでは「どちらとも言えない」の積極バージョンを「哲学的死生観」と呼んでおきたい。宗教的死生観、科学的死生観とも疑っている、信じきれない、もっと考え続けたい。あわよくば、両者の死生観のいいとこ取りをしたい。「ない」を証明するのは難しい。この哲学的死生観もメリット・デメリットがある。

 

*それぞれの死生観のメリットとデメリットを出し合います。

(例)科学的死生観×

・メリット~ある意味潔い。かえってこの世の人生を大切にできる。

・デメリット~死後への希望や期待を持てない。

(例)宗教的死生観〇

・メリット~死後についていろいろ希望や期待を持てる。

・デメリット~根拠や理由を説明しにくいので、信仰のようなものがないと考えが揺れる。

(例)哲学的死生観△

・メリット~死について問い続け、考え続けることができる。

・デメリット~いつまでもモヤモヤが続き、不安感がぬぐえない。

 

*その後、自由に対話しました。(記録者が印象に残った一部のみ記載しました)。

●死=次への単なるドア。次の部屋に入る時に、ドアを開けている作業をじっくり感じながら味わいながら移動する人は少ない。

●死後よりも、そもそも今 既に死んでいる人は多い。生きていても、他人の囚教とか恐山とかディズニーランドに夢中=他人の思考に生きている人は多い。死後に在る無しよりも、囚職・囚教・囚客に囚われて、今 「生きて無い」人は多い

●死が有った方が集金しやすいので、便利。戒名とか墓とか1周忌とかが有った方が囚金し易い♪

●死の定義:心肺停止、脳死とかで判断していいのか、確かに時代ごとにアップデートするべきだと思います。

●あるか、ないか、決めつけなくてもいい!

●甲乙、勝ち負け、どっちが正しいかはそれぞれ価値観が違い、答えは出せません。これまでもその時代では正しいとしていたことが後になり、全く持って正しくなかった、ということは露呈されています。ダブルスタンダード的思考が益々必要になる感じがします。

●あると考えた方が、気持ちが楽かと思います。死後があろうがなかろうが、今は大事と考えることができます。

●この世に自分の天国♪…作りたいと思います。でも、死んだらそこに居られないのかと思うと死ぬ瞬間にものすごく怖い気持ちになりそうな気がします。

●科学的死生観=死後は無い

メリット:無いのだから、不安も無い

デメリット:怖がらせて集金出来ない。墓が売れない(ToT)

●宗教の死生観=死後はある

メリット:色々思えて楽しい。成長のため努力する。お墓が売れる。\(^o^)/

デメリット:「他人の思考」を嗜好してしまう。良いお墓、高いお墓指向になる。地位財思考になりやすい。宗教に囚われて囚教になって抜けられなくなる。。。

●死を考えることは、生を考える事でありたい。同時に、生を考えることは、死を考えることでありたい。

●死に切る 生き切る♪

●宗教とか本とか他人の考えを話し切った後の、その人独自の考え♪

●「分からない」に問いを投げると、補助線になる♪

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○死後を考えることができるのは生者の特権

〇この世の自分なりの天国、楽しみ続けたいと思います。

〇ありがたいモヤモヤ感

〇老いても死後も成長!自分の生と死に責任をもつ 

〇感想です。気持ち的には、これから始まる感じです。

〇死後については、とりあえず何かを信じて、当面を生きていくということになりますかね。

〇問い:生きるとは何だろう♪

〇お聞きしていて 心地よく居眠りしていました 哲学とは 

〇死を見つめて一日一日を一生懸命に生きる

〇死について考えることは生について考えることという言葉が響きました

〇新たな気づきから、確信への気づきへ、変更‼.苦樂とは、死にたくないのに死なざるを得なかったのが苦死!生き切った人の終息感が樂死!

〇死について愛する人との別れの悲しみなどありますが、日常的になりました

〇多分、たいていの日本人は曖昧な死生観、宗教観で生きていると思います。おかげで神社仏閣は安泰です。反対に、宗教的な国では戦争が頻発しているように思いますが。

〇生ききる…。憧れます。  気楽に死の話がしたいと思います。

 

(記録:本間正己)

 

【第308回記録】人生カフェ・哲学対話・オンライン・テーマ「モチベーション」

第308回目の人生カフェは、令和4年11月13日(日)午前10時~12時30分、11名(男性5名・女性6名)の参加者のもと、オンラインで実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

●テーマ

今回のテーマは「モチベーション」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

 

皆さま、ご自分の「やる気スイッチ」は持っていますか?

私は持っておらず、仕事も家事もやる気の波に振り回されること数十年。

今や諦め気味ですが、先日参加した哲学対話で、仕事に私情を挟まず優先順位を付けて進められる人の話を聞き、感嘆しました。

そして、それと同時に、そうした意欲や動機づけの違いに興味を持ちました。

モチベーションは一体どこから湧いてくるのか、コントロールできるものなのか?

よく言われる「まず手を動かすことがモチベーションを産む」というのは本当なのでしょうか。また、一般的に「やる気がない」のは悪いこととされていますが、何故なのでしょう?

今回は皆さまと一緒に、モチベーションについて考えられたら嬉しいです!

 

●導入のプログラム

まずは、導入のプログラムとして、自己紹介とともに、自分にとってモチベーションが湧く場面、または湧かない場面についてどちらかを話してもらった。

(例)…行きたいイベントのチケットを探して、予約・購入するまでの過程は非常に燃えます。

・おいしそうなラーメン店に行くとき。

・私のやる気スイッチ:顔を洗う、歯磨き、背伸び・ストレッチ、筋トレ、神社参拝+散歩、ヨガの一連のルーティン、楽しい予定を入れる。

・湧かない場面です。暑い・寒い・天気が悪い時です。

・自分が考えたいテーマの哲学カフェ。忙しいときに暇そうにしている職場の人を見るとき。

・初めての体験の時モチベーション高まる。決まりきったことを惰性でやるとき低くなる。

・冬の朝、布団から出ようという気持ちが起こらない。ケ-キの詰め放題はやる気が出ます。

・人間関係が良い時。

・湧く場面…オンラインに参加するときの期待感が湧きますね。湧かない場面…病気を気になるとき、薬を飲むとき。

・わかない時です。苦手な人に会わなければならない時。

 

●問い出しと問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。出された問いは次の通り。

・生きるにはモチベーション(哲学)が必要なのか?

・モチベ-ションは誰のためにあるのか?

・モチベーションとは何か?

・やる気スイッチがあるとしたら、どこにあるのか?

・モチベーションのもとは、好き嫌いなのだろうか?

・モチベーションを継続させるためにどうしたらいいのだろうか?

・やる気がないのはやりたことがないためなのか?

・モチベ-ションと結果の関係は?

・嫌いなことにもモチベーションは湧くか?

・やる気がないのは悪いことか?

 

この中から投票で入口の問いを選び、後半の対話の問いは「モチベーションを継続させるためにどうしたらいいのだろうか?」が選ばれた。

 

●対話

その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

・モチベーションを継続させられないのはなぜか?モチベーションを瞬間的に上げることはできても、その点が線や面となるようには続かない。

・そもそもモチベーションの継続はよいことなのか?

・自発的だからやりたいと思うし、継続する。強制では継続しないのでは。

・モチベーションとやる気は違うと思う。モチベーションはやりたくないこと、できないことをやるための力ではないか。

・結果を出したいけど、それに対しての努力が継続できない事がある。結果を出したい…というのが、ハードルが高い。

・やりたくないことを続けるためには仲間がいること、人とのつながりが有効。

・モチベーションの根源に欲求や欲望がある。持続させるには鼻先に人参をぶら下げておく、つまり喜びや快感を都度得られるシステムがあるといい。

・ボランティアはお金も時間も損してしまう持ち出しだけど、やる人が多い。そのモチベーションはどこから?

・ボランティアをすると自己肯定感が高まるのではないか。

・モチベーションを調べたら動機付けのほかに、やる気・意欲の意味も出てきた。企業が研修などで使い始めた言葉ではないか。

・モチベーション向上には外発的要因と内発的要因がある。外発的は昇進や昇給など。継続には内から湧き出る内発的要因が必要。

・自己肯定感はあいまいで尺度がなく、わかりにくい。自己肯定感を考えると、ボランティアはそれを高める手段の1つ。満たされたかどうか、自己肯定感を実感できたかどうかが大事。

・モチベーションは競争の効率化や効果を求めるビジネス用語なのではないか。個人のやる気を出させるにはどうすればよいかを求めている。

・モチベーションは自然に消えていくが、なくなったらそれでいいのではないか。

・企業が社員にモチベーションを継続させるには、会社のファンや信者になってもらうことが近道。そうすれば会社と自分を自己同一視して、自発的に会社のために動いてくれる。

・昭和の時代は会社のためにモチベーションを高めることが求められたが、今はそれに反発している時代。社会にすり込まれてきた反省からきている。今は怠け者を肯定する時代ともいえるが、だらだらすることが満足になるのか?

・社会・会社の軸から自分軸に変わってきたともいえる。自分にとって長いスパンでみていいものを求めていくのが継続につながるのでは。

・モチベーションは企業のためのビジネス用語であるなら使いたくない。モチベーションがない方が冷静でいられるのでは。ファンや信者になることは洗脳に近いと思う。

・継続できない時や結果が出せない時、短期的には、自己肯定感がだだ下がりになる。あと、もう少しで手が届きそうなハードルの高さを目指すのは自己肯定感を上げるのにとても役立つように思う。

・モチベーションの言葉を使わなくても、自発的に生き甲斐や使命感を持ってやっていける。

・企業が求めるモチュベーションは結果を求めてのことだと思う。内在からでるものはその過程を楽しめるものだと思う。

・かつてアプリを使ったダイエットに成功した。トライ&エラーをしてみないとわからないこともある。

・痩せなくてもいい、このままでもいいという考え方もある。やりたくないことはやらず、楽しいことをやることの方が仲間ができるなどのおまけがついて、それがまた継続の力になる。

・教育においてもモチベーションは用いられる。かつては競争させることでやる気を出させていたが、その価値観ばかり刷り込まれると人格にゆがみが出てしまうことも。

 

●振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

・考える機会をいただきありかとうございます。

・教育の最重要項目は「モチベーションの創作」だと気付けました。

・継続できない時は、もう「なんでそうしたかったのか」を自分と対話してみようと思いました。そこから必要な事がみえてきたらそれがモチベーションになるかな。あとは、アプリも含め、仲間の力を借りる。

・困難な状況で生き残るためのモチベ-ションを保つにはどうしたらよいのか?

・モチベーションという言葉には前から違和感があった、今後は「やる気」を使おう!努力している自分が好き、結果は求めない。気づいたら継続してた、が理想。途中で休みがあってもいい。

・好きなことを行動する。好きを極める。

・現代は、モチベーションを高めないといけない、継続しないといけない、といった強迫観念は少なくなってきた気がする。そういった中で、若干使い古されたモチベーションをどう考えていくか?

・好き、だけでは継続は難しいかもしれませんね。継続しようと思わなくても続いてる、というのが理想なのでしょう。

・モチベーションは自律的・主体的な行動にあると思います。他律的な行動は歪みを生じます。政治(自分達のための民主化運動)・宗教(マインドコントロールによる作用が人を破壊する)も同じことが言えます。今回のお題は人間にとってとても大切な意味がありました。ありがとうございました。

(記録:羽田美里)

 

 【第307回記録】人生カフェ・女性編・テーマ「食育」オンライン

第307回目の人生カフェは、2022年11月10日(木)am10時~12時30分、11名(参加者9名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、Zoomを使ってオンラインで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

女性の方のみを募集し、原則カメラオンで行われた。

(PRの際の案内文は以下のようなものである)

*************

2005年に制定された「食育基本法」

「食育によって国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことを目的としている」

食育というと、子ども達に向けたもの…というイメージがありますが、中高年にも関係がある生涯のテーマです。

皆さんにとって「食育」とは、どんな事でしょうか?

身体は食べたものでつくられる。

旬の食材を使った主菜に副菜、あったかいお味噌汁や炊き立てのご飯。

美味しくて元気が出ますよね。

外食を楽しんだり、スーパーやデパ地下のお惣菜、デリバリーサービス…

選択肢が広がった現代、「食育」をどうとらえ、考えていけば良いのでしょうか。

また、「食育」という言葉が使われていなかった頃からの食についても、

「今、考えるとあれって食育だったなぁ」とか「これって子ども世代にも伝えていきたいなぁ」

など、色々あるかもしれません。

実りの秋。

私たちの食卓感覚で「食育」について語り合ってみませんか?

*************

◉導入のプログラム

自己紹介とともに「自分を育んでくれたなぁ」と思う食の思い出を1つお話ください。

(例)…子ども時代、食卓によく登場した「だんご汁」。冬の定番おやつだった「かんころ餅」。

両親それぞれが生まれ育った土地の郷土料理と知ったのは大人になってから。改めて九州愛が深くなりました。

〇朝食に野菜を多く取ること

〇海外に住んで、「和食がサイコー」と思いました。

〇料理上手な祖母のマッシュポテト。

〇「魚の骨が喉に引っかかった時はご飯を一気に流し込む」ことを教えられた。

〇両親の食の好みがちがっていること。

両方とも食いしん坊だったのに。

〇忙しく、料理も好きではなかった母。それでも母の作った「名もなき一皿」が時々恋しくなる。給食のない学校で、わが子は三食私の手料理。そのことに大変責任を感じる。

〇今日も宜しくお願いします。出身は山口県岩国市ですが、名物の岩国寿司を母が良くお祝いの時や親せきで集まったとき作ってくれたのを思い出します。郷土料理はいいな、と思います、仕事で全国各地に行ったとき、地元の特産物を使って作られた郷土料理は温かみがありますね。

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

(例)…心が育つのに「食」は、どう影響しているのだろうか?

〇頭で食べる?心で食べる?栄養学と食べ方とどちらが大事か?

〇大人にとっての「食育」とはなんだろうか?

〇何がどうなったら食育はうまくいってるといえるのか?

〇いきすぎた食育とは?

〇なぜ食育は美味しいを排除しているのか?

〇孤食・個食より、こども食堂・深夜食堂等に行った方がいいのか?

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇何がどうなったら食育はうまくいってるといえるのか?

◉その後、約60分フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇大きくなってから食生活が乱れている子どもを心配しているが、

「健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことを」ができていれば良いのではないか。

〇海外で暮らしていると、糖尿病で脚を切断した人をよく見かける。そうなる前に法律があるという事にホッとする。

〇改めて。この法律ってなんで出来たんだろう。罰則もない法律でよくわからない。

〇法律ができたのは、寿命と健康寿命の差を縮めるためもあるのでは。

〇昔はよその子どもでもご飯を食べさせてあげるような文化があったが今はない。子ども食堂などができたのはその影響もあるのでは。

〇日本の食材は安心だが、外国で暮らしていると食品の表示をかなり気にして苦しくなってくる。どこまでこだわるかバランスが大事。

〇海外で暮らしていて、文化として屋台での食事が標準だが、自分には合わない。「食を選びましょう」という事は言われているがメニューも含め、カスタマイズしていくことが大事なのでは。

〇子どもの頃、親が食事を残させてくれなかったのが辛かった。

〇仕事などで忙しい時には無理をせず、色々試しながら考えたり失敗から学んだりして生活できる事が、食育がうまくいくっていうことなのでは。

〇1人1人にかかっているのでは。何をどれくらい食べれば健康が維持できているかを把握できるようになっていて、感謝して食べる事ができる事が食育の成功ではないか。

〇食を考えてしんどくなるより、もっとおおらかになって良いのでは。

〇個人の事も大事だが、食育をすすめていけるように、国が食物の生産など環境を整える事も大事。

〇日本では、お弁当を頑張りすぎなのではないか。また、食べる事も大事だが食べない事が体に良い場合もある。色んな方面から見ていくことも大事。

〇学校給食でも残せないようなルールがあった。1度でも給食を残したら、余ったプリンのじゃんけんに参加させてもらえなったので、みんな頑張って食べていた。身体が小さかったのに大きい子と同じ量を食べるのは大変だった。

〇食べる事は個人的な事で幸福感に繋がっている。誰かにそれを色々言われたくはない。一方で身体の声を聴くという訓練は大事。

〇凝ったお弁当の反動か、最近は「だけ弁当」(おかずが、からあげだけ・だし巻きだけなど)が流行っている

◉最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇食育は教育のひとつ。

日本の給食内容は水準高い。

客観的指標(栄養学、医学等)と主観的なもの

統計的・多数的と私的なもの

美味しいというのは単なる欲望なのか?

グルメ(食を楽しむ)は悪か?

〇残す・何を食べるかなどチョイスが大事

〇低血圧には対策が無いと思ってましたが!

お出汁を飲み干すだけでいいんですね~

有難うございます❤️

〇食育とは、受けた人がどう受け取るか?なのかなと思いました。

〇食育基本法について、初めてその内容を(さらっとですが)知りました。

人によって体の大きさも体質も異なるのだから、自分に合った「食育」を今後も見つけるべく、試行錯誤していこうと思いました。

〇食事ができることに感謝し、自分に必要な物と量を日々自分の体の声を聴いて判断できるようになる バランスが大事

〇愛(自分への愛、他人への愛)良い人間関係があれば食育は要らない?

〇「毎食おいしくいただくこと」

〇ラーメンの汁は一例ですが、詳しくは『本当は怖い「低血圧」』永田勝太郎著をお勧めします。朝に一欠片のチェダーチーズ、コエンザイムQ10も有効だそうですよ!

〇食(食育)について考えると幅も深さもかなりのものだなと思いました。ありがとうございました。

〇食育に取り組んでいるフランスの給食のことを言い忘れました。

 

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

オトナならでは食育について対話でき、今回私は「共通了解とそれぞれの違い」を感じる事が出来ました。

改めて。

ファストフードやコンビニ食もたまには取り入れながら、無理をしない…っていうのも大事ですね。

身体の声を聴きチョイスする事や、美味しく味わい感謝しながら「食」を楽しみたいと思います(^^)

 

【第306回記録】人生カフェ・問い「差別とはどういうものか?」・参考図書『差別の哲学入門』・オンライン

第306回目の人生カフェは、令和4年10月29日(土)午後2時~4時30分、11名(男性3名・女性8名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

差別には、性差別、障害者差別、外国人差別などいろいろあります。

「差別」について、3回くらいに分けて、哲学対話をしていきたいです。

その際の参考図書は『差別の哲学入門』(池田喬・堀田義太郎著、アルパカ出版)です。

今回はこの本を読むことを参加の必須条件にはしませんが、序章と第1章だけは読まれることを推奨します。

ここはお悩み相談、カウンセリングの場ではありません。

話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。

 

問い:差別とはどういうものか?

差別の捉え方、定義等に関する問いです。

参考図書『差別の哲学入門』においては、差別の一般的な捉え方として、以下のテーゼを提示してくれています。

「差別とは、人々の間に何らかの特徴に基づいて区別をつけ、その一方にのみ不利益を与える行為である」

これは、まずは「区別」には、「単なる区別」、「特徴に基づいた区別」、「不利益を与える区別」の3種類があるとします。その上で、不当で悪質な「差別」を、特徴に基づいた区別と不利益を与える区別が重なるところとして捉えます。

我々もこのテーゼを出発点にして、いろいろな角度から考えていきたいと思います。

この本では区別か差別かの分類が難しい例として、以下の4つを取り上げています。

①アファーマティブ・アクション

②ヘイトスピーチ

③ハラスメント

④いじめ

(翌月以降の第2回目に取り上げる問いは「差別はなぜ悪いのか?」、第3回目は「差別はなぜなくならないのか?」の予定です。)

 

☆問い出し

参加者には、今回の問いやこの参考図書の内容について、自らの問いを3個以内で発表していただきます。

具体的な問いでも、抽象的な問いでも。小ネタでも、大ネタでも。

(例)歴史的意味合いを学ばないと、差別を理解できないのか?

(例)なぜ差別について考えるのは難しいか?

その問いの背景、理由等について1~2分くらいで話していただきます。

*差別されている側が不利益を感じていない場合、差別ではあるがその問題点は何だろうか?

*「女性サービスデー」「高齢者サービスデー」は差別なのか?

*自分の持っている偏見に気づくにはどうすればよいか?

*差別と差別感の違いは何か?

*差別は一人では生じないか?             

*差別の感情は人間して生きる上でなくならないのでは?なくする方法はあるのか?

*ジェンダ-ハラスメントが性差別であるといえるのは女性差別だけなのか?

*女性優遇方針は いつか無くなるべきなのか?

*差別語をなくすと差別は無くなるのか?

*差別のない社会の実現は可能か? 

*差別する人はどんな心理状態か?

*どんな時無意識に差別してしまうか?

*社会不安が差別をうむのか?

*平等と差別

 

☆問い決め

今回は差別についての第1回目の対話だったので、参加者から出された問いから、ファシリテーターが2つくらいの問いに絞る。

① 差別はなぜ生じるのか?

② (性差別、ジェンダー・ハラスメントなどをめぐって)

ジェンダ-ハラスメントが性差別であるといえるのは女性差別だけなのか?

女性優遇方針は いつか無くなるべきなのか?

 

休憩後、フリーに対話を行った。(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

① 差別はなぜ生じるのか?

●心理的要因(主観的要因)、社会的要因、文化的要因(国によって異なるなど)、言語的要因(差別語など)等々がある。

●選民意識を刺激して、働かせたり、活動させたり、購買意欲を駆り立てたり、何かの利益をうむ為もあるかと思う。商品の差別化など。

●自分を上へ、相手を下に見たいという上下意識・心理。

●自らの向上心と差別意識は裏腹か?

●知らないものを遠ざけ、同じもので集まることによる安心感を得るため。それは一種の防衛反応であり、同族の保存本能である。

●教育が差別意識を助長したり、解消したりする。この子供の頃の教育の影響は大人になっても続くという意味で大きいものである。

●事実を正確に、詳細に知ろうとしないで、表面上のこと(性別、人種、障害など)で一面的かつ単純に判断してしまうことが差別を生んでいく。

 

②(性差別、ジェンダー・ハラスメントなどをめぐって)

ジェンダ-ハラスメントが性差別であるといえるのは女性差別だけなのか?

女性優遇方針は いつか無くなるべきなのか?

●女性の男性に対するのは差別ではないというのは、長年弱きものだったものが強きものに対するのは差別でないという考えですか?

●女性から男性に対するセクシャルハラスメント、ジェンダーハラスメントは、特徴に基づいて不利益をもたらす行為であり、差別のように見えるが、歴史的・社会的に捉えると差別ではないと、この参考図書では述べているように思えるが……。

●従来の男女の違いだけではなく、LGBTの人たちも含めた考察が求められている。

●差別は本当に悪いことなのか?⇒「差別はなぜ悪いのか?」については、参考図書の第2章で次回に取り上げる予定である。差別されている側の不快・苦痛の問題、自由が制限されている問題などが考えられる。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○差別が見えていない事と差別が無いは別のことではないのか?

〇私一人で読んでいるだけでは得られない視点をいくつもいただきました。読書会の楽しみです。ありがとうございました。

〇今日はいじめの話は出ませんでしたが、P76「いじめは見抜けなかった」これはどの差別にも通じると思います。性暴力で声をあげた五野井さんのことなどもまさにそうではないかと思っています。気づく・見抜く為に、どんな世代のどんな立場の人でも差別に対して考えていくアンテナをはっていく場はとても大切だと思います。

〇本を読んでみますが、Hさんが著者に同調するのは男性だからなのか検証してみます。

〇差別のテーマ良かったです。今後も深掘りしたいです。

〇思い込み/偏見/レッテル貼り(無意識)⇒ハラスメント/いじめ⇒差別 された側の受け取り方で差別になりうる 男女それぞれに父性と母性が備わっている⇒性別を意識しすぎることが差別になる?

〇差別される側が差別されている事を知りながらも不利益がなければ、それは差別ではないのか?

〇人種や性別がモノゴトの判断の根拠とされる不思議…

 

 (記録:本間正己)

 

第305回人生カフェ・哲学対話・オフライン・テーマ「学ぶ」

第305回人生カフェは、令和4年10月23日(日)午後2時~4時30分、新宿消費生活センター分館において、10名(男性6名・女性4名)の参加者のもと、オフライン・リアルで実施された。(進行役:羽田美里、本間正己)

 

●テーマ

今回のテーマは「学ぶ」であった。

(PRの際のリード文は以下の通り)

大昔、「学ぶために生きるのか」「生きるために学ぶのか」で友人と大喧嘩をしたことがあります。どちらも全く引かなかったため、そのまま流れてしまいましたが、印象的な記憶として残っています。

 

その問いの結論は今も出ないままですが、思えば人はこの世に生まれ、外界に触れたときから、毎日が学びの連続です。周囲の環境を知り、社会に適応し、生きていけるように成長して大人になっていきます。

 

学ぶことが本分だった学生時代が終わっても、私達の学びはずっと続きます。生涯学習やリカレント教育などが推進されるようになりましたが、大人になってからの学習は、若い時分と何が違うのか?そもそも私達はなんのために学ぶのでしょう。

学ぶことについて、皆さまと一緒に考えてみたいと思います。

 

●導入のプログラム

まずは、導入のプログラムとして、自己紹介とともに、1)あなたが最近学んだこと、または 2)学生時代の勉強の思い出について、どちらか1つ話してもらった。

(例)…

1)仕事で農業関連の情報を日々取り入れていますが、勉強している実感は薄いように思います。

2)ほぼ一夜漬け派でした。そこそこ要領が良かったものの、学年が上がるにつれて、あまり通用しなくなっていきました。

 

・古本屋通い(昔の考え方)

・夏から俳句をつくってみている。謙虚さが学べると思っています。

・フレイル。予防&なってしまっても復活できる

・人間が賢くなるために必要なこと(方法)は人・本・旅。最もコスパの良いのは本。→コスパの悪い、もしくはリスクがあるのは旅。でも感動するのは旅

・現在、学んでいること。 

1. ジャズダンス (B.D.C)

2.ウクレレ(キヨシ小林先生)

3.料理 (ABC etc.)

・人生の生きる目的3つ。 1.愛すること 2.英知を働かせること 3.創造すること

・大学で理系から文系(教育哲学)に転部した。

・先生の人柄、教える情熱によって勉強

(その教科)が好きになった。

 

●問い出し・問い決め

次に、テーマについて自由に問い出しをしてもらった。

出された問いは次の通り。

 

例)…学ぶために生きるのか、それとも生きるために学ぶのか?

・学ぶと遊ぶの違いは?

・なぜ歴史は繰り返すのか?結局人類は学ばないのか?

→戦争はくり返される。バブル→崩壊→再興→バブル(History repeats it self.)

人類も個人も学びきれてないまま、同じ失敗をくり返している。

・(大人は)何の為に学ぶのだろうか?

・生きるために学び続けなければいけないのか?

・学ぶの語源はまねぶ(マネをする)と聞いたことがあるが、学んだそのあと、自分自身がすべきことってなにか?

・学ぶとは恋することか?

・必要のないことについて考えられるのか?

・古典にみる愛に学ぶとは?

・学ばない人生を考えられますか?(学びが無いと人間は成長しないのでは?)

 

以上から、多数決によって、後半の対話の問いは、「なぜ歴史は繰り返すのか?結局人類は学ばないのか?」が選ばれた。

 

●対話

その後、フリーに対話は行われた。(一部のみ記録)

 

・国や人類は戦争の傷・記憶を受け継がない、平和を守るシステムが機能しない。個人は同じ失敗を繰り返し学んでいない。学んだ気になってるだけなのでは。

・一方で人類はそれなりに学んできたこともある。科学や医療、機器は進歩している。

・個人の学びの例として、夫婦喧嘩をしなくなることもある。

・戦争や恋・愛において学んでいないのではないか。

・学ぶとは何か。失敗=悪いことなのか?失敗も体験になるのでは。

・戦争は失敗なのか?繰り返しているのは失敗ではなく、意味があるのでは。

・失敗から学ぶには科学的思考・合理的精神が必要であり、それがあって失敗を防げる。

・学ばない部分には人間の欲が絡んでいる。理性が働かず、学びより欲が勝つのでは。

・戦争は失敗というより、価値観の違いではないか。やりたいことをやるために人が死んでもよいという価値観。

・外交の最後の手段として戦争がある。したくなくてもせざるを得ない状況もある。

・戦争を起こすのは強者であり、弱者はそれに振り回される。

・時の権力者が戦争を起こすが、その時の時代や人によって価値観が異なる。

・戦争から人類は学んでいるのか。悲惨すぎて生の情報を伝えていない、都合が悪い情報は伝えていないという問題もある。

・ゲルニカなど、芸術をもって伝えるというやり方もある。

・戦争はダイバーシティ(多様性)を極端に認めない状態。

・人は欲や価値観の違いから失敗する。それなのになぜ学ぶのか?学びには自ら変化させたい、状況をより良くしたい、成長したいという気持ちが基本にある。

・戦争は始まってしまうと反対の声をあげられない。平和なときにこそ、考える必要がある。

・戦争はグローバルな影響があり、サプライチェーン寸断により飢餓人口が増加するなど出てきている。

・学びの前にそれぞれの正義があり、学ぶ方向性によって平和にも戦争にも進んでしまう。子供は多くの場合選べない。

・学びにはその場に適応する、順応する、慣れる、社会化するという側面がある。

・一方で、学びには自己実現や自由化といった個性化の側面もある。

 

●振り返り

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

 

・自ら学びを選んで好奇心を満たす、個性化していけるような自由がまずあってほしい。

・恋する(ワクワクする)とは何か学びたいと思いました。

・(新たな問い)学び…喜びにつながっていくものであってほしい。認知機能が衰えていった場合、「学び」をどうとらえればいいのか?

・学ぶ方向性が大事だと思いました。

・学ぶとは結局自分でよく考え、アイディアを 出していくこと(クリエイティブ)を要求してくるものでは、と思った。目的なしに学ぶ(知識欲を満たす)のも私はすきです。

・戦争については、人類はまだ学び足りていないだけだと信じたい。恋・愛は学ぶべきものではないのかもしれない。それでいい。

・学ぶことは大事。人は学んでも忘れることも多い。繰り返し学ぶことも大切(戦争教育など)。多様性を認め合う事で解決できる事も多いのではないと思う。

・学ぶことには、事実以外に相手の価値感を理解する事も含まれ、考え、真実を追求 する必要がある。 →学びの深まりが必要。周りに流されないように。

・日本国憲法のこころとは、 平和を愛するこころ。

・(新たな気づき)

1)伝えてない

 国と国民の間でも、夫婦間でも異なる意見、不都合な情報は、(あるいは価値観も)伝えていない。それがもとでどちらも戦争になることが多い。

2) 折り合い

上記を受けて違いをどこまで、どうやって受け入れるかどうやってどこまでほったらかしにするか。多様性を受け入れ育てるのは必要だが大変。

 

●後記

選ばれた問いが面白く、人類や個人の失敗を振り返りつつ、学びの意味を考える壮大な展開になりました。戦争についての意見も多く、今まさに戦争が起きている中で、なぜこうなったのか?を哲学的に考える機会になったのも印象的です。一方で、問い出しで出ていた、学びのワクワクの側面、遊びや恋・愛と共通する部分についてももっと話してみたかったなぁと心残りがあり、またの機会の楽しみにしたいと思います。参加者の皆さま、今回もありがとうございました!

 

(記録:羽田美里)

 

 【第304回記録】 人生カフェ・女性編・テーマ「言い訳」オンライン

第304回目の人生カフェは、2022年10月20日(木)午前 10時~12時30分、10名(参加者8名、メイン進行役1名、サブ進行役1名)で、zoomを使ってオンラインで実施された。

(メイン進行役:たからん、サブ進行役:本間正己)

女性の方のみを募集し、原則カメラオンで行われた。

(PRの際の案内文は以下のようなものである)

*************

「言い訳」と聞いて、どんな場面が浮かびますか?

親や先生に「言い訳するんじゃない!」と叱られた過去。待ち合わせに遅れた相手から、あれこれ言い訳されてうんざり。

何も起きていないのに、自分から先回りして言い訳したり。

相手に言い訳されて、イヤな気持ちになる。

相手が言い訳しない事で、イヤな気持ちになる。

なぜ、言い訳は、してもしなくてもモヤモヤしたり怒りがわいたりするのでしょう。

いえいえ。

クスッと笑えたり、ほっこりする言い訳もありますね。センスの有る無し?関係性の問題?

言い訳は、自分で自分にする事も。

それは、自分を甘やかしているという事でしょうか?

ん?そう言えば。

「ドラゴン桜」の桜木先生は「言い訳をきちんとできる人間こそが真の成功を収める」と言っています。「勝者の言い訳・敗者の言い訳」という表現も使われています。

言い訳にも種類がある?ケアレスミスを防ぐためには「勝者の言い訳」が有効?だとすると、言い訳は悪いことばかりではないのでしょうか?

「説明」と「言い訳」、どう違うのでしょうか?色々考えてみたいと思います。

*************

◉導入のプログラム

自己紹介とともに「言い訳にまつわるエピソード」を1つ出してもらった。

(例)…オンライン中「ペットが邪魔してくるんです」と言い訳されるのが結構好きです(^-^)

〇家の前の道路掃除をしたくないので、しない言い訳をいろいろ考えている。

〇やらなくてはいけないことがたまっているのに、猫が心配だから様子を見ているとか、韓国語の勉強だからとNetflixを見たりとか、後回しや先送りの言い訳を日々重ねて生きています。

〇昨日の夕飯、ハンバーグのとりわけでミスをして言い訳しました

〇「言い訳」と聞いてすぐに思ったのが自分自身の正当化です。「今日は仕事で忙しい」と言われたら・・・別れの合図です^^;

〇エアコン取付業者から「ダミ-ボタンです」と言い訳された

〇メールの返事が遅れた時、言い訳する方もされた方も、なんとなく罪悪感とモヤっとした感じが残ります。

〇衣替えをしていますが、無駄な服が多いので、言い訳のしようもないと反省。

◉次に、テーマについて問いを出してもらった。

(例)…言い訳って何の為にするのだろう?

〇言い訳は日頃の訓練で上手くなるのか?

〇自分を守る方法?

〇言い訳と言い訳じゃないもの(理由、経緯等)は何が違うのか?

〇なぜ言い訳には悪いイメ-ジがつくのか?

〇言い訳と嘘の関係は?

◉投票により、後半へ向けて問いを一つに絞った。

〇言い訳は日頃の訓練で上手くなるのか?

◉その後、約70分フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

〇目指すものがある人は、そらす言い訳が上手。上手い言い訳は、

・相手の情に訴える ・すり替える事ができる

〇言い訳が上手い人は、多角的にものごとを見たり、新たな意味を持たせることができるのでは。

それが訓練でできるなら言い訳は悪い事ではなく、人間関係をよくするのに役立つ。

〇子どもの頃に、言い訳をする事によって知恵を付ける。

〇子どもの言い訳を叱ると、嘘をついたりあとから問題が出てくる場合もある。

〇子どもが言い訳をしている間は、親と共通のものさしを持っている。言い訳をしなくなった時が正念場。

〇言い訳にも、守るための言い訳と壊すための言い訳がある。

〇「仕事が忙しい」というのは、別れるための言い訳の場合もある。

〇「仕事が忙しい」は、自分自身の正当化?

〇言い訳に「取り繕う」という意味があってびっくりした。取り繕い⇒本心に気づく…など2段階の場合もある。

〇「言い訳が多いなー」と思うとその人を嫌いなったり信用できない。

そう思わせるのは、訓練できていない言い訳。「こういう関係でいたい」という到達点を見出していない不愉快な言い訳。

〇受け取る側が「言い訳」と思うか「説明」と思うか

〇自己肯定感をキープする為に言い訳をする場合もある。

◉最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇言い訳を上手くなる必要はあるのか?

都合の悪いことや過失・失敗などをごまかす、嘘をつくなどはあまり上手くなる必要はないのではないか。

上手くなりたいところ:大局的に、多角的に、(愛を持って)見る。理由、根拠を簡潔に、正確に言える。背景、前提を述べられる。⇒これって「言い訳」というより、「説明」だよね(「言い訳」って、どうしても悪いイメージがあるしね)。⇒これは哲学対話が練習になる。自画自賛?

〇言い訳に種類がたくさんあることがわかり、楽しかったです。ありがとうございました

〇①・受け手の到達点(目的)と、話し手の到達点(目的)が違っていると、受け手には言い訳に聞こえる。

・自分が本来望んでいる目的と違う行動を正当化すると言い訳になる。

・自己肯定感をキープするために言い訳を重ねる。

②言い訳を重ねることは、結果的に自己肯定感は低下するのではないか?

③理解が足りず、何度も確認のためにおつきあいいただきありがとうございます。

〇別れの言い訳も訓練でうまくなるのか?変な成功体験を重ねる人もいそうな気がする。

〇言い訳を楽しむためにはどうしたらよいのか?

〇訓練で上達するのか、というところをもう少し聞きたかったような気がします。

〇今日はありがとうございました。時空を超えて言い訳が存在し人間関係が複雑に絡み合っているのだと思いました

〇言い訳が、私も上手になりたいです。

〇(何でも感想)みなさんの話から「言い訳」の理解が深まりました。言い訳を言う方、受け取る方の両方に自分の見方に囚われてる部分があるのかもしれない。

〇明らかに嘘だとわかる言い訳は場を和ませるのではないかと思いました。

◉放課後タイムでは、約30分自由に話をした。

(記録:たからん)

★後記★

「言い訳」の中身をのぞき込むと…

対話中に出てきた言葉や終わった後のモヤモヤから、色んなものが見えてきました。

「説明」「嘘」「正当化」「罪悪感」「共通のものさし」「取り繕い」「到達点」「2段階」「自己肯定感のキープ」「自己肯定感の低下」「誠実」「不誠実」…

今回のテーマをきっかけに、とある自分への言い訳について考え、「本当の気持ち(後ろめたさ)」に気づきました。

この「言い訳の棚卸」、気持ち良かったです!

…自分と対話し、過去の自分を癒す。哲学カフェに参加して、対話の楽しさに気づくと「自分との対話」も多くなりますよね。

あれから皆さんは、どんなモヤモヤを抱えているでしょうか。

半月ぶりにメモを読み返し、思いを馳せています。

(かなり日が経ってしまい、すみません。

その言い訳、自分にはしていますがモチロン書きません(汗))

 

【303回記録】「参加者でテーマを決める」(オフライン・リアル)⇒「人はなぜ恋をするのか?」

303回目の人生カフェは、令和4年10月15日(土)午後2時~4時30分、9名(男性6名・女性3名)で、新宿区榎町地域センターにて、オフライン・リアルで実施された。

 

この日は「参加者でテーマを決める」であった。

 

まず各自に自由に問いを出してもらった。出されたものは以下の通りである。

○人はなぜ恋をするのか?

○仲間とは?

○人を許すことはできるか?(可能か?)

○同じくらい努力しているのに才能や相性などで報われない人がいるのは仕方ないのか?

○創造とは?

○老いをポジティブに捉えることは可能か?

○何もしないことが難しいのはどうしてか?

○大人の夢は何でしょうか?

○愚痴とは何か?(今となっては)言っても仕方がないことを、言っては嘆くこと

 

対話をしながら、出された全ての問いの中から今日のテーマを参加者全員で選んだ。

選ばれたテーマは「人はなぜ恋をするのか?」であった。

その後、問いに触れながら対話を行った。

 

●憧れや夢、自分の中のロマンが具現化したような人に恋をするのではないか?

●自分の欠けている部分を満たしたい気持ち。自分にないものを求める気持ち。「エロス」

●孤独・寂しい・精神的な安定を求める気持ち。

●気が付いたら恋をしていた。ときめき。片思い。想定外の感じ。

●恋愛感情を利用される危険性・罠もある。(ロマンス詐欺、キャバクラ等の同伴など)

●恋…非日常・ハレ・若・強烈に短時間で始まる

 愛・情…日常・ケ・老・時間をかけて醸成される

 恋→結婚。結婚を意識すると恋ではなくなる?(情?)

●恋をすると元気になる。生き生きしてエネルギーがわく。若返る。生きていく励みになる。

●元気になる…ドーパミン?セロトニン?エンドルフィン?本能?

●年を取ると恋をしなくなるのはなぜか?恋愛に対する興味がなくなるのはなぜか?

●恋でなければ得られないものはあるか?

●恋の終わり…友情に変化する・興味がなくなる。

 

最後に対話を通しての自分なりの感想を述べてもらった。

○恋は人生の花。花はしぼみ、実を結ぶ方向性をもち、人生の実とは人間の完成である。

○なぜ人は恋をするのか、理由が分からないところが不思議でいい(good)のでは?

 文房具に恋→これ私のもの!即買い!買い逃すなんて考えられないときです。

○恋はトキメキ?

○幻想の作り方とは? よく分からなくなった。

○恋バナをするって、どういうことか?

○(欧米の)映画で歳を重ねた男女が(夫婦ではない)死を前にして会い、手を取り合っているような恋に憧れます。

○1.定義の問題もあるが、私は恋をしていない。 2.恋をした方がより良い人生を送れるのか? 3.恋に限らず、人の気持ちは変わりやすい。

○人を好きになるにも、恋A・恋B・愛・情・友情と色々ありそう。Q:人を「好き」になるとは?

○恋はしようと思って出来るものではない。降ってくるような?久しぶりに恋してみたい気もします。恋に恋している状態かな?

 

髙橋 あずさ

 

【第302回記録】人生カフェ・デスカフェ風・「参加者で問いを決める」・オンライン

第302回目の人生カフェは、令和4年10月13日(木)午前 10時~12時30分、18名(男性9名・女性9名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

今年の1年間は随時、「死」について考えています。

デスカフェ風にカジュアルに死について話をしていくとともに、哲学対話的に問いを出し合いながら考えています。

(ここはお悩み相談、カウンセリング、グリーフケアの場ではありません。また、自殺を誘引するような話はお控えください。)

(話をする・しないは自由です。参加者のプライバシー保護をお互いに大事にします。場を荒らす人には退出をお願いします。安全・安心な場になることを大切にします。)

 

死について考えるにあたっては、そのアプローチとして、「一人称の死(わたしの死)」、「二人称の死(近しい者の死)」、「三人称の死(だれかの死)」という分け方があります。

今回は、どの人称の死を問いの候補にしてもよいことにします。

ただし、今回は「自殺」、「安楽死」については取り上げないことにします。

これはこの会の趣旨、ファシリテーターの力量等から判断して、この場での心理的な安全性を保つためです。

 

☆問い出し

参加者には、死に関する自らの問いをひとつ出してもらいます。

(例)二人称の死(近しい者の死)はなぜ悲しいのか?

その問いの背景、理由等について1分くらいで話していただきます

*自分の死はなぜ怖いのか?

*有名人の死によって何で関係の無い私たちがこんなに影響されるのか?

*死は究極の孤独なのでしょうか?

*年を重ねることによって死は怖くなくなるものなのか?

*あの世(天国)はあるのでしょうか?

*この世は仮想なら、死は本当は「目覚め」なのではないか?

*死を受け入れる人と受け入れない人がいるのは、なぜでしょうか?

*三人称の葬儀から見えた人の心理と葬儀のあり方とは?

*死は汝の罪を問う注意信号か?

 

☆問い決め

チャットに書いてくださった方の問いを、問い決めの際の選ぶ対象とします。

参加者から出された問いから、入り口の問いを投票により一つに絞ります。

今回は、その結果、

「死を受け入れる人と受け入れない人がいるのは、なぜでしょうか?」

の問いが選ばれた。

 

休憩後、フリーに対話を行った。(記録者が印象に残ったものだけを以下に記載する)

 

●自分は「死を受け入れている」、Aさんは「死を受け入れていない」、でもそれは比較できるものなのだろうか??

●「受け入れる」とは何をもって、それを「受け入れた」と判断できるのだろうか??

●「受け入れ」て、実際何になれば良いのだろうか? 「受け入れ」無くても、どうなっていれば良いのか??

●私は、死を受け入れる前に、生を受け入れ、精一杯生きているのだろうか??

●「死にたい」と「死を受け入れる」は違うのではないか?

●心が死を受け入れたつもりになっていても、身体が受け入れていないこともある。

●死に向かっていく際の身体の苦痛は容易には受け入れられない。しかし、これは死そのものの問題ではなく、生きているからこその問題とも言える。

●死を受け入れるとは死をポジティブに捉えるということか?

●誰かのために生き、誰かのために死ぬ。これによって死を受け入れる。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

○未来は分からない

〇死を見つめながら一日一日を生きる。

〇死と孤独との関連性に話題が及ばなかったことが残念

〇自分はどんな死を迎えるんだろう?願わくば苦しまずに済みますように。最後の瞬間に笑顔で逝けるよう寝る前に練習しよう!

〇死に方はなりゆきで、死はつい「うっかり」かもしれない

〇取りあえず、受け入れる、納得するぐらいでもいいのではないか。あくまでほとんどが主観的なものだから。

〇死をポジティブに受けとめたい。

〇どなたかが、おっしゃたように、肉体が滅びても心が残るなら,自分の葬儀の時の様子と悲しみ度を見てみたいね!

〇印象に残ったお話が色々ありましたが、死にたくないというのは本能で、人間は頭で決めていても揺れるもの。それでいいんだと思いました。

〇毎日、何か面白いことがあって、夢中になってるうちに、はっと気が付いたら死んでた・・・というようなのがいいかな~

まわりの幸福を犠牲にするような長生きはしたくありません。

〇週刊誌などで日本人の7割以上が安楽死を望んでいるという話が出ていますが、少なくとも今日のみなさんのお話をうかがっていると、本音はそうでもなさそうな気がしました。

〇死はどう見えるか、暗い淵か、光のすじか、

今までどんな死を見てきたか、体験してきたか、それらをどう経てきたか、

死の見方、向き合い方、伴う生き方、

色々だと思いました。ありがとうございました。

 

 (記録:本間正己)

 

【第301回記録】 人生カフェ・中高年の哲学対話(入門編)・問い「人はなぜ物事を先送りするのか?」オンライン

第301回目の人生カフェは、令和4年10月9日(日)午前10時~12時30分、16名(男性7名・女性9名)で、zoomを使って、オンラインで実施された。(進行役:本間正己)

 

(PRの際の案内文は以下のようなものである。)

問い:人はなぜ物事を先送りするのか?

この問いは先日の人生カフェにおいて参加者から出された問いなのですが、面白いと思いましたので今回取り上げることにしました。

林修先生が「今でしょ!」と言うように、今実行すればいいことなのに先延ばしにしてしまうことはよくあります。

わかっちゃいるけれど、怠け心の方が勝ってしまって、ついつい後回しということもあります。

死はいつ来るかわからないのだから、こんなに暇つぶしや気晴らしばかりしていてはいけないとは思っていながらも、先送りは止まらないですね。

一方で、先送りして、うまくいった例もあると思います。

熟慮の上で、先送りしたことが結果として良かったということもあります。焦って動くよりいいということだと思います。

また、課題をしばらく寝かしておくことで、解決に繋がることもあります。

この先送り、先延ばしについて、いろいろ考えてみましょう。

 

まずは、導入のプログラムである。

あなたが先送りしてよかったこと、または失敗したことのエピソード(ひとつだけ)

(例)歯医者に行くことを先送りしていたら、歯をかなり悪くしてしまった。

*先送りして失敗した例:教員をしていた時に、学生の一人が単位が足りなった時に合格点を出して救ってやればよか、来年再試験をやればよいだろと思っていたら、その学生は家庭の事情で中退した。その結果彼は1年間の実績をなくしてしまった。気の毒をした。

*買いたいものを先送りにしていたら、安くなってた時もあるし、逆に高くなっていたこともあります。

*夏休みの宿題を先送りして、いつも親に手伝ってもらっていました。今は、誰も手伝ってくれません。

*夏休みの宿題:やろうとすると冬休み♪

*ラ-メンの具でチャ-シュ-を食べる事を先送りにしている。

*スマホへの切り替え

*仕事に関わる知識をつけるための勉強をしないとと思いつつ、ひたすら先送りしています。決定的に困っていないので。。。

*先送りして良かったことも悪かったことも、あらためて思い返すと、特にはない……ということに気が付きました。その時は「あぁ、先延ばしにしている……」と思うのだけど、通り過ぎてしまうと、トータルでは辻褄?があっているのかもしれません。

*夏休みの宿題はいつも最終日にやる方で、追い込まれたときの集中力を信じてました

*癌の治療について先送りに似た少し先延ばしてから良かったと思いました。手術して治療をするべきか別の方法をするか思案していたら検査の結果から別の病院を紹介され、カウンセリングを受けてから再度精密検査しました。その結果相談した医師から別な方法を取りました。ホルモン治療という方法でした。オンラインでがん患者からの情報でやっぱり手術は大変だとわかりました。

 

全体において(約10分)、ブレイクアウトルーム(3個、1グループ約5人)に分かれて(約30分)、全体において(約30分)、フリーに対話は行われた。(記録者が印象に残った一部のみ記録)

〈各ブレイクアウトルームの報告〉

(ルーム1)

1先送りは後付け認識なのか?

2他人基準なのか自分基準なのか→ネガテイブ、ポジテイブ

3課題の重い物、軽いもの

4感情、思考、運

5何もしないという方法もある

(ルーム2)

1苦手意識・不得意 

2決断・選択

3自己責任 

4人生を切り開く 

5備える

(ルーム3)

1.主体性

2.決める

3.行動に移す

4.習慣

5.迷惑

 

●ネガティブな感情で先送りしているか、ポジティブな感情で先送りしているか。

●楽しいことの先延ばしは楽しそう♪ 宝くじの結果を確かめないでいれば、いつまでも楽しい♪

●選ぶ・実行すると、自己責任が生まれる。

●仕事上は先送りはよくないと見られがちである。PDCAサイクルを回していかなくてはならない。

●先送りか、今やるか、いずれにせよ、決断が必要である。

●優柔不断な性格というものはある。

●実際には、何かしらの優先順位をつけて、実行していくということになるのだと思うが……。

●苦手なこと、嫌いなことより、得意なこと、好きなことからやっていくというやり方もある。

 

最後に対話を通しての新たな気づき、新たな問い、感想等を述べてもらった。

〇先送りも一つの価値判断。決めないことのメリット。仕事とプライベート。因果応報。

〇新たな気づき:先送りはプライベートな場面と仕事の場面では違いがあるということ

〇緊急性・重要性の高いものは優先するが、緊急性はないが重大なことは先送りしがちだな、と最近気が付いた。日々の備え、決断を習慣化したい。

〇先送りはしても良いけど「自分で決める」が課題だと思いました。

〇先送りすると日記に書くことが少なくなるが、行動すると、結果を得ることができ、振り返りもできる。

〇「実行すること」に対して、考えること、感じること、空想すること、プランすること………。

〇皆さん、仕事の優先順位作って実行していてえらいなと。やることリストは作るものの、やる順番は「自分が今やりたいかどうか」で決めてます、、

やりたくないことは先送り・ギリギリでやるけど、その先送りしている時間をもっと楽しめるようになりたい!

〇「今でしょ!」にあおられている?

〇先延ばしにする理由を探ることで、自分で気がつかなかった本音(本当の願望とか)に気がつけるかもしれないというのが発見でした。

〇百貨店の福袋は中身が分からないけど、頑張って我先に買う人はおられる。

人生の新たな課題には、「福」の字は記載されていないので、手にし難いな~♪

自分で自分の人生の先に「福」を付ける♪

〇先送りって何だろう…。

〇先送りをするにしても、しないにしても、結局は自分で選んでるので、そこを自覚した方が、スッキリ生きられるのでは❓

〇黒白はっきりしないと済まない性格なので今日のテーマはもやもや感でした。でもこれでよかったです。何もしないが後悔しないとの考えは新鮮でした。

 

放課後タイムでは、30分ほど、自由に話をした。

 (記録:本間正己)