人生カフェにようこそ!
人生とはいったい何だろう?
人生後半(第二の人生・セカンドライフ)をしなやかに(自由に柔軟に幸福に)生きるために、人生について、みんなで一緒に問い、考えましょう!そして、お互いに聞き、語り合いましょう!
人生カフェは、主に中高年の人生について考える哲学対話の会です。
若い方の参加も歓迎します。
さまざまなテーマや素材(本、映画など)を使って、いろいろな角度から考えます。
①話をする、しないは本人の自由である。
②自分の名前を言ってもいいし、言わなくてもいい。ニックネームでもいい。
③発言をする場合は手を挙げて、ファシリテーター(進行役)の許可を得る。
④5分以上の話を続けている場合、ファシリテーターがストップをかけることがある。
①他の人の発言に対して、時には応答(質問、意見等)をしてみましょう。
②お互いの考えの違いを尊重しながら、みんなが納得する考えを模索しましょう。
③自分の問いや考えが変わっていくことを楽しみましょう。
④結論を出す場ではありません。モヤモヤした感じが後に残るでしょう。
そのモヤモヤをこれからいろいろ考えるきっかけにしましょう。
【人生カフェ・進行マニュアル】
(2019年8月15日版)
*あくまで一つのモデルとして、参考に資するために掲載する。(実際には必ずこのようにしなくてはならないということはなく、柔軟に実施する。)
*進行上の内容というより形式に着目する。形式のスタンダード化・シンプル化を目指し、
それによって内容の面の充実を図りたい。
Ⅰ 開始前
*30分くらい前から準備する。
*15分くらい前から開場する。
*参加者にセッティングを一緒に手伝ってもらうのもいい。(最初は机を使うことが多い。)
*名札(今日呼んでほしい名前)をA4の紙で作ってもらう。できるだけ大きな字で書いてもらう。
Ⅱ 開始
(進行役の言葉)
みなさん、こんにちは。今日の進行役の〇〇です。よろしくお願いします。
今日のテーマは「 」です。
「私の今の気持ちは、~ 」
Ⅲ チェック・イン
全員に以下のようなことを第一声として発言してもらう。
① 今日呼んでほしい名前
② 今の気持ち
③ その他
Ⅳ ルール説明
省略しないで、毎回、丁寧に説明する。
Ⅴ 問い出し
*全部で10くらいの問いを出してもらうことを目安にする。
*A4の紙を横にして、大きな字で書いてもらう。
*まずは一人ひとつの問いを出してもらう。(出さなくてもよい。)
*順番に、問いの簡単な背景を含めて、発表してもらう。
*似たような問いの人がいたら、続けて発表してもらう。
*参加人数が少なく、問いが少ないようであれば、フリーにもう少し問いを出してもらう。
Ⅵ 問いの整理
*多少、問いの分類・整理を行う。
*明らかに同じような問いは一つにまとめる。
*問いのブラシュアップが可能な場合はみんなで行う。
*無理にまとめようとしなくていい。
*自らが出した問いの表現を修正したい人は行う。
Ⅶ 問い決め
*一人3つ(または2つ)を選び、手を挙げて、多数決を取る。(自分が出した問いに手を挙げてもいいとする。)
*上位に選ばれた2つで、決選投票をする。
Ⅷ 対話準備
*椅子だけになって、みんなで一つの輪を作る。(できるだけきれいな円になるように詰めて座る。)
*各自の前の床に、自分の名札を置く。
*対話のルールをもう一度簡単に言う。
*「自分が手を挙げなかったものにテーマが決まったとしても、どうぞ遠慮なく自由にお話しください。」
*コミュニティ・ボールを使う場合と使わない場合がある。
Ⅸ 対話
*今日、投票の結果決まった問いを出した人から、なぜその問いを出したかなどについて、話の口火を切ってもらう。最初に、他の人からの質問を1,2個受けてもいい。
*対話の時間中は、ルールに則り、できるだけ安全に自由に、考え、対話ができるようにしていく。
〈沈黙について〉
「沈黙はいいものですよ、考える時間を大切にしましょう。」
「まだあまり話していない人で、別の話題でもいいですから、話したい人はどうぞ。」
・進行役がそれまでの対話の内容や展開を簡単にまとめて話してもいい。
*時間が来たら、終了する。
Ⅹ チェック・アウト
次の3つのうち、どれかを(全部でもいい)紙に書いてもらい、順次発表する。
① 新たな気づき
② 新たな問い
③ 感想
Ⅺ 終了
*お知らせ
*お礼、感謝の言葉
*参加者全員で後片付けをする。
*終了後、会場は30分ほど使用できるといい。対話の余韻を感じたり、おしゃべりをしたりできる余裕がほしい。
〈当日にメインテーマを決める場合の例〉
Ⅰ メインテーマを決める 【起】 (問いの力)
*簡単な自己紹介を順番に行う。
*各自が最近感じていること、考えていることを出し合う。このことによって、各人の興味・関心のあるところが分かる。
*参加者全員が協力してテーマを一つに絞っていく。
*取り上げられなかったテーマも本日のカフェの中でお互いに反響し合うということを意識する。
Ⅱ サブテーマを出し合って、対話する 【承】 (問いの力)
*サブテーマを出せる人から出していく。
*様々な角度からテーマを考えていくことによって、問いを発展させる。
*気になるサブテーマを掘り下げていく。
Ⅲ メインテーマに沿った各自の体験事例(エピソード)を出す 【転】 (体験の力)
*体験事例を出せる人から、一人当たり3~5分くらいで話してもらう。
*人生カフェにおいては具体的な体験事例は重要であり、お互いに参考にする。
*テーマに対する反対例も事例になりうる。
◇時間の関係ですべての人に発表してもらえない場合がある。
Ⅳ メインテーマの問いに対する答えを探求する 【結】 (答えを求める力)
*参加者全員で答えを見つけるために対話を重ねる。
*最後の30分になったら、各自が本日の自分なりのとりあえずのコメントを「フリップ」に書いて発表する。(結論が出ないことが通常である。正解があるわけではない。)
*自分なりのとりあえずのコメントとは、①とりあえずの結論 ②とりあえずの新たな問い ③とりあえずの感想 などである。
◎各セッションの間に適宜小休憩を取る。
人生カフェ・コラム
人生カフェ(哲学カフェ・哲学対話)の楽しみ方
対話を楽しみましょう!
1 自分の頭で考えることを楽しむ
誰かから正解を教えてもらうのではない。
上手・下手ということは関係ない。
2 みんなで一緒に考えることを楽しむ
仲間意識を楽しむ。
3 他の人との価値観・考えの違いを楽しむ
出会いを楽しむ。
4 少しでも納得したところがあったことを楽しむ。
少しでも人生の糧や拠り所となったところを確認する。
5 もやもやしたところを楽しむ。新しい問いが生まれたことを楽しむ。自分の考え方が変わっていくことを楽しむ。
◎自分なりの楽しみが見つけられれば幸いです。
◎1回の参加だけでは、なかなか楽しみは見出せないかもしれません。何回か参加することによって楽しみが分かってくるでしょう。
グループでの話し合いについて
自分一人だけで考えていると、どうしても行き詰ってしまう。
6~10人くらいで話し合いをすると、楽しいし、有意義なことが多い。
大体が多角的に物事を見ることができるようになり、各人から色々な知恵を出し合うことができる。みんなで励ましあったり、共感したりといった、感情的な面も重要である。
中高年だからといって、グループの中で、きちんとしたことを言わなくてはならないとか、他の人が感心するような深い話をしなくてはならない、といったようなことは思わないでいい。自分の長年の経験から話をすればいい。それは悩みであり、苦しみであってもいい。
ただし、中高年にありがちなことに関して、注意を少ししておきたい。人の話をよく聞くことと、自分だけが長くしゃべらないこと、である。
テーマについて
人生カフェでは、毎回一つのテーマを設定する。そして、そのテーマについて、問いと答えを連ねていく。未来を生きていくことに関連させて考えを続けていく。
ディズニーランドのようなものを指して、「テーマパーク」という言い方がある。ディズニーランドのテーマは「夢(ドリーム)」と言っていいだろう。このテーマを意識しているとしても、アトラクションやショウなどは実に自由に多様に展開している。それが魅力になっている。
人生カフェのテーマについても同様で、テーマを意識していることが大切だが、多種多様なアプローチがあっていい。
多少脱線してもいい。話題を次々に転換していってもいい。逆に、一つのことに立ち止まってじっくりと考え込んでもいい。時に沈黙が長く続いてもいい。
他の人たちに自分の考えを伝えようとする努力や工夫は必要だが、必ずしも上手な話し方でなくてもいい。訥々(とつとつ)とした話し方でもいい。周囲に聞く力があれば十分に受け止められる。
「問い」と「答え」について
「人生カフェ」は宗教活動ではないので、答え(正解)があるわけではない。
一人一人が問いを立て続けること、そして、それに対して答えを考え続けることを重視する。参加する前に想定していた自らの問いが、参加することによって変化していくことこそが面白い。
参加することによって、わずかでもヒントや気づきがあれば、それがいい。
終了後にもやもやした感じが残るところを大切にしたい。これがあるから、終了後にも数日間考える楽しみがある。
そして、また次回のテーマについて考える楽しみがある。どうぞ、また次回に参加してみてください。
「会話」と「対話」について
「会話」とは、価値観や生活習慣などが近い親しい者同士のおしゃべりである。
一方、「対話」とは、あまり親しくない人同士の価値観や情報の交換である。あるいは親しい者同士でも、価値観や情報が異なるときに話し合いをすることである。
「人生カフェ」に集まる人たちは、中高年の世代の人たちである。この点に関しては共通基盤があるが、それぞれの長い人生の中で異なる人格を作り上げてきたといっていいだろう。
お互いに、当然ながら、異質な存在である。
したがって、「人生カフェ」の場で行われるのは「対話」が主となる。(終了後の懇親会では「会話」が主になるかもしれないが。)